シンガポール|会社法・会計関連法の改正が10月20日に施行、年次報告の登録情報確認や登記上の事務所開所義務を見直し
2026年10月6日、シンガポールの会計企業規制庁(ACRA)は、「2025年会社法・会計関連法(改正)法」に基づく改正の次の段階が2026年10月20日に施行されると発表しました。今回施行される主な改正は、年次報告(アニュアル・リターン)の提出時にACRAが保有する取締役等の登録情報の正確性確認を求めること、登記上の事務所を営業日に一定時間公衆に開放する義務の廃止、目論見書に代わる届出書の提出義務や株式資本を有する公開会社の法定総会・法定報告書の作成義務の廃止、登記抹消・回復手続の迅速化、公認会計士の登録更新期間の柔軟化、職業賠償責任保険(PII)義務の対象拡大です。会社の実務担当者や会計事務所にとって、年次報告の提出手順や保険加入の要件に影響する内容となっています。
主な改正内容
年次報告の提出要件
- 会社は年次報告の提出時に、ACRAが保有する取締役、最高経営責任者(CEO)、秘書役、監査人、関係する社員の登録情報が正確であることを確認しなければなりません。対象となる情報には、氏名、身分証明情報、国籍、連絡先住所、就任日、登記上の事務所の所在地、株式保有の詳細(該当する場合)が含まれます。
- 年次報告の電子様式では、会社においてCEOの役割を担う個人がいるかどうかを尋ねる項目が設けられます。
- 提出者は、年次報告を提出する前にBizfile上で記録を更新する必要があります。
- 保証有限責任会社の場合、提出者は直近にACRAへ届け出た社員の総数を確認しなければなりません。
規制上の負担の軽減
- 所定の場合に求められていた目論見書に代わる届出書(statement in lieu of prospectus)の提出義務が廃止されます。
- 株式資本を有する公開有限責任会社は、法定総会の招集や法定報告書の作成が不要になります。
登記上の事務所と記録の閲覧
- 登記上の事務所を営業日に所定の最低時間、公衆に開放する義務が廃止されます。
- 会社は引き続き、法令に基づき記録を閲覧に供する必要があります。閲覧希望者は合理的な事前通知を行う必要があり、通知を受けた会社は、該当する各営業日に少なくとも2時間記録を閲覧可能にしなければなりません。
- 登記上の事務所の所在地の変更は、引き続き変更から14日以内に届け出る必要があります。
登記抹消・回復手続の迅速化
- 任意の登記抹消と登記官(Registrar)主導の登記抹消の期間が短縮されます。官報公告は、任意の場合は通知送付と同日に、登記官主導の場合は書簡送付から15日後に掲載できるようになります。
- 事業体は、登記官が名称を抹消または回復した日時をもって解散または回復します。登記官はその名称と日時を官報に掲載します。
- 事業体が違法または有害な目的に利用されるおそれがある場合や、回復が国家安全保障または国益に反する場合、裁判所または登記官は回復を拒否しなければなりません。
公認会計士の登録更新と職業賠償責任保険
- 公認会計士は、毎年の更新に代えて1年、2年または3年の期間で登録を更新できるようになります。
- PII義務は、公認会計法人や会計有限責任パートナーシップに加え、個人事業およびパートナーシップにも適用されます。
- PIIの保険金額は、次のうち最も高い額とされています。
- 100万ドル
- 事務所の公認会計士1人当たり50万ドル
- 直近事業年度における事務所の総収入の2.5倍(上限5,000万ドル)
参考情報
会計企業規制庁(ACRA)「Commencement of Key Changes under the Corporate and Accounting Laws (Amendment) Act 2025 on 20 October 2026」:https://www.acra.gov.sg/news-events/news-announcements/commencement-of-key-changes-under-the-corporate-and-accounting-laws–amendment–act-2025-on-20-october-2026/
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