法令の情報時期:2019年06月 公布版 | ページ作成時期:2024年09月 |
目的
本規則の目的は、第 2 条で規定するEU整合法令がその対象とする製品の市場監視を強化することにより、例えば一般的な健康及び安全性、職場における健康及び安全性、消費者保護、環境保護、公共の安全及びその他EU整合法令が保護するあらゆる利益等の公共の利益に対する高度の保護を提供する要求事項を充たす法令遵守製品だけがEU域内市場で利用可能になることを確実にするという視点のもとに、国内市場の機能性を向上させることである。
概要
本規則は、第2条で規定するEU整合法令がその対象とする製品の市場監視を強化することにより、例えば一般的な健康及び安全性、職場における健康及び安全性、消費者保護、環境保護、公共の安全及びその他EU整合法令が保護するあらゆる利益等の公共の利益に対する高度の保護を提供する要求事項を充たす法令遵守製品だけがEU域内市場で利用可能になることを確実にするという視点のもとに、国内市場の機能性を向上させることを目的として定められた。
本規則は特定のEU整合法令に従う製品に関する事業者に対する規則や手続を定めるとともに、事業者間の協力の枠組を設定する。またEU域内市場に入る製品の管理の枠組を定める。
本規則は、市場監視及び執行における特定の側面についてより具体的に規定するEU整合法令に同一の目的を有する特別の定めがない限り、附則Iに列挙されたEU整合法令に従う製品に適用される。
本規則およびEU整合法令の違反に対しては、加盟国は効果的、相当かつ制止力を持つ罰則を定め、必要な手段を講じて国内法に従い実施する。
対象
<対象者>
■ 「製造者」(manufacturer)
「製造者」とは、製品を製造する、または設計・製造された製品を所有し、それ自身の名義または商標を以て製品を販売に供するすべての自然人または法人をいう。(第3条) |
■ 「輸入者」(importer)
「輸入者」とは、EU域内に拠点を置き、第三国から入った製品をEU域内市場に上市するすべての自然人または法人をいう。(第3条) |
■ 「流通業者」(distributor)
「流通業者」とは、サプライチェーンにおける製造者または輸入者を除く、製品を市場で利用可能にするすべての自然人又は法人をいう。(第3条) |
■ 「フルフィルメントサービス・プロバイダー」(fulfilment service provider)
「フルフィルメントサービス・プロバイダ」とは、商業活動の過程で次のサービス事業のうち少なくとも2つを提供するすべての自然人または法人をいう:対象製品の所有権を取得せずに、欧州議会及び欧州理事会指令97/67/EC第2条第1号が定義する郵便事業 及び欧州議会及び欧州理事会規則(EU) 2018/644第2条第2号が定義する小包配達事業 、及びその他のすべての郵便事業または貨物輸送業務を除く倉庫保管、包装、宛名印刷、配送事業。(第3条) |
■ 「認定代理人」(authorised representative)
「認定代理人」とは、関連するEU整合法令または本規則の要求事項に基づく製造者の義務に関する特定の任務につき製造者を代理して行動する製造者から書面による代理権を授与された、EU域内に拠点を置くすべての自然人または法人をいう。(第3条) |
■ 「経済事業者」(economic operator)
「経済事業者」とは、関連のEU整合法令に従って製品の製造に関連する義務に従い、製品を利用可能にしまたは事業に供する製造者、認定代理人、輸入者、流通業者、フルフィルメントサービス・プロバイダまたはその他のすべての自然人または法人をいう。(第3条) |
■ 「情報社会サービスプロバイダ」(information society service provider)
「情報社会サービスプロバイダ」とは、欧州議会及び欧州理事会指令 (EU) 2015/1535 第1条1項(b)が定義するサービス事業のプロバイダをいう。(第3条) |
<対象製品>
■ 「リスクを呈する製品」(product presenting a risk)
「リスクを呈する製品」とは、該当するEU整合法令が保護する一般的な人の健康と安全、及び職場の健康と安全、消費者保護、環境、公共の安全及びその他の公共の利益に対して耐用期間、及び該当する場合はその製品のサービス供用、設置及びメンテナンスの要求事項を含めてその製品の製造目的や正常なまたは合理的に予見可能な使用条件に照らして合理的で受容できると考えられる範囲を超えた程度に有害な影響をもたらす可能性のある製品をいう。(第3条) |
<その他>
