解説米国-大気浄化法(CAA)-移動排出源(自動車関連)

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法令の情報時期:2024年11月 U.S.C.確認 ページ作成時期:2024年11月

目的

目的

この解説の対象が属するチャプター85「大気汚染の防止と管理が構成する大気浄化法(Clean Air Act、CAA)」の目的は、国民の健康と国の大気資源の質を保護するために、大気汚染の防止と制御を達成するための国家的研究開発プログラムを立案し実施して、州政府および地方政府に技術的、加えて財政的支援を提供することである。

概要

概要

上記の目的のため、この解説の対象が属するサブチャプターII「移動排出源に対する排出基準」では、車両や航空機、列車、船舶、小型エンジンを搭載した器具を含む移動排出源(mobile sources)を対象とした排出基準が設けられている。

パートA「車両排出ガスおよび燃料基準(§7571-7554)」では一般車両と燃料、パートC「クリーン燃料自動車両」ではクリーン燃料を動力とする車両を対象とした基準や要件、さらに罰則等が記載され、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)の自動車両、自動車両用エンジン、燃料への規制の執行方法などが示されている。

注目定義

■ 「製造者」(manufacturer)

「製造者」(manufacturer)とは、§7521、§7522、§7525、§7541および§7542において、新型車両、新型車両用エンジン、新型の非道路用車両もしくはそのエンジンの製造もしくは組立てに従事する者、または再販のためにこれらの車両もしくはエンジンを輸入する者をいう。または、新型車両、新型車両用エンジン、新型の非道路用車両もしくはそのエンジンの流通に関連してこれらの者のために行動し、その管理下にある者をいう。ただし、商業上その者が受領した新型車両、新型車両用エンジン、新型の非道路用車両もしくはそのエンジンに関する販売業者(dealer)は含まれない。(§7550(1))

■ 「販売業者」(dealer)

「販売業者」(dealer)とは、最終的な購入者に対する、新型車両または新型車両用エンジンの販売または流通に従事する者をいう。(§7550(4))

■ 「最終購入者」(ultimate purchaser)

「最終購入者」(ultimate purchaser)とは、新型車両または新型車両用エンジンに関して、再販以外の目的で当該新型車両または新型車両用エンジンを正規に購入する最初の者をいう。(§7550(5))

■ 「自動車またはエンジン部品製造者」(Motor vehicle or engine part manufacturer)

「自動車両またはエンジン部品製造者」(Motor vehicle or engine part manufacturer)とは、§7541および§7542において、自動車両または自動車両用エンジンに搭載される装置、システム、部品、構成部品、設計要素の製造、組立、または改造に従事する者をいう。(§7550(9)

■ 「自動車両」(motor vehicle)

「自動車両」(motor vehicle)とは、道路や高速道路で人や物を運搬するために設計された自走式の車両をいう。(§7550(2))

■ 「新型車両」(new motor vehicle)

「新型車両」(new motor vehicle)とは、輸入されたまたは輸入のために提供された自動車両またはエンジンを除き、正当に法律上の所有権が最終的な購入者に移転されたことのない自動車両をいい、「新型車両用エンジン」とは、正当に法律上の所有権が最終的な購入者に移転されたことのない新型車両用エンジンをいう。
 これらの用語は、当該車両またはエンジンに適用される規制(または、米国への輸入を目的として製造された場合、当該車両またはエンジンに適用される規制)の発効日以降に製造された車両およびエンジンをそれぞれいう。
 また、輸入されたまたは輸入のための車両またはエンジンに関しては、それぞれ、§7521に基づき発行された規制(または、米国への輸入を目的として製造された場合、当該車両またはエンジンに適用される規制)の発効日以降に製造された車両およびエンジンを、それぞれいう。(§7550(3))

■ 「車両重量、車両総重量定格、小型トラック、小型車両、積載車両重量」(Vehicle curb weight、gross vehicle weight rating、GVWR、light-duty truck、LDT、light-duty vehicle、loaded vehicle weight、LVW)

