2026.10.20
ドイツ|連邦議会が製造物責任法の現代化法案を可決、ソフトウェア・AIを製品に含め域外製造者の輸入者等にも責任
2026年10月8日、ドイツ連邦議会は、連邦政府が提出した「製造物責任法の現代化に関する法律案」を、法務・消費者保護委員会の修正案のとおり可決しました。同法案は、欠陥製品責任指令(指令85/374/EEC)を置き換える新製造物責任指令(指令 (EU) 2024/2853)を国内実施するもので、1989年以来となる製造物責任法の全面改正です。ソフトウェアを提供・利用の形態にかかわらず製品に含め、AIシステムの製造者にも製造物責任が及ぶほか、EU域外の製造者の製品については、輸入者、製造者の授権代理人、フルフィルメント・サービス事業者、供給者、一部のオンラインプラットフォーム事業者も一定の条件の下で責任を負うことになります。
主な内容(政府法案による)
製品と欠陥の範囲
- 製品には、動産、電気に加え、ソフトウェアおよび機械・工具の制御に用いるデジタル製造ファイルが含まれます。商業活動の外で開発・提供されるオープンソース・ソフトウェアは除外されます。
- 欠陥の判断では、自己学習機能、他の製品との相互作用、サイバーセキュリティ要件等が考慮されます。ソフトウェア更新等により上市後も製品を管理する製造者については、管理が終了した時点が基準となります。
- 上市後に製造者の同意なく大幅に変更された製品(アップサイクル品等)は新たな製品とみなされ、それを上市した者が製造者として責任を負います。
損害と責任主体
- 賠償対象に、医学的に認められた精神的健康の侵害や、職業目的以外で使用されるデータの消失・破損が加わり、物的損害の自己負担額と人身損害の責任上限額は廃止されます。
- 製造者がEU域外の場合は輸入者・授権代理人が、それらがいない場合はフルフィルメント・サービス事業者が責任を負います。供給者は、請求者の求めから1か月以内にEU域内の責任主体を示さない場合に責任を負い、オンラインプラットフォーム事業者も同様の条件で責任を負うことがあります。
証拠開示・推定と期間
- 裁判所は被告に証拠の開示を命じることができ、開示命令に従わない場合等には欠陥が推定されます。営業秘密の保護措置も設けられます。
- 時効は3年、責任の消滅期間は上市から原則10年(潜伏性の健康被害は25年)です。
- 新法は2026年12月9日に施行され、同年12月8日までに上市された製品には旧法が適用されます。
決議
連邦議会は併せて決議を採択し、EU域外製造者の授権代理人に賠償責任保険等の担保や品質基準を求めることの是非や、民間資金による補償基金の設置の可否を検討するよう連邦政府に求めました。
参考情報
ドイツ連邦議会「Modernisierung des Produkthaftungsrechts」:https://www.bundestag.de/dokumente/textarchiv/2026/kw10-de-produkthaftungsrecht-1150448
ドイツ連邦議会印刷物21/4297(連邦政府法案):https://dserver.bundestag.de/btd/21/042/2104297.pdf
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