■ 「市場で利用可能にすること」(making available on the market)
「市場で利用可能にすること」とは、商業活動の過程で対価支払と引換えまたは無料で、EU域内市場で製品を販売、消費または使用に供することをいう。(第3条) |
■ 「上市」(placing on the market)
「上市」とは、製品を最初にEU域内市場で利用可能にすることをいう。(第3条) |
■ 「市場監視」(market surveillance)
「市場監視」とは、製品がEU整合規約の該当条項に定められた要求事項への適合及び当該規約がその対象とする公共の利益の保護の実現のために加盟国市場監視当局により遂行される活動及び執られる措置をいう。(第3条) |
■ 「加盟国市場監視当局」(market surveillance authority)
「加盟国市場監視当局」とは、本規則第10条に基づき一加盟国により指名され、当該加盟国の領土内における市場監視を遂行する責任を有する当局をいう。(第3条) |
■ 「申請者当局」(applicant authority)
「申請者当局」とは、相互支援の要請を行う加盟国市場監視当局をいう。(第3条) |
■ 「被要請当局」(requested authority)
「被要請当局」とは、相互支援の要請を受けた加盟国市場監視当局をいう。(第3条) |
■ 「法令の不遵守」(non-compliance)
「法令の不遵守」とは、EU整合規約または本規則に基づく何らかの要求事項に対して何らかの不適合がある場合をいう。(第3条) |
■ 「オンライン・インターフェイス」(online interface)
「オンライン・インターフェイス」とは、一事業者によりまたはそれを代理する者により操作され、エンドユーザーに対して事業者の製品に対するアクセスを与える、ウェブサイト・ウェブサイトの一部またはアプリケーションを含むすべてのソフトウェアをいう。(第3条) |
■ 「是正措置」(corrective action)
「是正措置」とは、加盟国捜査当局の一の要請に応じて、または事業者自身により何らかの法令不遵守を解決するために事業者の一により執られるすべての措置をいう。(第3条) |
■ 「自発的措置」(voluntary measure)
「自発的措置」とは、加盟国捜査当局の一による要請がない場合の是正措置をいう。(第3条) |
■ 「リスク」(risk)
「リスク」とは、危害をもたらす危険事態が発生する確率とかかる危害の深刻性の程度を合わせたものをいう。(第3条) |
■ 「重大なリスクを呈する」(product presenting a serious risk)
「重大なリスクを呈する」とは、リスクを呈する製品で、リスク評価に基づき及び当該製品の正常かつ予見可能な使用を考慮して、当該リスクの影響が即時に生じるものではない場合も含めて危害をもたらす危険事態が発生する確率とかかる危害の深刻性の程度を合わせたものが加盟国市場監視当局による迅速な介入を必要とすると考えられるものをいう。(第3条) |
■ 「エンドユーザー」(end user)
「エンドユーザー」とは、EU域内に居住する、あるいは域内に拠点を置くすべての自然人または法人で、この者に対してある製品がすべての取引・事業・工芸または専門的職業外の一消費者として、または工業的または専門的活動の過程にある職業的エンドユーザーとして利用可能になるものをいう。(第3条) |
■ 「リコール」(recall)
「リコール」とは、すでにエンドユーザーに対して利用可能にされた製品の返還を遂行することを目的とするすべての措置をいう。(第3条) |
■ 「撤去」(withdrawal)
「撤去」とは、サプライチェーンにある製品を市場で利用可能にすることを防止することを目的としたすべての措置をいう。(第3条) |
■ 「税関当局」(customs authorities)
「税関当局」とは、規則 (EU) No 952/2013第5条第1号が定義する税関当局をいう。(第3条) |
■ 「自由流通リリース」(release for free circulation)
「自由流通リリース」とは、規則 (EU) No 952/2013 第201条に定められた手続をいう。(第3条) |
■ 「EU域内市場に入る製品」(products entering the Union market)
「EU域内市場に入る製品」とは、第三国から入った製品でEU域内市場に上市されること、またはEUの税関領域内での私的な使用や消費を予定され、「自由流通リリース」税関手続に置かれることを予定されるものをいう。(第3条) |