「車両重量」(Vehicle curb weight)、「車両総重量定格」(gross vehicle weight rating、GVWR)、「小型トラック」(light-duty truck、LDT)、「小型車両」(light-duty vehicle)、および「積載車両重量」(loaded vehicle weight、LVW)とは、1990年11月15日の時点で有効な、運輸省により公布された規則に規定された意味をいう。
本項で言及される用語に対応する括弧内の略語は、対応する用語と同じ意味を持つものとする。(§7550(7))

■ 「試験重量」(Test weight、およびtwの略語)

「試験重量」(Test weight、およびtwの略語)は、車両総重量定格(gvwr)に車両重量を加え、2で割ったものをいう。(§7550(8))

■ 「ノンロードエンジン」(Nonroad engine)

「ノンロードエンジン」(Nonroad engine)とは、自動車両や競技専用車両に使用されない内燃機関(燃料システムを含む)、または§7411もしくは§7521に基づいて公布された基準の対象外の内燃機関をいう。(§7550(10))

■ 「ノンロード車両」(Nonroad vehicle)

「ノンロード車両」(Nonroad vehicle)とは、ノンロードエンジンを動力源とする車両であって、自動車両または競技のみに使用される車両ではないものをいう。(§7550(11))

■ 「クリーンな代替燃料」(Clean alternative fuel)

「クリーンな代替燃料」(Clean alternative fuel)とは、クリーン燃料自動車両に使用される燃料(メタノール、エタノール、その他のアルコール(ガソリンまたはその他の燃料に対して85体積%以上のアルコールを含む混合物を含む)、改質ガソリン、ディーゼル、天然ガス、液化石油ガス、水素を含む)または電源(電気を含む)であって、当該燃料または電源を使用する場合に本サブチャプターに基づき当該自動車両に適用される基準および要件に適合するものをいう。
フレキシブル燃料車またはデュアル燃料車の場合、「クリーン代替燃料」とは、§7583条(d)(2)に従い、クリーン燃料車に適用される基準を満たすクリーン燃料車両用として認証された燃料のみをいう。(§7581(2))

■ 「非メタン有機ガス」(nonmethane organic gas、NMOG)

「非メタン有機ガス」(nonmethane organic gas、NMOG)とは、ガスサンプルに含まれる非酸素化炭化水素と酸素化炭化水素の合計を意味し、最低限、炭素原子数5以下の酸素化有機ガス(すなわち、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテルなど)、および炭素原子数12以下の既知のアルカン、アルケン、アルキン、芳香族をすべて含む。NMOG基準への準拠を証明するため、NMOG排出量は、「カリフォルニア州非メタン有機ガス試験手順」に従って測定されなければならない。
 ベースガソリン以外の燃料を使用する車両の場合、NMOG排出レベルは、ベースガソリンを使用する車両に対する排出ガスの反応性に基づいて調整されなければならない。
ただし、規制当局は、NMOGの定義を、カリフォルニア州大気資源局の低排出ガス車およびクリーン燃料規制の下で、カリフォルニア州で使用されている定義および方法に適合するように変更しなければならない。(§7581(3)または(4))

■ 「ベースガソリン」(Base gasoline)

「ベースガソリン」(Base gasoline)とは、以下の仕様を満たすガソリンをいう。
ただし、規制当局は、ベースガソリンの定義および反応度調整の方法を、カリフォルニア州大気資源局の低排出ガス車およびクリーン燃料規制の下で、カリフォルニア州で使用されている定義および方法に適合するように変更しなければならない。(§7581(4))
反応度再調整のベースとなるベースガソリンの仕様: API重力: 57.8
硫黄、ppm: 317
カラー: パープル
ベンゼン, vol.: 1.35
リード蒸気圧: 8.7
ドライバビリティ: 1195
アンチノック指数: 87.3
蒸留、D-86 °F:
IBP: 92
10%: 126
50%: 219
90%: 327
EP: 414
炭化水素の種類, Vol. % FIA:
芳香族: 30.9
オレフィン: 8.2
飽和: 60.9

