法令の情報時期:2020年11月 統合版 | ページ作成時期:2023年07月 |
目的

この法律は、電池または蓄電池の、市場投入および回収ならびに環境に配慮した廃棄を達成することを目的としている。
概要

この法律では、おもに電池の製造者および販売者、電池を搭載した製品の販売者に対し、使用済み電池の回収システムの設置・運営を義務付けるとともに、消費者に対しても使用済み電池の分別と、種類に応じた廃棄方法を義務付けている。
さらに回収システムに奨励制度を義務付けることで、電池の製造者には、製造の段階で有害物質の使用を最小限に抑えることが推奨される。
注目定義
■ 「最終消費者」(Endnutzer)
「最終消費者」とは、電池または電池内蔵製品を使用し、納入された形態で再販売しない者をいう。(第2条) |
■ 「流通業者」(Vertreibe)
「流通業者」とは、流通方法にかかわらず、本法の範囲内で、電池を最終消費者へ商業的に提供する者をいう。(第2条) |
■ 「製造者」(Hersteller)
「製造者」とは、流通方法にかかわらず、本法の範囲内で、事業として電池を最初に市場投入する者をいう。本法の適用地域への商業的輸入は、市場投入とみなす。本法の適用地域から明らかに再輸出された電池には適用されない。取引先の銘柄のために、または取引先の特別な要求に従って製造され、更に販売することを意図した電池の取引先への供給は市場投入とはみなされない。(第2条) |
■ 「認定代理人」(Bevollmächtigter)
「認定代理人」とは、本法の範囲内に事業所を有しない製造者が、本法に基づく製造者の義務を履行するために、自己の名においてすべての業務を行うために指名した、本法の範囲内に設立された自然人もしくは法人または人的会社をいう。(第2条) |
■ 「廃電池処理業者」(Gewerbliche Altbatterieentsorger)
「廃電池処理業者」とは、循環経済法第56条にいう使用済み電池の取り扱いについて認定され、その業務に使用済み電池の分別収集、処理、回収または処分が含まれる廃棄物管理業者をいう。(第2条) |
■ 「電池、電池パック、車両用電池、産業用電池、携帯型電池、ボタン電池」(Batterien、Batteriesatz、Fahrzeugbatterien、Industriebatterien、Gerätebatterien、Knopfzellen)
※各用語の定義内容は法第2条を参照。以下、適用について: 本法は、形状、サイズ、質量、材料構成、用途にかかわらず、あらゆる種類の電池に適用される。(第1条) 「電池」(Batterien)とは、1つまたは複数の非充電式一次電池、または直接変換によって化学エネルギーを得ることのできる充電式二次電池から成る電気エネルギー源をいう。(第2条) |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

本法令は、ドイツの重要な安全保障上の利益の保護に関連する機器、軍事目的で調達または使用される兵器、弾薬、防衛材料等、ならびに宇宙空間で使用する装備品に使用される電池には適用されない。(第1条)
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

非常照明を含む非常用または警報システム用、および医療機器用の乾電池を除き、0.0005重量パーセントを超える水銀を含む電池および0.002重量パーセントを超えるカドミウムを含む乾電池の上市を禁止する。(第3条)

製造者またはその認定代理人は、この法律の適用範囲内における電池の市場投入に先立ち、銘柄および電池の型式を管轄当局に登録する義務を負う。
登録は、所管当局のウェブサイト上で行い、第(2)項及び第20条(1)項に基づくすべての要件を満たす場合、申請により登録番号が付与される。
登録申請書には、第(2)項に基づく情報(製造者の郵便番号、所在地、電話番号、ファックス番号、企業ウェブサイトのURL、電子メールアドレス、代表者の氏名、製造者の商業登録番号または同等の公的登録番号、認定代理人の場合は委任状、市場投入しようとする電池の商標、電池の種類等、回収システムについての情報、以下略)を記載しなければならない。
登録申請書に記載された情報に変更があった場合、および市場投入が恒久的に中止された場合は、遅滞なく所轄官庁に通知しなければならない。(第4条)

製造者またはその認定代理人は、第9条(1)前段に基づき販売者から回収された使用済み電池、および第13条(1)に基づき公的廃棄物管理当局が回収した使用済み電池、および第13a条に基づき自主回収所が回収した使用済み乾電池を無償で引き取り、第14条に従って処理し、リサイクルする義務を負う。
回収不能な使用済み電池は、第14条に従って廃棄しなければならない。(第5条)

乾電池の製造者またはその認定代理人は、第5条に基づく回収義務を履行するため、使用済み乾電池の回収システムを自ら設置し、運用しなければならない。(第7条)

乾電池の製造者またはその認定代理人は、電池の製造における有害物質の使用を最小限に抑えることが推奨される。
(回収システムには、乾電池の化学系に基づいて耐久性、再利用性、リサイクル性を考慮し評価した貢献度に応じて奨励制度を設けることが義務付けられている。)(第7a条)

すべての販売者は、小売店または小売店の近隣において、使用済み電池を最終消費者から無料で引き取る義務を負う。
回収義務は、第2条に規定される種類の使用済み電池(電池パック、車両用電池、産業用電池、乾電池を含む※)に対するものであって、販売者がその製品群に新品の電池として搭載しているか、搭載していたもの、および最終消費者が通常廃棄する量に限定される。
通信販売事業の場合、「小売店」は発送品倉庫をいう。(※訳者による補足。第2条より)(第9条)

販売者は、回収された使用済み乾電池を、第7条に基づくシステムに引き渡す義務を負う。
引き取りシステムは、最短で12ヶ月間以上適用される。
解約は、合意された期間が満了する3カ月前まで、または、期間が合意されていない場合は、12カ月が満了する3カ月前までしか認められない。
通知期間が遵守されなかった場合、または解約が宣言されなかった場合、契約期間は少なくとも12カ月延長されるものとする。(第9条)
目次
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | 電池および蓄電池の市場投入・回収・廃棄に関する法律(電池法 – BattG) |
公布日 | 2009年06月25日 |
所管当局 |
作成者

株式会社先読+ドイツ語翻訳者(齋藤 由貴子)
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