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本法令には、法令全体からの適用除外や免除を規定する内容はない。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
EU法令に従う製品は、EU域内に拠点を置き、その製品に対して責任を持つ経済事業者が存在する場合にのみ上市される。この経済事業者は、製造者がEU内にいる場合や、輸入者、認定代理人、またはフルフィルメントサービス・プロバイダのいずれかを指す。経済事業者は、製品の技術文書やEU適合宣言書を用意し、監視当局に提供可能な状態に保ち、リスクがある場合は当局に通知しなければならない。また、当該製品に関する是正措置を講じ、必要な場合は製品のリスクを軽減する義務がある。製品には事業者の連絡先情報が表示される必要がある。(第4条)
本規則第4条2項(c)の目的に基づき、製造者から認定代理人に、関連のEU調和化法令に基づく代理権限が与えられている場合でも、同条3項で定められた業務を遂行するために権限が委託される。認定代理人は委任状に記載された業務を遂行し、加盟国市場監視当局からの要求に応じて、その言語で委任状の写しを提供する義務がある。また、認定代理人はその業務を遂行するために必要な適切な手段を備えていなければならない。(第5条)
オンライン販売またはその他の方法による遠隔販売に提供された製品は、かかる提供がEU域内のエンドユーザーに向けられたものである場合は市場で利用可能になったものとみなされる。もし関係事業者が何らかの方法によりその活動をある加盟国に向ける場合、ある販売オファーはEU域内のエンドユーザーに向けられたものであると判断される。(第6条)
事業者は、市場で利用可能にした製品が呈するリスクを解消または軽減するため、加盟国市場監視当局と協力する義務がある。また、情報社会サービスプロバイダは、オンラインで提供された製品がリスクを呈する場合、当該リスクを解消または軽減するための措置を取ることを促進するため、加盟国市場監視当局からの要請に応じて協力する必要がある。(第7条)
目次
(前 文)
第1章 総則
第1条 主題
第2条 本規則の適用範囲
第3条 用語の定義
第2章 事業者の任務
第4条 EU整合法令のある規定に従う製品に関する事業者の任務
第5条 認定代理人
第6条 遠隔販売
第7条 協力義務
第3章 事業者への援助及び事業者との協力
第8条 事業者への情報
第9条 法令遵守促進のための共同活動
第4章 加盟国市場監視当局及び単一連絡事務所の組織・活動及び義務
第10条 加盟国市場監視当局及び単一連絡事務所の指定
第11条 加盟国市場監視当局の活動
第12条 ピアレビュー
第13条 国家市場監視戦略
第5章 市場監視の権限及び手段
第14条 加盟国市場監視当局の権限
第15条 加盟国市場監視当局による費用回収
第16条 市場監視措置
第17条 情報の使用、職業的・商業的秘密
第18条 事業者の手続上の権利
第19条 重大なリスクを呈する製品
第20条 迅速情報交換システム
第21条 EU試験施設
第6章 クロスボーダー相互支援
第22条 相互支援
第23条 強制措置の要請
第24条 相互援助要請手続
第7章 EU域内市場に入る製品
第25条 EU域内市場に入る製品の管理
第26条 自由流通リリースの停止
第27条 自由流通リリース
第28条 自由流通リリースの拒否
第8章 組織的執行及び国際協力
第29条 EU製品法令遵守ネットワーク
第30条 ネットワークの構成及び機能
第31条 ネットワークの役割と任務
第32条 行政協力グループの役割及び任務
第33条 欧州委員会の役割及び任務
第34条 情報通信システム
第35条 国際協力
第9章 財務関連規定
第36条 財務活動
第37条 EUの経済的利益の保護
第10章 修正事項
第38条 指令2004/42/ECの修正
第39条 規則(EC) No 765/2008の修正
第40条 規則(EU) No 305/2011の修正
第11章 最終規定
第41条 罰則
第42条 評価、レビュー及びガイドライン
第43条 下部委員会手続
第44条 発効と適用
附属書I 欧州調和化法令リスト
附属書II 罰則規定を有しないEU調和化法令
附属書III 相関表
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | EU市場監視及び製品法令遵守に関する規則 |
公布日 | 2019年06月20日 |
所管当局 |
作成者
株式会社先読
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