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世界各国の法形成過程 法形成過程|ベトナム

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本ページでは、ベトナムの法形成過程の要点について整理しています。
段階、項目、主体、内容、そして期限があるものについては期限の情報も整理しています。
URLを含む根拠法令や根拠条項の情報は、有償となりますので、関心がある場合には指定のリンクよりお進みください。
※下位法令は代表的な種類のものを取り上げて紹介しています。網羅的な把握についてはお問い合わせください。

【調査・確認時期:2023年上半期】

法律(Luật/ Pháp Luật)

段落 項目   主体 内容 期限 根拠法 根拠条項
1

立法計画の策定

各省等による提案書の作成 各省等 ■ 年度計画案に関しては前年の3月1日までに、法律、規則、法律案の提案が、法律、規則の構築プログラムのための提案として国会常任委員会に提出され、同時に国会の法律委員会に審議されなければならない
■ 政府の立法計画案の作成に当たっては、司法省が各省・各省同格機関及び各政府附属機関からの提案に基づく立法計画案の作成において政府を補助するものとされており、施行議定において司法省を中心とする立法計画案の作成手続が定められている。”
全体計画案:国会任期の最初の年の8月1日迄
年次計画案:前年の3月1日迄
ご関心がある場合はこちらより
2 司法省による提案書の審査・検討、立法計画案の作成 司法省 毎月23日までに、電子情報を更新するか、建設状況に関する情報、議会の法律、決議、法令、議会の常任委員会の決議、命令、国家主席の組織法、横断的省庁、法務省に関する文書を送信して、監視および総合する。毎月25日までに、組織法、横断的省庁、法務省は、電子情報を更新するか、法務省に関する情報を送信すること。  
3

政府による立法計画案の審議・採決

政府

司法省が立法計画案のドラフトを提示後、審議が行われ、その後採決が行われる。政府の審議結果を踏まえ、司法省は、首相府と協力して政府の立法計画案を完成させ、首相の委任に基づき、司法大臣が政府を代表して、国会常務委員会に対し政府の立法計画案を報告する

 
4

国家法令委員会による立法計画案の審査

国家法令委員会

■ 国会法令委員会が立法計画案の審査を主管し、制定の必要性や規制の対象範囲、基本的な方針、整合性、実施可能性等を中心に審査を行う。
■ また、国会の民族評議会及びその他の各委員会も、法令委員会と協力して、自らの所管分野に係る立法提案に関して意見を表明する。

 
5 国家常務委員会による立法計画案の審査、原案の作成 国家常務委員会 ■ 国会常務委員会は、政府からの説明や国会法令委員会の審査報告等を踏まえて審議を行い、立法計画の原案を作成して国会に提出する。  
6 国会による立法計画案の審議・採決 国会
国家常務委員会
■ 国会では、国会常務委員会からの説明を受けて審議が行われ、その意見を踏まえて国会常務委員会を中心に原案の修正がなされ、国会に報告された後、最終的に国会において立法計画の採択についての決議が行われる。  
7

政府による法律案の起草

起草主体機関(各省等)による起草委員会の設置

 

起草主体機関(各省等)

■ 法律案が政府によって提出される場合は、政府が司法省の提案の下、各省又は各省同格機関の一つを起草主管機関に割り当てるとともに、当該起草主管機関が起草委員会を設置する。
■ 起草委員会は、起草主管機関の長(各省大臣等)を委員長とし、起草主管機関及び関係機関・団体の上級職員のほか、当該分野の専門家等を委員として9人以上で構成され、更に政府が法律案を提出する場合には司法省及び首相府の代表も委員に含めることとされている。 
■ 起草委員会の役割は、法律案のドラフトに関する基本的な方針や内容、各機関・個人から提出された意見の反映等についての審議のほか、ドラフトが党の方針・政策に照らして適切であることや、合憲性、合法性、法体系との整合性及び実施可能性について保証することである。 
■ 起草委員会の委員長は、起草委員会の業務を補助する編集班を設置しなければならない。編集班は、起草主管機関の専門家(全構成員の半数以下でなければならない)やその他の起草委員会に所属する機関の専門家等により9人以上で構成される。編集班は起草委員会の委員長から割り当てられた任務を遂行する。

