2026年10月21日、中国生態環境部は、「中間試験(パイロット試験)建設プロジェクトの環境影響評価業務の最適化に関する通知(意見募集案)」を公表し、意見募集を開始しました。意見募集の文書(環弁便函〔2026〕348号)は10月19日付で、意見提出期限は2026年10月31日です。新製品を試作段階から生産工程へ移行させるための中間試験を行う建設プロジェクトは、試験内容の変更が頻繁で運転の変動が大きいという特徴があり、工業化生産を前提とした従来の環境影響評価の手続が負担になっているとして、一定の条件を満たす場合の環境影響評価の免除や、パイロット試験基地単位での一括評価などを打ち出しています。一方で、非定常時の排出管理や運転期間の上限など、事業者に求める管理要件も明記されています。中国で研究開発成果の実用化に向けた試験設備を運営・計画する事業者に関係する内容です。
対象となるプロジェクト
- パイロット試験建設プロジェクト:試作段階の新製品を生産工程へ移すための過渡的な試験を行う建設プロジェクト。実験室での研究と工業化生産は含みません。
- パイロット試験基地(プラットフォーム):複数のパイロット試験プロジェクトに試験用の付帯サービスを提供するプロジェクトで、試験工場や汚染防止設備などを含みます。
- 「建設プロジェクト環境影響評価分類管理名録」の第10〜40大類に該当するプロジェクトが対象です。
環境影響評価が不要となる場合
- 環境影響評価の承認を得たプロジェクトで、原材料・試験品目・能力・工程の変更や既存設備を用いた新たな試験を行う場合でも、新たな汚染物質の種類や排出量が増えないとき、または増加が窒素酸化物・揮発性有機化合物(VOCs)・化学的酸素要求量(COD)の各単項で年間0.1トン未満、アンモニア性窒素で年間0.01トン未満にとどまるときは、環境影響評価の再実施は不要とされます。竣工環境保護検収後の変更も同様の扱いです。
- 既存の工業化生産を行う排出事業者の敷地内で実施し、排出や環境リスクが既存の環境影響評価の承認と排出許可証の範囲内に収まる場合は、環境影響評価は不要です。
- 工業排水・排ガスを排出せず、危険廃棄物を生じず、危険化学品を生産・使用・貯蔵しないプロジェクトも、環境影響評価は不要です。
- ただし、環境影響評価が不要な場合でも、排出許可の申請・再申請・変更が必要な場合は法令に従って手続を行う必要があります。
パイロット試験基地での一括評価
- 基地内のプロジェクトについて統一的に環境影響評価を行うことを奨励し、基地の建設者は産業上の位置付けや入居予定のプロジェクトを踏まえて評価文書を合わせて作成できます。
- 評価済みの基地に入居するプロジェクトは、試験の類型・原材料・排出・リスクが基地の評価と承認の範囲内で、基地の設備が要件を満たせば、個別の環境影響評価は不要です。
- 標準工場のみで試験装置や処理設備を備えていない基地の場合、入居プロジェクトは着工前に個別に環境影響評価の手続を行います。
立地・運転管理の要件
- 地域の環境管理区分や法令に適合し、禁止区域に立地しないこととし、パイロット試験基地または既存の排出事業者の敷地内での実施を優先します。
- 工程変動やパラメータ調整、設備の起動・停止など非定常時の排出管理を強化し、試験上の必要を理由に未処理の汚染物質を直接排出してはならないとしています。
- パイロット試験の運転期間は原則として2年以内とされ、終了後に工業化生産へ移行する場合は環境影響評価と排出許可の手続が必要です。パイロット試験の名目で工業化生産を行うことは禁止されます。
参考情報
中国生態環境部(意見募集の通知):https://www.mee.gov.cn/xxgk2018/xxgk/xxgk06/202610/t20261021_1184101.html
中国生態環境部(通知案本文PDF):https://www.mee.gov.cn/xxgk2018/xxgk/xxgk06/202610/W020261021657933803732.pdf
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