法令の情報時期:2022年12月 版 | ページ作成時期:2025年06月 |
目的

本法は、生産・流通・消費など製品の全過程において資源を効率的に利用し、廃棄物の発生を最大限に抑制するとともに、発生した廃棄物の循環利用を促進することにより、持続可能な循環経済社会の形成に寄与することを目的とする。
概要

本法は、資源効率化・廃棄物発生抑制・循環利用促進を規定し、国家・自治体・事業者・国民が循環経済社会への転換を図る基本原則を示している。
環境部長官は循環経済基本計画を策定、中央省庁・地方自治体は実施計画を立案・施行し、統計調査と数値目標による体系的管理が行われる。
事業者には天然資源の使用削減、循環原料の使用拡大、製品の耐久性確保・修理容易化等による製品循環利用促進、包装材削減、修理部品確保などを求め、循環資源の認定・告示、品質認証・表示制度を整備している。
行政面では「循環経済新技術・サービス審議委員会」を設置し、規制適用前の実証検証に対する規制特例や臨時許可、地方自治体が「循環利用センター」を設立できる仕組みが設けられている。循環利用が可能な廃棄物の焼却・埋立には処分負担金を課し、その収入および関連交付金を原資とする「循環経済特別会計」を自治体に設置し、循環利用促進事業等へ充当する財政措置を規定している。
本法への違反行為には、懲役や罰金などの罰則を定めている。
注目定義
■ 「循環利用」(순환이용)
「循環利用」(순환이용)とは、生活または産業活動で使用された物質・物品を、資源として再使用・再生利用するなどの環境部令で定める一連の活動、または廃棄物から「エネルギー法」第2条第1号に定めるエネルギーを回収、または回収できる状態にする活動をいう。 |
■ 「循環原料」(순환원료)
「循環原料」(순환원료)とは、生活または産業活動で使用された、あるいは未使用のまま回収された物質・物品の全部または一部を原形のまま、または加工を経て循環利用できる物質で、大統領令で定めるものをいう。 |
■ 「循環資源」(순환자원)
「循環資源」(순환자원)とは、第21条または第23条により、環境部長官が産業通商資源部長官と協議して認定または指定および告示した物質・物品をいう。 |
■ 「資源循環産業」(자원순환산업)
「資源循環産業」(자원순환산업)とは、廃棄物を最大限に循環利用できるようにする、あるいは循環経済社会への移行に必要な技術・制度を研究開発する産業であり、産業通商資源部長官と協議のうえ環境部令で定める業種の産業をいう。 |
■ 「資源循環施設」(자원순환시설)
「資源循環施設」(자원순환시설)とは、生産工程で廃棄物の発生を抑制、または廃棄物を循環利用するために用いられる施設・装置・設備などで、環境部令で定めるものをいう。 |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外については特に明記されていないが、循環経済社会への転換促進に関しては、他法律に特別な規定がある場合を除き本法の定めに従う。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

【基本原則】
- 国家、地方自治体、事業者、国民を含むすべての主体は、循環経済社会への転換促進のため、次の原則を遵守しなければならない。
- 資源を効率的利用し浪費を抑制する
- 製品耐久性向上と修理による寿命延長で廃棄物発生を最小化する
- 廃棄物が見込まれる場合は循環利用を考慮する
- 廃棄物は再使用や再生利用を行い、再生利用には効率的な手段を優先する。再使用・再生利用が困難な場合は可能な限りエネルギー回収を行い、これらが不可能な場合は健康・環境への影響を最小化して適正処分する。(第3条)

【国・自治体・事業者・国民の責務】
- 国は循環経済社会への転換を総合的・体系的に推進する施策を策定・実施する。自治体は国の施策との役割分担を踏まえ、管轄区域の施策を策定・実施しなければならない。(第5条)
- 原料生産事業者は天然資源使用の最小化と循環原料使用率向上に努めなければならない。製品の生産・輸入事業者は、資源投入とエネルギー使用の効率化、材質・構造改善による製品の廃棄物化を抑制しなければならない。流通事業者は流通過程で資源を節約し、輸送用包装材廃棄物を最小化しなければならない。(第6条)
- 事業者は発生した廃棄物を自ら循環利用し、分別排出して資源循環産業者による循環利用を容易にする措置を講じなければならない。また廃棄物発生抑制技術の開発に努めなければならない。(第6条)
- 国民は自然環境・生活環境の清潔維持、使い捨て製品の自制、廃棄物の少ない製品等の優先購入および耐久年限まで使用することで資源浪費の抑制に努め、廃棄物は分別排出しなければならない。(第7条)

【基本計画】
- 環境部長官は、循環経済社会への転換に関する中長期目標・方向を示す「循環経済基本計画」を10年ごとに策定・施行する。計画には基本方針、数値目標、資源節約、廃棄物抑制、循環利用活性化、主体別役割、財源計画等が含まれる。基本計画策定後5年経過時点で妥当性を検証し、必要に応じ変更できる。変更または策定時には「2050炭素中立グリーン成長委員会」の審議を受けなければならない。(第10条)
- 関係中央行政機関は年次実施計画を作成・施行し、環境部長官へ提出する。広域自治体は5年ごとに投資計画を含む実施計画を策定し環境部長官の承認を得て施行し、市郡区長は同計画の年次執行計画を策定・施行する。(第11条)