 
8

起草作業の実施

起草主体機関(各省等)

■ 既存の関連法令の施行状況調査、事前影響評価、関連資料の収集等を行うことが定められているほか、関係機関及び当該法律の直接の対象者からの意見収集義務についても規定され、ワークショップの開催やウェブサイト等を通じた意見収集の方法が定められている。
■ 法律案のドラフトについては、その全文を政府及び起草主管機関のウェブサイトに60日間以上掲載しなければならない。
■ また、起草主管機関から各省等に対してドラフトが送付され、各省等はドラフトの受領後20業務日以内に起草主管機関に対し意見を送付しなければならない。

 
9

司法省(審査委員会を含む)による法律案の審査

司法省

■ 政府が提出する法律案のドラフトに対し司法省が中心となって行う審査について規定している。前述のとおり、政府が法律案を提出する場合には、司法省の代表者も起草委員会の委員として参加することが予定されているところ、司法省が同一の立場で起草・審査ともに関与するのか、司法省の内部で起草に関与する部局と審査を担当する部局が分けられているのか等、その考え方や運用は必ずしも明らかでない。

 
10 首相府による法律案の審査 首相府 ドラフト関係書類の受領後7業務日以内に、その審査意見を示して提出書類を完成させることとされている。  
11

政府による法律案の審議・採決

政府

■ 政府において当該法律案の国会への提出に係る審議及び採決が行われる。手順は、まず起草主管機関が法律案の説明を行い、首相府が法律案につき議論が残っている問題を提示した後、政府での審議が行われる。
■ 審議の結果、法律案の国会への提出が採択された場合、起草主管機関は司法省、首相府及び関係機関と協力して法律案を完成させ、首相の委任に基づき政府を代表して、当該法律案を国会に提出する。
■ 法律案の提出が採択されなかった場合は、首相が再審議の時期を決定し、起草主管機関を中心に法律案の修正等が行われ、改めて政府による審議及び採決が行われる。

 
12

国会による法律案の審議

審査機関(国会民族評議会及び関係委員会)による法律案の審査

審査機関(国会民族評議会及び関係委員会)

■ 国会の本会議に付される前に、国会の民族評議会及び関係委員会(併せて「審査機関」と呼ばれる)による審査を受けなければならない。
■ 国会の民族評議会及び委員会は、所管分野に属する法律案については審査主管機関として、その他の分野の法律案については国会常務委員会の割当てに基づき審査参加機関として、法律案の審査に参加する。

 
13 国家常務委員会による法律案の審議 国家常務委員会 ■ 法律案の提出機関は、国会常務委員会会議の開会日の7日前までに、法律案等の関係書類を国会常務委員会に提出し、意見を求めなければならない。
■ 国会常務委員会は、法律案の提出機関からの説明や審査主管機関からの審査報告等を受けた後、一回又は複数回にわたり審議を行い、法律案に対して意見を付さなければならない。法律案の提出機関(政府提出法律案の場合は、首相から提出の委任を受けた者)は、国会常務委員会の意見に基づき法律案の修正を行う責任を有するが、提出機関の意見が国会常務委員会の意見と異なる場合は、その審議及び決定のため、国会に報告しなければならないとされている。”
 
14

国会(第一期)における法律案の審議

国会

■ 国会(本会議)における法律案の審議及び採決は、一つの会期のみ、又は二つの会期にわたって行われる。法律案は、国会の会期の開会日の20日前までに、国会議員に送付されなければならないが、既に一つ目の会期で審議され、二つ目の会期において採決のため提出される場合は、開会日の45日前までに送付しなければならない。
■ 最初の会期では、法律案の提出機関からの説明や審査主管機関からの審査報告等を受けた後、法律案の基本的内容や意見が相違している問題点について審議を行い、国会常務委員会の求めに応じ、それらの問題について多数決による採決が行われる。

