法令の情報時期:2021年08月 統合版 | ページ作成時期:2023年07月 |
目的

この法律の目的は、有害物質およびその混合物の有害な影響から人々と環境を保護すること、ならびにそれらを識別可能にして、有害物質とその混合物による危険の発生を防止および回避することである。
概要

この法律は、人の健康や自然環境を有害物質とその混合物による影響から守る目的で、化学物質やその混合物を用いた製品の製造者、輸入者、および市場への提供者に対し、表示、包装、政府への情報通知義務等を定めたものである。
注目定義
■ 「製造者、輸入者」(Hersteller、Einführer)
「製造者」とは、物質、混合物または製品を製造または入手する自然人もしくは法人、または非法人の団体をいう。(第3条) 「輸入者」とは、物質、混合物または製品を本法の範囲内で使用する自然人もしくは法人、または非法人の団体をいう。それらの加工または処理を伴わず、税関の監督下で単に通過作業を行う者は「輸入者」に該当しない。(第3条) |
■ 「物質、混合物」(Stoff、Gemische)
「物質」とは、自然状態または製造工程で得られる化学元素およびその化合物をいう。その安定性を保つために必要な添加物および使用される工程から生じる不純物を含むが、その安定性に影響を与えず、組成を変えることなく物質から分離できる溶剤を除く。(第3条) 「混合物」とは、二つ以上の物質からなる混合物または溶液をいう。(第3条) |
■ 「有害物質および有害混合物」(Gefährliche Stoffe und gefährliche Gemische)
「有害物質」または「有害混合物」とは、次のような物質または混合物をいう。 1. 規則(EC)No1272/2008の附属書I第2部および第3部に規定される物理的危険または健康上の危険の基準を満たすもの、または 2. 下記の点により、環境にとって危険であるもの。 a) 規制(EC)No1272/2008の附属書I第4部および第5部に規定される環境上の危険およびその他の危険に関する基準を満たしている、または b) その物質自体、またはその変化の産物が、環境に対する危険を直ちにまたは後で引き起こす可能性がある方法で、水、土壌、空気、気候、動物、植物、微生物などの自然環境の性質を変える可能性がある。(第3a条) |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

本法令では、以下が対象外:
化粧品、たばこ製品、ハーブ喫煙製品、
医薬品法の承認を必要としない医薬品、
消費者への販売を目的として包装された医薬品、
医療機器およびその付属品、
物質循環法の範囲内で処理される廃棄物、
原子力法の意味における放射性廃棄物、
廃水税法の意味における廃水、
食品(そのままの形状で消費者に消費されないものは除く)、
飼料原料、混合飼料、飼料添加物(そのままの形状で給餌されないものは除く)、
医薬品または医療機器の有効成分、
植物防疫法に基づいて規制可能な物質または混合物、
企業内運送を除く鉄道、道路、水路、海上および航空による危険物の輸送についてはそれぞれ一部の条項が対象外となる。(第2条(1)~(3)、(5))
本法令では、以下のものを除き、その他の経済事業の一環として職業的に行われる場合、または従業員が雇用されている場合に限り、一部の条項が対象外となる。(第2条(4))
1.消費財の流通に関する、または廃棄物処理と大気汚染防止に関する規則および命令
2.人の健康に対し防御措置が講じられている環境に有害な物質またはその混合物
3.殺生物有効成分および殺生物性製品
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

フッ素系温室効果ガスに関する欧州議会および2014年4月16日の理事会の規則(EU)No.517/2014の附属書3および廃止された規則(EC)No.842/2006に関連して、第11条第1項に違反する製品および機器を上市すること、第三者への提供、譲渡または第三者からの取得や、禁止の対象となる容器の保管または空にすることが禁止されている。(第12i条)

規則(EU)No.517/2014の第15条第1項2の要件に違反する部分フッ素化炭化水素の販売は禁止されているが、同規則第2条第2項の範囲内で部分フッ素化炭化水素を第三者に供給する製造者または輸入者は、次の情報を記載した書面または電子申告書を納入ごとに購入者に送付しなければならない。(第12j条)
1. 製造者または輸入者の名称および所在地
2. 下記事項を示すもの
a) 物質または混合物が、規則(EU)No.517/2014の第16条または第18条に従って、市場投入用の割当分が分配または譲渡され供給されたこと、およびその暦年、
b) 物質または混合物について、規制(EU)No.517/2014の第15条第2項または第4項に基づく市場投入割当分に対し具体的に与えられた例外があること、または
c) 物質または混合物が2015年1月1日より前に上市されたこと、および 3. 物質、混合物、またはその容器を明確に分類し申告することができる識別手段。

物質または混合物を上市する製造者または輸入者は、条例に分類に関する規定が含まれる場合、第14条(分類、表示および包装規則の規定権限※訳者注)に従って追加的に分類しなければならない。
※訳者注:連邦政府が条例で追加的に定めることが認められる内容とその権限について

規則(EC)No.1272/2008の第2条第26号にいう供給者として物質または混合物を上市する者は、規則が表示および包装に関する規定を含む場合、第14条に従い、追加的に表示及び包装しなければならない。(第13条)

混合物の製造者、輸入者、もしくは使用者は、連邦政府に対し、要求に応じて下記の情報を届け出なければならない。(第16d条)
1. 混合物の名称および商品名
2. 表示
3. 混合物の組成に関する情報
4. 混合物の年間あたりの製造量、輸入量、または使用量
5. 使用分野
6. 本法に基づき、または本法に基づき規定された計算方法によって決定することができない混合物の危険有害性の決定に必要な場合に限り、当人が入手可能な、または合理的な費用で入手可能な、規則(EC)No.440/2008に従った試験証明書
7. 安全データシートの内容
また製造者、輸入者、使用者は、これらの混合物が人体または環境に有害な影響を及ぼす可能性があることが示唆された場合、特に科学的知見に基づく疑いがある場合、合理的な期間内に連邦化学物質局に書面で通知しなければならない。

規則(EC)No.1907/2006の第3条第33号の意味における供給者として、規則(EC)No.1907/2006の意味における製品を上市する者は、2021年1月5日から、指令2008/98/ECの第9条(2)に従って、規則(EC)No.1907/2006の第33条(1)で言及される情報を欧州化学品庁に提供しなければならない。
ただし、軍事利用を意図した製品には適用されない。(第16f条)
目次
基礎情報
法令(現地語) |
Gesetz zum Schutz vor gefährlichen Stoffen (Chemikaliengesetz – ChemG) |
法令(日本語) | 有害物質からの保護に関する法律(化学物質法-ChemG) |
公布日 | 1980年09月16日 |
所管当局 |
作成者

株式会社先読+ドイツ語翻訳者(齋藤 由貴子)
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