2026年10月28日、米国環境保護庁(EPA)は、有害物質規制法(TSCA)第VI編に基づく複合木材製品のホルムアルデヒド放散基準(40 CFR 770)について、参照している任意合意規格を最新版に更新する最終規程を連邦官報に公表しました。対象は広葉樹合板、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボードおよびこれらを含む製品で、ANSI、ASTM、ISO、NISTの試験方法・製品規格を改訂版に置き換えるほか、品質管理用の任意の試験方法としてISO 12460-2:2024を追加し、内容が重複する英国規格を削除します。2026年2月11日の規程案に対する意見を踏まえたもので、発効日は2026年11月27日です。EPAは、更新後の各版は従来版と技術的に整合しており、適合性の判断や運用に影響しないとしています。
更新される参照規格
- ANSI A190.1(構造用集成材):2017年版→2022年版
- ASTM D5582(デシケーター法):D5582-14→D5582-22
- ASTM D6007(小型チャンバー法):D6007-14→D6007-22
- ASTM E1333(大型チャンバー法):E1333-14→E1333-22
- ISO 12460-3(ガス分析法):2020年版→2023年版
- NIST PS 1(構造用合板):PS 1-19→PS 1-22
あわせて、適用範囲(770.1)や定義(770.3、ハードボード、広葉樹合板、品質管理限界値など)および第三者認証機関・試験に関する各条項の参照先も新版に改められます。
品質管理用試験方法の追加
- 小型チャンバーによる放散試験方法ISO 12460-2:2024を、日常の品質管理試験に使える任意の代替方法として追加します(770.20(b)(1)(viii))。
- レーザー吸収分光法などの選択肢が広がり、カリフォルニア州大気資源局(CARB)の空気中有害物質規制措置が同規格を採用したことと整合させる趣旨です。
- 使用する場合も、他の品質管理方法と同様に試験頻度・報告の要件と、770.20(d)に基づく相関要件を満たす必要があり、同等性・相関の記録の保管も求められます。
重複規格の削除
- BS EN ISO 12460-3:2020を770.20(b)(1)(iii)および770.99から削除します。同一内容のISO 12460-3:2023は引き続き利用できます。
事業者への影響
- パネル製造事業者は品質管理方法の選択肢が増えます。
- 第三者認証機関・試験所が参照する試験規格はASTM E1333-22、D6007-22となります。
- 意見募集では移行期間の設定を求める声がありましたが、EPAは新版が技術的に整合していることなどを理由に追加の移行期間を設けず、発効日から新たな参照規格が適用されます。
- EPAは今後、新版が手順・計算・装置に実質的な変更を伴う場合には、移行規定の設定を検討するとしています。
参考情報
米国連邦官報(2026年10月28日)「Voluntary Consensus Standards Update; Formaldehyde Emission Standards for Composite Wood Products」:https://www.federalregister.gov/d/2026-21963
米国政府出版局(GovInfo)同文書本文:https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2026-10-28/html/2026-21963.htm