■ 「対象フリート」(Covered fleet)

「対象フリート」(Covered fleet)とは、一個人が所有または運行する10台以上の自動車両の群をいう。
本項において、一個人が所有または運行する自動車の数を決定する場合、その人物、その人物を支配する人物、その人物に支配される人物、およびその人物と共通の支配下にある人物が所有 または運行、リース、またはその他の方法で支配するすべての自動車両は、その人物が所有するものとして扱われるものとする。
 「対象フリート」には、一般消費者向けのリースまたはレンタルのために保有される自動車両、自動車両の販売業者が販売のために保有する自動車(デモ車両を含む)、自動車両の製造者の製品評価または試験に使用される自動車両、法執行機関およびその他の緊急車両、または非道路用車両(農業用車両および建設用車両を含む)は含まれないものとする。(§7581(5))

■ 「対象フリート車両」(Covered fleet vehicle)

「対象フリート車両」(Covered fleet vehicle)とは、以下の自動車をいう。
(i) 本パートに基づく基準が適用される車両クラス、または、
(ii) 集中給油される(または集中給油可能な)対象フリート。
通常の運行において、夜間に個人宅に保管される車両は、本項にいう集中給油が可能な車両とはみなされない。(§7581(6))

■ 「クリーン燃料車両」(Clean-fuel vehicle)

「クリーン燃料車両」(Clean-fuel vehicle)とは、自動車のクラスまたはカテゴリーに属する車両であって、当該クラスまたはカテゴリーに属するクリーン燃料車両に対して、本項に基づき当該モデル年度に適用されるクリーン燃料車両基準を満たすと認定された車両をいう。(§7581(7))

■ 「通商」(commerce)

「通商」(commerce)とは、(a)いずれかの州内の任意の場所と州外の任意の場所との間の通商、および(b)コロンビア特別区内の通商をいう。(§7550(6))

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
機械安全、設備安全

(1) パートA—自動車排出ガスおよび燃料基準

§7521「新型自動車両または新型自動車両用エンジンの排出基準」は、米国環境保護庁(EPA)に新型車両およびその新しいエンジンに対する排出基準を設定する権限を与えている。主な内容は以下の通りである。

  1. 基準設定の権限:EPAは、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素など、公衆衛生や福祉に害を及ぼす汚染物質の排出基準を設定する。

  2. 技術に基づく基準:基準は、「利用可能な技術」、「経済的実現性」、「準備期間」などを考慮し、達成可能な最大の排出削減を反映すべきであるとしている。

  3. 改訂基準:基準は、汚染制御技術や公衆衛生研究の進歩を反映して、徐々に強化される可能性があるとしている。

  4. 温室効果ガス:EPAは、気候変動の影響に対処することを目的として、温室効果ガスに関する基準を設定する。

  5. 試験およびコンプライアンス:製造者は車両の排気ガス試験を実施し、コンプライアンスを確保することが義務付けられており、EPAが検証およびコンプライアンスの取り組みを監督する。

禁止

§7522「禁止行為」では、車両排出ガス基準に関連するさまざまな「禁止行為」を規定している。主な内容は以下の通りである。

  1. 製造違反:EPAの排出ガス基準を満たさない新型車両やエンジンを製造、販売、輸入することは違法となる。

  2. 不正操作:車両またはエンジンの排出ガス制御システムの改造や不正操作は禁止されている。これには、汚染防止装置の無効化や回避措置も含まれる。

  3. 基準不適合部品の販売:排出ガス制御の不正操作や回避を目的とした部品や装置の販売は違法となる。

  4. 虚偽の陳述:EPAへの報告における虚偽の報告が禁止されている。

  5. 販売後(アフターマーケット)のコンプライアンス:車両の各部品の製造または販売に関わる者は、これらの部品が車両の排ガス基準超過の原因とならないようにしなければならない。

