解説中国 – 騒音汚染防止法

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法令の情報時期:2021年12月 公布版 ページ作成時期:2024年07月

目的

目的

目的は、騒音汚染を規制し、公衆の健康を保障し、生活環境を保護・改善し、社会の調和を維持し、生態文明の建設を推進し、経済社会の持続可能な発展を促進すること。

概要

概要

近年の中国では、騒音汚染は大気汚染等とともに、国民からの訴えが多い環境公害の一つである。本法令は、騒音汚染を規制し、公衆の健康を保障し、生活環境を保護・改善し、社会の調和を維持し、生態文明の建設を推進し、経済社会の持続可能な発展を促進することを目的として定められたもの。

本法は全9章90か条から構成され、騒音汚染防止に適用する。自己の職務に関する生産経営業務に従事したために騒音危害を受けたときの規制には、労働保護等の他の関係法令の規定を適用する。

騒音汚染防止にあたっては、統一して計画案配、源流規制、分類管理、社会共同統治、損害責任負担の原則が堅持されなければならない。

本法に違反した場合、改善命令の発出および罰金の処分がなされるほか、重大な違反に対しては業務停止や廃業命令、刑事責任の追及が行われる。

注目定義

■ 「工業に関する騒音を排出する企業事業団体その他生産経営者」(排放工业噪声的企业事业单位和其他生产经营者)

「工業に関する騒音を排出する企業事業団体その他生産経営者」について、当該法令に定義の記載はない。

■ 「騒音」(噪声)

「騒音」とは、工業生産、建築施工、交通運輸及び社会生活において発生する、周囲の生活環境に影響を及ぼす音声をいう。(第2条)

■ 「騒音汚染」(噪声污染)

「環境汚染」とは、騒音排出基準を超えて、又は法の定めるところに従い規制措置を講ずることを怠って騒音を発生させ、且つ、他の者の正常な生活、業務及び学習を妨害する現象をいう。(第2条)

■ 「工業に関する騒音」(工业噪声污染)

「工業に関する騒音」とは、工業生産活動において発生する、周囲の生活環境に影響を及ぼす音声をいう。(第34条)

■ 「建築施工に関する騒音」(建筑施工噪声污染)

「建築施工に関する騒音」とは、建築施工過程において発生する、周囲の生活環境に影響を及ぼす音声をいう。(第39条)

■ 「交通輸送に関する騒音」(交通运输噪声污染)

「交通輸送に関する騒音」とは、自動車、鉄道機関車両、都市軌道交通車両、発動機船舶、航空機等の交通輸送手段が運行に際して発生させる、周囲の生活環境に影響を及ぼす音声をいう。(第44条)

■ 「社会生活に関する騒音」(社会生活噪声污染)

「社会生活に関する騒音」とは、人が活動のために発生させるもので、工業に関する騒音、建築施工に関する騒音及び交通運輸に関する騒音を除く、周囲の生活環境に影響を及ぼす音声をいう。(第59条)

適用除外(対象外・猶予・免除等)

本法令には、法令全体からの適用除外や免除を規定する内容はない。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
文書登録、文書管理、文書作成

騒音汚染防止にあたっては、統一して計画案配、源流規制、分類管理、社会共同統治、損害責任負担の原則が堅持されなければならない。(第4条)

人の安全

騒音を排出した団体又は個人は、有効な措置を講じて、騒音汚染を防止・軽減しなければならない。(第9条)

文書登録、文書管理、文書作成

建設の配置の確定にあたっては、国の音環境の質基準及び民間建築防音設計関係基準に基づき、建物と交通幹線道路等との騒音防止距離が合理的に画定され、且つ、相応する計画設計の要求が提出されなければならない。(第19条)

人の安全

騒音排出団体及び公共場所の管理者は、騒音汚染防止責任制度を構築し、責任者及び関係要員の責任を明らかにしなければならない。(第22条)

資格、認定

騒音を排出する企業事業団体その他生産経営者は、有効な措置を講じて振動を減らし騒音を減少させ、排出許可証を取得し又は排出登録票に必要事項を記入して届け出なければならない。(第36条)

