法令の情報時期:2022年6月 公布版 | ページ作成時期:2025年4月 |
目的

本法は、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム協約」および「水銀に関する水俣協約」施行のため、両協約で規定するダイオキシン、水銀およびその化合物などの残留性汚染物質に対し、管理に必要な事項を定め、国民の健康および環境の保護と、国際協力促進を目的とする。
概要

残留性汚染物質とは、長期間環境中に残留し人体または生態系に有害な物質であり、本法により、これらの製造・輸入・輸出・使用・排出などに関する規制が設けられている。
環境部長官により、5年ごとに残留性汚染物質管理基本計画が策定され、環境部長官と関係中央行政機関の長は、毎年この基本計画を施行するための詳細計画を策定する。また、政府により残留性汚染物質の人体曝露安全基準、環境基準が設定される。
残留性汚染物質を含む機器の管理や輸出入、処理について規定されている。また、事故発生により残留性汚染物質が排出された場合の対応や、残留性汚染物質含有廃棄物のリサイクルについても定めている。
本法に違反した場合、違反内容によって懲役、罰金、課徴金が科される。
注目定義
■ 「残留性汚染物質」(잔류성오염물질)
「残留性汚染物質」とは、毒性・残留性・生物濃縮性および長距離移動性などの特性を持ち、人および生態系に危害を及ぼす物質であり、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム協約」および「水銀に関する水俣協約」で規定された物質をいい、その具体的な対象は環境部長官が定めて告示する。 |
■ 「排出施設」(배출시설)
「排出施設」とは、残留性汚染物質を排出する施設物、機械、器具その他の物体であり、環境部令で定めるものをいう。 |
■ 「残留性汚染物質含有廃棄物」(잔류성오염물질함유폐기물)
「残留性汚染物質含有廃棄物」とは、「廃棄物管理法」第2条第3号に定める事業場廃棄物のうち、環境部令で定める残留性汚染物質含有量の基準を超える汚染されたごみ、焼却灰、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ等であり、人の生活または事業活動にとって不要となった物質のうち、大統領令で定める廃棄物をいう。 |
適用除外(対象外・猶予・免除等)
「海洋(「海洋水産発展基本法」第3条に定める海洋をいう)における残留性汚染物質の管理には、本法を適用しない。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

取り扱い禁止残留性汚染物質は、原則として製造・輸出入・使用が禁止されている。ただし特定の用途で許可されたもの、または試験・研究・検査目的の場合は限定的に許可される。「化学物質管理法」の制限物質・禁止物質と「農薬管理法」の農薬は本条項の対象外。(第13条第1項)
取り扱い制限残留性汚染物質は、ストックホルム協約または水俣協約で規定された用途や、試験用・研究用・検査用途にのみ製造・輸出入・使用することができる。「化学物質管理法」の制限物質・禁止物質と「農薬管理法」の農薬は本条項の対象外。(第13条第3項)
取り扱い禁止または制限物質を輸出する者は、用途・相手国・数量等を記載した申請書を提出し、環境部長官の承認を受けなければならない。重要事項の変更時にも再承認が必要となる。(第13条第5項)

残留性汚染物質の排出施設を運営する者は、排出許容基準を遵守しなければならない。ただし、排水無放流排出施設を運営する者については、排水によって排出される排出許容基準は適用されない。(第14条)
残留性汚染物質排出事業者は、対象施設で排出される残留性汚染物質を測定し、その結果を所定期間保存しなければならない。(第19条第1項)
残留性汚染物質排出事業者は、事故などで残留性汚染物質が流出した場合、直ちに応急措置を講じ、速やかに環境部長官へ報告しなければならない。(第20条)
残留性汚染物質を含む廃棄物を収集・運搬・保管・処理する場合、環境部令で定められた基準に従う必要がある。(第22条)
残留性汚染物質含有廃棄物の再利用は、環境部令で定める種類および用途に限られている。(第23条)

変圧器など、大統領令で定める管理対象機器等の所有者は、製造者、製造年月日、絶縁油の交換有無など環境部令で定める事項を市・道知事に申告しなければならない。重要事項を変更した場合も申告が必要である。(第24条の2)
残留性汚染物質の濃度が基準を超える絶縁油を含む管理対象機器は、輸出入が禁止されている。(第24条の3)
基準値以上の残留性汚染物質を含む使用済み汚染機器等は、環境部令で規定する期間内に、定められた基準と方法に従って適切に処理しなければならない(第26条)
目次
第一章 総則
第1条 目的
第2条 定義
第3条 適用範囲
第4条 他の法令との関係
第5条 残留性汚染物質管理基本計画
第6条 残留性汚染物質施行計画
第9条 人体曝露安全基準の設定
第10条 環境基準の設定
第11条 測定網の設置・運営
第12条 土地等の使用
第二章 残留性汚染物質の製造・輸出入・使用の禁止または制限
第13条 残留性汚染物質の製造・輸出入・使用の禁止と制限
第三章 残留性汚染物質の排出規制
第14条 排出許容基準
第15条 排出施設等の設置基準
第16条 改善命令・使用中止命令および閉鎖命令
第17条 課徴金処分
第18条 排出源と排出量の調査
第19条 残留性汚染物質測定と周辺地域への影響調査等
第19条の2 残留性汚染物質測定分析専門機関の指定等
第20条 事故発生時の応急措置・申告および再発防止措置等
第四章 残留性汚染物質含有廃棄物の処理
第21条 残留性汚染物質含有廃棄物の分類・管理等
第22条 残留性汚染物質含有廃棄物の処理基準等
第23条 リサイクルの制限
第五章 残留性汚染物質含有機器等の管理
第24条 汚染機器等のリスト作成
第24条の2 管理対象機器等の申告等
第24条の3 管理対象機器等の輸出入制限
第25条 汚染機器等の安全管理
第26条 汚染機器等の処理期限
第六章 補則
第27条 施設設置等の支援
第28条 国際協力
第29条 報告と検査等
第29条の2 年次報告書の提出
第30条 聴聞
第31条 権限の委任・委託
第31条の2 罰則適用上の公務員擬制
第七章 罰則
第32条 罰則
第32条の2 罰則
第33条 罰則
第33条の2 罰則
第34条 罰則
第35条 罰則
第36条 両罰規定
第37条 過料
附則
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | 残留性汚染物質管理法(POPs法) |
公布日 | 2022年6月 公布版 |
所管当局 | 環境部 |
作成者

株式会社先読
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