2026年10月27日、欧州委員会は、CLP規則(Regulation (EC) No 1272/2008)を改正する委任規則案を公表し、意見募集を開始しました。REACH規則、植物保護製品規則、殺生物性製品規則のもとで既に内分泌かく乱物質、PBT(難分解性・生物蓄積性・毒性)物質、vPvB(高難分解性・高生物蓄積性)物質と特定された物質をCLP規則に追加する取組みの一環で、本案はそれらの物質や、それらを含む混合物の分類・表示の方法について、附属書VI第1部に新たな注記(Note)を設けるものです。注記の多くは、同一の調和分類エントリーに含まれる個々の物質の混合物中の濃度を合算して混合物を分類する「加算ルール」を定めています。意見募集期間は2026年11月24日(ブリュッセル時間の深夜)までの4週間で、欧州委員会による採択は2027年第2四半期が予定されています。本イニシアチブは、同時期に意見募集が行われている「化学物質の分類および表示 ― 内分泌かく乱物質および難分解性汚染物質」と並行して進められています。
委任規則案の概要
- 法的根拠はCLP規則第53条(1)で、附属書VI第1部第1.1.3節(調和分類・表示エントリーに付される注記)を改正します。
- 附属書VI第3部の表3(調和分類・表示の一覧)には、REACH規則等で特定された内分泌かく乱物質、PBT物質、vPvB物質が追加されることになっており、本案はそのエントリーに付す注記を定めるものです。
- 発効は、EU官報掲載の20日後です。
追加される主な注記
物質の識別・分類に関する注記(第1.1.3.1節)
- 注記Y:PBTとしての調和分類は、物質に含まれるオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4、EC番号209-136-7)が0.1%(重量比)未満であることを示せない限り適用されます。示せる場合は、製造者・輸入者・川下使用者がCLP規則第II編に従いPBTとしての分類を自ら評価する必要があります。
- 注記Z:エントリー名が物質群を指す場合で、供給者が注記Aに沿って特定の物質名を示せるときは、第18条(2)がその識別に適用され、供給者は該当する識別番号(ある場合)を選択します。
混合物の分類に関する注記(第1.1.3.2節)
- 注記14・15:同一エントリーに含まれる個々の物質の濃度の合計が、一般濃度限界または当該エントリーの特定濃度限界以上である場合、混合物を内分泌かく乱物質(ヒト健康/環境)に分類します。
- 注記16・17:同一エントリーに含まれる個々の物質の濃度の合計が0.1%以上の場合、混合物をPBT(注記16)またはvPvB(注記17)に分類します。
- 注記18〜21:当該注記が付された物質(複数のエントリーにまたがる場合を含む)の濃度の合計が一般濃度限界以上の場合に、PBT・vPvB、内分泌かく乱物質等への分類を求めます。注記19は、分岐・直鎖のエトキシ化4-ノニルフェノール(パラ異性体、分子量を問わない)の合計を環境に対する内分泌かく乱物質の判定に用います。
事業者への影響
- 対象物質を含む混合物を上市する事業者は、個々の物質の濃度ではなく、同一エントリー等に属する物質の濃度の合計で混合物の分類を判断する必要が生じます。
参考情報
欧州委員会「Have your say」Endocrine disruptors & persistent & bioaccumulative substances – transfer from related EU legislation to CLP Regulation:https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/17632-Endocrine-disruptors-persistent-bioaccumulative-substances-transfer-from-related-EU-legislation-to-CLP-Regulation_en