文書登録、文書管理、文書作成

排出許可による管理を実施する団体は、排出許可証なしに騒音を排出してはならず、騒音汚染防止を実施しなければならない。

また騒音につき自ら監視・測定を行い、原監視・測定記録を保存して、監視・測定結果を公表し、監視・測定データの真実性及び正確性に責任を負わなければならない。(第36条、第38条)

目次

第一章 総則
(目的)
(定義)
(適用範囲)
(騒音汚染防止に関する原則)
(騒音汚染防止)
(地方人民政府の責務)
(県級以上の地方人民政府の責務)
(騒音の監督管理)
(団体・個人の騒音に関する権利義務)
(騒音汚染防止法令・知識)
(国の責務)
(表彰・報償)
第二章 騒音汚染防止基準及び計画
(騒音汚染防止基準)
(音環境の質基準)
(騒音排出基準)
(騒音許容限度)
(騒音汚染防止基準等)
(国土空間計画等)
(建設の配置の確定方針)
(音環境の質改善計画・実施プログラム)
(意見の募集)
第三章 騒音汚染防止に関する監督管理
(騒音の排出等)
(生態環境主管部門の責務)
(環境影響評価)
(騒音汚染防止施設)
(騒音に敏感な建物の建設)
(騒音汚染を発生させる後れた工程・設備の淘汰)
(騒音汚染の整理・改革)
(現場検査)
(騒音排出場所等の差押え等)
(騒音汚染告発権)
(閑静区域創建活動)
(特別な活動期間中の規制)
第四章 工業に関する騒音汚染の規制
(定義)
(工業に関する騒音の防止)
(工業に関する騒音排出団体等の義務)
(騒音重点排出団体名簿)
(騒音許可管理団体及び騒音重点排出団体の責務)
第五章 建築施工に関する騒音汚染の規制
(定義)
(建設団体及び施工団体の義務)
(騒音に敏感な建物が集中する区域の施工作業➀)
(連続施工作業)

第六章 交通輸送に関する騒音汚染の規制
(定義)
(国土空間計画等の策定方針)
(交通インフラ工程技術規範)
(自動車による騒音汚染の発生の禁止)
(交通輸送手段による音装置の使用、救急車両による警報機の使用)
(自動車の通行禁止等の路線等の画定)
(公共の場所でのラウドスピーカーの使用)
(公共道路・交通手段管理者の責務)
(民間空港における騒音に敏感な建物の建設)
(民間航空機の義務)
(民間空港の管理機関の責務)
(自動車道等に関する騒音汚染総合規制計画)
(鉄道に関する騒音汚染総合規制計画)
(民間航空機等に関する騒音汚染総合規制計画)
(騒音汚染総合規制計画の策定方針)
第七章 社会生活に関する騒音汚染の規制
(定義)
(社会全体の責務)
(諸施設の経営管理者の義務)
(社会生活に関する公害を発生させるおそれがある設備・施設)
(商業経営活動における騒音)
(公共の場所等における義務)
(家庭・家族構成員の義務)
(建物の内装)
(不動産開発事業者の義務)
(共用施設・設備の設置)
(騒音汚染防止要求)
(社会生活に関する騒音の処理)
第八章 法律責任
(監督検査)
(違法製品等に関する責任)
(建設団体の責任)
(工業に関する騒音についての責任①)
(工業に関する騒音についての責任②)
(工業に関する騒音についての責任③)
(建設施工団体の責任①)
(建設施工団体の責任②)
(道路交通の安全に関する責任)
(騒音汚染の防止・軽減に関する責任)
(社会生活に関する騒音汚染責任①)
(社会生活に関する騒音汚染責任②)
(不動産開発事業者の責任)
(住民の居住区域の共用施設・設備に関する責任)
(職権濫用等)
(騒音による侵害責任)
(治安管理処罰)
第九章 附則
(定義)
(規則の制定)
(施行日)

基礎情報

法令(現地語)

噪声污染防治法

法令(日本語)

騒音汚染防止法

公布日

2021年12月24日

所管当局

生態環境部

作成者

株式会社先読

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