文書登録、文書管理、文書作成

§7524「民事制裁金」では、車両排出ガス基準および関連規制の違反に対する「民事罰(罰金刑)」を規定している。主な内容は以下の通りである。

  1. 不遵守に対する罰則:排出ガス制御システムの不正操作や基準不適合車両の販売など、排出ガス基準や規制に違反した個人または企業は、金銭的罰則の対象となる可能性がある。

  2. 罰金額:ここでは、各違反行為に対する具体的な罰金額が定められている。

  3. EPAによる施行:排出基準の順守を確保し、違反を抑止するためEPAがこれらの罰則を施行する責任を負っている。

人の安全

§7525「自動車両および自動車両用エンジンの適合性試験および認証」では、自動車両およびそのエンジンの「適合試験および認証要件」を規定している。主な内容は以下の通りである。

  1. 認証要件:製造者は、米国で販売する各新型自動車またはエンジンが該当する排出ガス基準を満たしていることを証明しなければならない。

  2. 試験手順:EPAは、排出ガス基準への準拠を評価するための試験手順を定めている。試験では、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質などの汚染物質を測定する必要がある。

  3. 生産ライン試験:EPAが基準への継続的な準拠を確保する目的で、製造者に生産ライン上の車両に対して試験を行うことができる。

  4. 欠陥報告:製造者は生産後に発見された排出ガス関連の欠陥を報告しなければならず、車両が排出ガス基準を満たしていない場合、リコールを命じられる。

  5. 施行と罰則:EPAは車両を検査し、排出ガス認証要件への不適合に対する罰則を施行する権限を有している。

機械安全、設備安全

§7541「実使用における車両およびエンジンの適合性」では、販売後の実際の使用における新型車両および新型エンジンに対する順守要件が義務付けられている。主な内容は以下の通りである。

  1. 使用中の適合性試験:EPAは、車両およびエンジンが耐用年数にわたる通常の運転中に排出ガス基準を満たしていることを確認するために、使用中の試験を実施する。

  2. 製造者の責任:製造者は、車両およびエンジンが販売時だけでなく通常の使用においても排出ガス基準に適合していることを保証しなければならない。

  3. 保証要件:製造者は、排出ガス制御部品が所定の期間または走行距離にわたって適切に機能することを保証しなければならない。

  4. リコール権限:EPAが相当数の車両またはエンジンが実際の使用において排出ガス基準を満たしていないと判断した場合、製造者にリコールと修理を要求することができる。

文書登録、文書管理、文書作成

§7542「情報収集」では、EPAが製造者などから情報を収集する権限を持つこと、その内容が記載されている。主な内容は以下の通りである。

  1. データ収集権限:製造者に対して、生産、販売、排出ガス制御技術の詳細など、排出ガスに関する情報の提供を要求することができる。

  2. 検査および記録保管:製造者の施設を検査し、記録を要求し、必要なデータを入手することができる。

  3. 試験要件:製造者の試験の実施または試験結果の提出を要求することができる。

  4. 施行支援:この情報収集内容は、規制順守の監視と大気質保護のための施行に利用することができる。

人の安全

§7545「燃料の規制」では、EPAに車両もしくはそのエンジンの燃料規制権限を与えている。EPAの権限は以下の通りである。

  1. 燃料基準:自動車両からの排出量を削減するため、鉛、硫黄、その他の汚染物質の制限など、燃料の組成や特性に関する基準を設定する。

  2. 再生可能燃料プログラム:温室効果ガス排出量と化石燃料への依存度を低減するために、エタノールやバイオディーゼルなどの再生可能燃料を一定量ガソリンやディーゼルに混合することを義務付けている。

