UTC:0.001wt%から0.0000025 wt%へ厳格化
2023年12月04日、欧州委員会は、難分解性汚染物質(POPs)規則の改正案について意見募集を開始し、01月01日まで行われました。改正案は、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその誘導体に関連して、非意図的微量汚染物質の許容濃度を引き下げる提案が主旨となっています。
概要・背景
■ ストックホルム条約を背景とするPOPs規則は、第3条(1)に従い、同規則の附属書1に記載される物質の製造、上市及び使用は、同規則の第4条を条件として、単体、混合物又は成形品のいずれであっても禁止している。
■ 第4条(1)(b)では、「非意図的な微量汚染物質として存在する物質」についての免除規定を設けているが、PFOSは、物質、混合物、成形品、または難燃性成形品の構成成分として存在する場合、非意図的微量汚染物質(UTC)限界値 10 mg/kg(0.001 wt%)で附属書1 にリストされていた。
■ 今回の改正案では、その閾値が、0.025 mg/kg (0.0000025 wt%)まで厳格化されている。
■ また、PFOS濃度が0.1wt%未満の場合や、繊維製品又は他の被覆材料については、別途閾値の提案がなされている。
参考情報
■ 意見募集ページ
第4条第1項(b)とは?
免除規定の第1及び2段落で登場する「第4条第1項(b)」とは何でしたでしょうか?
これは、「非意図的な微量汚染物質として存在する物質」に対する適用除外を定める項目のことです。
まず、POPs規則では、第3条「製造、上市及び使用の管理、ならびに物質のリスト化」の条項で、基本となる規制内容が規定されています。それは、附属書Iの物質、それを含む混合物、成形品の製造、上市および使用を禁止することや、附属書IIのの物質、それを含む混合物、成形品の製造、上市および使用を制限することです。
ですが、この厳しい規制内容には、特定の免除規定が設けられており、それが第4条「管理措置からの免除」条項で規定されています。
そのメインとなる免除規定が第1項の(a)と(b)の2つがあり、(a)は、ラボスケール(試験所で使う規模)用途や標準物質としての用途について、そして(b)は、非意図的な微量汚染物質として存在する物質についてのものです。但し、この(b)の免除については、特に混合物や成形品中の物質について、どの濃度以下で「微量」なのかという点が焦点になりがちで、免除規定の中でれが特定される傾向にあります。
※特別無料記事