法令の情報時期:1994年06月 公布版 | ページ作成時期:2025年09月 |
目的

本法は、労働時間法制の統一および柔軟化を目的とする制定法である。
概要

第1条で労働時間法(ArbZG)を導入し、実体的な労働時間規律は労働時間法が担う。
第1条は労働時間法(ArbZG)の目次見出しの列挙となっており、各条文本文は本法には収載されていない。
第2条以下で、関連する多数の法律・政令を一括して改正・整合化する。
(第2条~第17条は各条の題名に含まれる法令の改正日を定めるものであり、条文はない。)
家事労働日制度を廃止し、既払手当の不返還や未付与分の有給休暇相当の補償等の経過措置を定める(第19条)。
第20条では、統一条約に由来する留保(旧東独地域への連邦休暇法(BUrlG)の導入にあたり、「年間の法定最低休暇を20“労働日”とする」という特則を付ける、という趣旨)の不適用を明記している。
注目定義
<対象者>
■ 「被雇用者」(Arbeitnehmer)
「被雇用者」とは、労働者および事務職員、ならびに職業訓練に従事している者をいう。 |
■ 「夜間労働者」(Nachtarbeitnehmer)
「夜間労働者」とは、以下のいずれかに該当する被雇用者をいう。 1. 勤務体制上、通常、交替制により夜間労働を行っている者 2. 暦年中に少なくとも48日間、夜間労働を行っている者 |
■ 「労働時間」(Arbeitszeit)
「労働時間」とは、休憩時間を除いた業務の開始から終了までの時間をいう。複数の雇用者の下での労働時間は合算される。地下鉱業においては、休憩時間も労働時間に含まれる。 |
■ 「夜間」(Nachtzeit)
「夜間」とは、23時から6時までの時間をいう。ただし、製パン業および菓子製造業においては、22時から5時までとする。 |
■ 「夜間労働」(Nachtarbeit)
「夜間労働」とは、夜間のうち2時間を超える業務をいう。 |
■ 「家事労働日」(Hausarbeitstag)
「家事労働日」とは、家庭内の家事・育児・介護等の私事に充てることを目的として、特定の労働者に付与されていた特別休暇(手当の対象となる日)をいう。本法ではこの廃止とその補償・代替付与などの経過措置が規定される。 |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

本法の適用除外については記載なし。ただし、本法の第1条で制定される本体法=労働時間法(ArbZG)第18条に、下記の対象外の記載がある。
(1)本法は、以下の者には適用されない。
1. 労働協約法 第5条 第3項に定める「管理職」および「主任医師」
2. 公的機関の長およびその代理者、ならびに人事に関する自主的判断権を有する公務員でない公的部門の被雇用者
3. 支援・保護を任された者と家庭内で同居し、自主的に教育・介護・監護する被雇用者
4. 教会および宗教団体における典礼分野
(2)18歳未満の者の雇用には、本法に代えて青少年労働保護法が適用される。
(3)商船に乗り組む乗組員の雇用には、本法に代えて海上労働法が適用される。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

第13条から第17条に基づく、それら各条で改正された法規命令の該当部分は、それぞれの所管の授権に基づく法規命令によって改正することができる。(第18条「統一した政令位階への復帰」)
1980年1月29日以後に一日または複数の家事労働日を受けた被雇用者は、そのために支払われた手当を返還する必要はなく、また当該日または当該日数を他の免除に充当させる必要もない。
家事労働日に関する権利の要件を満たし、家事労働日の付与を求める訴えを提起していて、なお確定判決が出ていない被雇用者は、1980年1月29日までに付与されなかった家事労働日について、同数の有給休日の権利を有する。これらの休日が付与できない場合には、被雇用者は、家事労働日に対して支払われたであろう手当と同額の補償を受ける権利を有する。
(第19条「家事労働日規定の廃止」第2項)
目次
第1条 労働時間法(ArbZG)
第1章 一般規定
第1条 本法の目的
第2条 用語の定義
第2章 平日の労働時間および非労働時間
第3条 被雇用者の労働時間
第4条 休憩時間
第5条 休息時間
第6条 夜間および交替勤務
第7条 例外規定
第8条 危険業務
第3章 日曜・祝日の休業
第9条 日曜・祝日の休業
第10条 日曜・祝日の勤務
第11条 日曜・祝日勤務に対する代替休暇
第12条 例外規定
第13条 委任、命令および承認
第4章 特例措置
第14条 異常な事態
第15条 承認および委任
第5章 法律の施行
第16条 掲示義務および労働時間記録
第17条 監督当局
第6章 特別規定
第18条 本法の不適用
第19条 公務における就労
第20条 航空分野における就労
第21条 内陸水運における就労
第7章 刑事罰および過料に関する規定
第22条 過料規定
第23条 刑事罰規定
第8章 最終規定
第24条 国家間協定およびEU法の実施
第25条 労働協約に関する経過措置
第26条 特定の者に関する経過規定
第2条 連邦休暇法の改正
第3条 刑法導入法の改正
第4条 軍人法の改正
第5条 商業規則の改正
第6条 飲食店法の改正
第7条 連邦鉱山法の改正
第8条 店舗閉鎖法の改正
第9条 パン職人労働時間法の改正
第10条 母性保護法の改正
第11条 船員法の改正
第12条 運転要員法の改正
第13条 鉄鋼業における日曜・祝日就業禁止の例外に関する政令の改正
第14条 製紙業における日曜・祝日就業禁止の例外に関する政令の改正
第15条 パン屋および菓子店における労働時間法の実施に関する政令の改正
第16条 道路交通車両登録命令の改正
第17条 航空機運用規程第二次実施政令の改正
第18条 統一した政令位階への復帰
第19条 家事労働日規定の廃止
第20条 留保事項の不適用
第21条 施行および置換
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | 労働時間法の統一および柔軟化に関する法律(労働時間法制法-ArbZRG) |
公布日 | 1994年6月6日 |
所管当局 | 連邦労働社会省(BMAS) |
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