  3. 有害添加物の禁止:燃料中の添加物が公衆衛生や環境に害を及ぼすことが判明した場合、その添加物を制限または禁止することができる。

  4. 試験とその遵守:燃料の製造者および販売者は、燃料の品質と排出基準が満たされていることを保証するために、規制と試験要件を遵守しなければならない。

  5. 遵守違反に対する罰則:遵守違反の燃料の製造や販売を含む違反に対する罰則を執行できる。

機械安全、設備安全

§7546「再生可能燃料」では、その要件を定めている。主な内容は以下の通りです。

  1. 再生可能燃料目標:EPAは、エタノールやバイオディーゼルなどの再生可能燃料を国家燃料供給に組み入れるための年間目標を設定している。これらの目標は、再生可能燃料基準(RFS)プログラムの一部である。

  2. 温室効果ガス削減:EPAは、化石燃料よりも一般的にCO2排出量が少ない再生可能燃料の利用を奨励している。

  3. 再生可能燃料の種類:再生可能燃料として、例えば、セルロース系バイオ燃料、先進バイオ燃料、バイオ燃料としてのディーゼル燃料などが挙げられている。

  4. クレジットとコンプライアンス:燃料の生産者および輸入業者は、再生可能燃料の数量要件を満たすか、クレジットを購入してコンプライアンスを達成しなければならない。EPAは、クレジット取引システムを通じてコンプライアンスを監督している。

人の安全

§7552「自動車両の適合プログラム料金」では、自動車両のコンプライアンスプログラムに関わる料金徴収をEPAに認めている。この法に基づいて、排気ガス基準で義務付けられている試験、コンプライアンス、および認証プロセスに関連する費用を、車両およびエンジンの製造者に請求することができる。

文書登録、文書管理、文書作成

(2) パートC―クリーン燃料自動車

§7582「クリーン燃料自動車に適用される要件」では、クリーン燃料自動車の要件を規定している。主な規定は以下の通りである。

  1. クリーン燃料自動車基準:クリーン燃料自動車として指定された車両は、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素などの汚染物質の削減のため、従来の車両よりも厳しい排出基準を満たさなければならない。

  2. 認証:製造者は、実際の走行条件下で、排出ガス基準を満たしていることを証明しなければならない。

  3. 車両群要件:特定の地域では、空気の質に関する目標を達成するために、車両群の所有者はクリーン燃料車の使用を義務付けられる場合がある。

  4. 検査と順守:クリーン燃料車は、定期的な検査と試験が設けられ、排出ガス基準への継続的な順守を行う必要がある。

機械安全、設備安全

§7583「軽量クリーン燃料自動車両の基準」では、軽量低公害車の排出ガス基準を定めている。主な内容は以下の通りである。

  1. 排出ガス基準:乗用車や小型トラックなどの軽量低公害車は、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質を削減するための特定の排出ガス基準が設けられている。

  2. 認証要件:製造者は、軽量車両がクリーン燃料基準を満たしていることを証明しなければならない。

  3. モデルイヤー・コンプライアンス:基準はモデルイヤーに基づいて適用されている。要件は厳しくなる。

  4. クリーン燃料の利用促進:これらの基準は、天然ガス、電気、その他の低排出代替燃料など、よりクリーンな燃料を使用する車両への移行を促す。

人の安全

§7584「カリフォルニア州基準に基づく管理および施行」では、EPAにカリフォルニア州のより厳しい規制に基づく特定の自動車排出ガス基準の管理および施行を認めている。主な内容は以下の通りである。

  1. カリフォルニア州基準の採用:各州は、連邦基準よりも厳しいカリフォルニア州の自動車排出ガス基準を採用することができる。

  2. EPAの役割:EPAは、カリフォルニア州基準を採用する各州の承認プロセスを監督し、製造者がこれらの代替要件を遵守することを義務付ける。

  3. 州間の一貫性:一旦採用されると、これらの基準は採用された州の車両製造者などを含む各関連者に適用され、その州もしくは州の特定の地域で統一された排出量削減方法が使用される。