【促進施策】
- 環境部長官は、廃棄物発生減量率・最終処分率・循環利用率・エネルギー回収率について中長期・段階別目標を設定する。(第13条)
- 環境部長官は環境部令で定める業種・規模の事業者(循環経済成果管理対象者)に対し、対象者別に最終処分率および循環利用率の目標を設定・管理する。対象事業者は目標達成計画・実績を提出し、超過達成分は翌年度実績へ繰り越すことができるが、未達成部分については翌年度に追加履行を命じられる。(第15条)
- 大統領令で定める製品等の生産者・輸入者は、循環原料や環境配慮素材の使用、耐久性・修理容易性の確保、全過程での循環利用可能性および炭素排出影響に関する基準を遵守するよう努めなければならない。(第17条)
- 循環利用困難と疑われる製品等には循環利用性評価が実施され、当該製品等を生産・加工・輸入・販売する者には環境部長官が改善勧告、支援措置を行い、非履行時には評価結果を公表することができる。(第18条)
- 一定規模の流通事業者には、包装材削減や循環利用に関し基準遵守が求められる。(第19条)
- 指定製品の生産者・輸入者は、早期廃棄を防ぎ、修理して使用継続できるようにするため、予備部品確保・配送期限等の基準を遵守するよう努めなければならない。(第20条)

【循環資源・認証製品の使用促進】
- 健康・環境への無害性、経済性その他基準を満たす廃棄物は「循環資源」に認定される。認定された物質は廃棄物とみなされない。(第21条)
- 基準を満たし、廃棄物として扱わないことが循環利用促進に効果的な物質は、「循環資源」として告示される。用途・方法・基準を定め、遵守する範囲では廃棄物とみなされない。(第23条)
- 指定業種・規模の「循環資源使用指定事業者」は、告示される指針に従い一定量以上の循環資源使用に努める義務を負う。使用実績に優れた事業者には行政・技術・財政優遇措置が講じられる。(第24条)
- 事業者の申請により、循環資源の品質・工程審査を経て「品質認証」が付与され、品質認証済み循環資源を一定比率以上原料使用した製品には、包装・容器へ循環資源使用製品表示が可能である。(第25条、第26条)
- 既存の許可等の基準・規格・要件が存在しない、または適合しない場合などに、環境部長官は「規制特例」や「臨時許可」を審議・議決する「循環経済新技術・サービス審議委員会」を設置する。新技術・サービスを活用しようとする事業者は、許可等を申請することができる。(第27条、第28条)

【基盤造成・支援】
- 自治体は、循環利用促進のため「循環利用センター」を設置・運営することができる。センターは、製品等の循環利用、循環利用体系の構築、その他必要な事業を推進する。環境部長官および産業通商資源部長官は、センター設置をしようとする自治体に対し、行政・技術・財政支援を行うことができる。(第35条)
- 環境部長官は、循環利用可能な廃棄物を焼却・埋立処分する自治体および事業場排出者に「廃棄物処分負担金」を賦課・徴収できる。負担金および加算金は、「環境政策基本法」による環境改善特別会計の歳入となる。(第36条、第37条)
- 市・道・郡・区は、循環経済社会転換促進に必要な事業費確保の目的で、「循環経済特別会計」を設置できる。特別会計の歳入は次のとおりである。
- 国・市・道の補助金
- 一般会計等や他の特別会計からの繰入れ
- 廃棄物処分負担金交付金
- 廃棄施設搬入手数料の一部
- 施設運営収益の一部
- 特別会計事業収入
- これら資金の運用収益
歳出は次の事業等に充当する。
- 循環利用を奨励するための広報・教育・文化醸成等
- 廃棄物処理施設・資源循環施設およびその周辺地域の環境改善
- 廃棄物発生抑制、循環利用および適正処分を目的とする施設の設置・運営
- 資源循環産業ならびに零細な資源循環施設向け団地の造成・運営
- 古紙・スクラップ等の収集運搬者および零細資源循環施設の収集環境・施設改善
- 廃棄物発生抑制、循環利用および適正処分に関する研究開発・国際協力
- その他、大統領令で定める循環経済社会への転換促進(第38条)
- 国・自治体は施設整備、研究開発、産業育成、循環資源使用促進等の事業主体に財政・技術・融資支援を行うことができ、関係法令の規制緩和等の法制・行政措置を講ずる。また国際協力促進のため調査研究、人材・情報交流、展示会開催、海外市場開拓等の事業を実施し、支援を行うことができる。(第41条〜第43条)

【その他】
- 環境部長官は、管理対象者・循環利用関連事業者や廃棄物処分負担金対象者に報告・資料提出を命じ、事業所等への立入検査を行うことができる。(第45条)
- 環境部長官は、韓国環境公団・韓国環境産業技術院、その他専門機関へ業務を委託できる。(第47条)
- 循環資源使用製品の表示違反や類似表示を行った者には2年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金、その他の違反行為についても罰金・過料を定めている。(第50条〜第52条)
目次
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | 循環経済社会への転換促進法 (循環経済社会法) |
公布日 | 2022年12月31日 版 |
所管当局 | 環境部 |
作成者

株式会社先読