 
15

法律案の修正検討

国会常務委員会

■ 第一会期の後、国会常務委員会の指導の下、法律案の修正の検討が行われる。
■ まず、審査主管機関が、法律案の提出機関、国会法令委員会、司法省及びその他の関係機関と協力して法律案の修正を検討し、その修正案について国会常務委員会が審議を行うとともに、国会議員等に修正案を送付して意見を聴取する。
■ 審査主管機関は、それらの意見を統合・整理して検討し、修正点についての説明文書を完成させて、国会常務委員会に提出する。

 
16 国会(第二期)における法律案の審議・採決 国会 ■ 第二会期では、国会常務委員会が法律案の修正点について報告した後、なお意見の相違が残っている問題について審議を行う。
■ この段階において、法律案は、再び国会法令委員会に採決の日の5日前までに送付され、国会法令委員会が、審査主管機関及び法律案の提出機関と協力して起草の技術的なチェックを行い、法律案の合憲性、合法性、法体系との整合性を保証するものとされている。
 
17 法律の公布 国会 ■ 国会において当該法律案の最終的な採決がなされる。法律案が可決された場合は、採決の日から15日以内に、国家主席により当該法律の公布が行われる。
■ 否決された場合又は法律案の一部のみ可決された場合は、国会常務委員会の求めに応じ、国会が当該法律案の今後の審議について決定する。
採決日から15日以内

議定(Nghị Định/ NĐ-CP)

「議定」とは、政府が制定する法規範文書のこと(発行法第2条第4項、第14条)。日本の政令に相当するが、日本のように法律を執行するための執行命令と法律の個別の委任に基づく委任命令に限られるわけではない。

※議定の種類(4種類)
①法律等の上位規範の施行のための詳細事項を規定するもの
②政府の管轄分野における政策の実施のための具体的措置を規定するもの
③各省等及び他の政府機関の任務、権限及び組織機構を規定するもの
④法律及び国家常務委員会令の制定には至らないその他の重要な問題の規定

段落 項目 主体 内容 期限 根拠法 根拠条項
1 制定計画(年次計画のみ)の策定 首相府 首相府が司法省等と協力して各省等から提出された提案書の審査、制定計画案の作成、ウェブサイトへの掲載、政府への案の提出等を行うこととされている。 ご関心がある場合はこちらより
2 議定の制定計画の完成 首相府 政府において制定計画案が採択されると、首相府は、司法省と協力して議定の制定計画を完成させ、公布のため首相に提出する。
3

議定の起草

起草委員会

■ 法律の場合と同様に、起草主管機関が起草委員会を設置して行うものとされている。議定の起草委員会は、起草主管機関の代表者を委員長とし、その他委員として、審査機関、関係機関・団体、専門家等が参加する(司法省及び首相府も、法律の場合と同様に参加するのかどうかは明らかでない。)。また、法律の場合と同様に、起草委員会の下に編集班が設置される。
■ 起草の進め方についても、法律の場合に準じた規定が設けられており、起草主管機関が関連法令の施行状況調査、関連資料の収集、事前影響評価等を行うことのほか、各省等及び議定により直接影響を受ける者等から意見聴取を行うことや、意見聴取のためのワークショップの開催やウェブサイトへの掲載等が規定されている。

4 ※法律及び国家常務委員会令の制定には至らないその他の重要な問題の規定のみ 起草機関
首相府
司法省
常務委員会
④の議定を定める場合は、起草機関が首相府及び司法省と協力して、常務委員会に提出する文書を用意しなければならない。
5

議定案の審査

司法省
首相府

■ 法律の場合と同様に司法省が中心的な役割を担うものとされ、議定案が複数の分野に関連する場合又は司法省が起草主管機関である等の場合には、関係機関の代表や専門家等で構成される審査委員会を設立することについても、法律案の場合と同様であり、審査の内容についても、法律案の場合における審査事項の規定が準用されている。
■ 首相府においても、法律案の場合と同様に一定の審査を行うものと思われる。

6 審査報告書の起草主管機関への送付 司法省 司法省は審査報告書の起草主管機関へ送付する。 審査書類の受領後15日以内
7 政府による議定の審議・採択 政府 議定案の提出を受けた政府は、一回又は二回の会議において審議を行う。
審議の進め方は法律案の場合と同様であり、起草主管機関及び首相府からの説明の後、政府による審議及び採決が行われる。

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