EU Space Act案
2025年06月25日、欧州委員会はEU宇宙法(EU Space Act)の提案について報じました。
概要・背景
■ 欧州の宇宙セクターを欧州および輸出市場においてよりクリーン、より安全、より競争力のあるものにすることを目的とする。
■ 欧州の宇宙に関する規程は現在、各国でさまざまなアプローチが採用されており、断片化している。
■ この状況は、イノベーションを阻害し、欧州の市場シェアを低下させ、余分なコストを発生させている。
■ 欧州レベルでの明確かつ調和のとれた枠組みにより、EU全域における安全性、レジリエンス、環境への責任が確保されると同時に、企業の国境を越えた成長と規模拡大が促進されることが見込まれる。
■ EU宇宙法は3つの柱を設けている:
ー安全性
・・・現在、11,000個の衛星が軌道上にあり、今後10年間でさらに50,000個が打ち上げられる予定。1億2,800万個以上の宇宙ゴミがすでに宇宙を循環しており、衝突のリスクが急激に高まっている。
→ EU宇宙法は、宇宙物体の追跡を改善し、新たな宇宙デブリの発生を制限するための措置を導入している。運用寿命終了時の衛星の安全な廃棄に関する要件も含まれる。
ーレジリエンス
・・・宇宙インフラは、衛星、地上局、通信リンクを標的としたサイバー攻撃や電子妨害による脅威の高まりに直面している。
→ EU宇宙法は、すべての宇宙事業者に、宇宙分野に合わせたサイバーセキュリティの規程とインシデント報告を適用し、衛星のライフサイクルを通じて徹底したリスク評価を行うことを義務付ける。
ー持続可能性
・・・資源、CO2排出量、デブリの管理に関連して、環境への影響を測定することで、業界は二酸化炭素排出量を削減し、EUの持続可能性を支援することができる。
→ EU宇宙法は、これらの影響を測定するための共通規程を定める。
参考情報
■ 欧州委員会
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