文書登録、文書管理、文書作成

§7585「大型クリーン燃料車(GVWR 8,500 ポンド超 26,000 ポンド以下)の基準」では、§7583とは対比して、大型のクリーン燃料車両の排出基準を定めている。主な内容は以下の通りである。

  1. より厳格な排出基準:大型のクリーン燃料車両(トラックやバスを含む)は、窒素酸化物、一酸化炭素、粒子状物質などの汚染物質を削減するために、標準的な大型車両よりも厳しい排出基準を満たさなければならない。

  2. 認証要件:製造者は、自社の大型車両がクリーン燃料基準を満たしていることを証明し、特定の排出量制限を確実に遵守しなければならない。

  3. モデルイヤー段階的導入:要件はモデルイヤーに基づいて段階的に導入され、排出ガス制御技術の進歩を促すため、段階的に厳しくなる。

  4. 代替燃料のサポート:これらの基準は、大型車両用の圧縮天然ガス(CNG)、液化天然ガス(LNG)、その他の低排出代替燃料など、よりクリーンな燃料の使用を奨励している。

機械安全、設備安全

§7586「集中給油の車両群」では、集中給油の対象フリートに焦点を当てることで、大気汚染に著しく寄与している特定の地域における排出削減に重点的に取り組んでいる。具体的には、特定の都市部においてクリーン燃料車を使用するよう支援し、対象フリートへの要件を定めている。主な規定は以下の通りである。

  1. 適用範囲:大気質に深刻な問題を抱える都市部の集中給油場所で給油を行う政府または民間の対象フリートに適用される。

  2. クリーン燃料車要件:対象フリートを所有する事業者は、保有車両の一部を、より厳しい排出基準を満たすクリーン燃料車に買い替えるか、改造することが義務付けられる可能性がある。

  3. 段階的実施:クリーン燃料車の割合を徐々に増やしながら、要件を段階的に導入する。

目次

チャプター85 大気汚染の防止と管理
サブチャプターII—移動排出源に対する排出基準
パートA—自動車排出ガスおよび燃料基準
§7521. 新型自動車両または新型自動車両用エンジンの排出基準
§7522. 禁止行為
§7523. 違反行為の抑制措置
§7524. 民事制裁金
§7525. 自動車両および自動車両用エンジンの適合性試験および認証
§7541. 実使用における車両およびエンジンの適合性
§7542. 情報収集
§7543. 州の基準
§7544. 州の補助金
§7545. 燃料の規制
§7546. 再生可能燃料
§7547. オフロード用エンジンおよび車両
§7548. 自動車からの粒子状物質排出の研究
§7549. 高い高度性能の調整
§7550. 定義
§7551. 省略
§7552. 自動車両の適合プログラム料金
§7553. 有鉛ガソリンを必要とするエンジンの製造禁止
§7554. 都市バス基準

パートC―クリーン燃料自動車
§7581. 定義
§7582. クリーン燃料自動車に適用される要件
§7583. 軽量クリーン燃料自動車両の基準
§7584. カリフォルニア州基準に基づく管理および施行
§7585. 大型クリーン燃料車(GVWR 8,500 ポンド超 26,000 ポンド以下)の基準
§7586. 集中給油の車両群
§7587. 車両の改造
§7588. 連邦機関の車両群
§7589. カリフォルニア州パイロットテストプログラム
§7590. 一般規定

基礎情報

法令(現地語)

Clean Air Act 42 U.S.C.§7521-7554; §7581-7590

法令(日本語)

大気浄化法(CAA)-移動排出源(自動車関連)

公布日

1963年12月17日 (本稿執筆時点の最終改正:2022年12月27日)

所管当局

米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)

作成者

株式会社先読

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