解説米国-可燃性織物法(FFA)

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法令の情報時期:2024年2月 U.S.C.確認 ページ作成時期:2024年2月

目的

目的

可燃性繊維法(FFA)は、起毛レーヨンセーターなど可燃性の高い衣類の製造を規制するために1953年に成立した。

FFAは、米国での消費者製品における有害物質に関する規制のひとつで、消費者製品安全法(CPSA)によって設けられ、政府機関から独立した組織である消費者製品安全委員会(CPSC)が1972年より消費者製品の安全の観点から管理を行っている。

衣料用繊維製品、(衣料に使用される)ビニルプラスチックフィルム、カーペットと敷物、子供用寝間着、マットレスとマットレスパッドの燃焼性に関する基準が制定されている。

概要

概要

本章に基づき有効な基準、規定、または委員会より依拠されている自主基準に適合していない製品や織物などは、米国での商業における販売目的の製造、販売、その他米国への輸入などが禁止されている。これら違反する行為は違法とされ、州の司法長官が基準または規制の要件を執行するために差止命令を求める民事訴訟を起こす可能性もある。

同じく本章に基づき有効な基準などに適合しない製品や織物などを外国に輸出する場合、事前に委員会に当該輸出を通知する声明書を提出しなければならない。委員会は、この声明書を輸入国の政府に通知する。

上記の輸出の場合でも、委員会が判断した場合、委員会から米国からの輸出を命令により禁止される。

注目定義

■ 「人物」(Person)

「人物」(Person)とは、個人または個人を含むパートナーシップ、法人、および団体を含む。(1191条(a))

■ 「委員会」(Commission)

「委員会」(Commission)とは、消費者製品安全委員会をいう。 (1191条(i))

■ 「着用衣料品」(article of wearing apparel)

「着用衣料品」とは、人物によって着用され、または着用されることを意図した衣装または衣料品をいう。 (1191条(d))

■ 「室内装飾品」(interior furnishing)

「室内装飾品」(interior furnishing)とは、その全部または一部が布地または関連素材で作られ、住宅、事務所、その他集会所や宿泊所で使用されることを意図した、または使用されることが予想されるあらゆる種類の装飾品をいう。(1191条(e))

■ 「織物」(fabric)

「織物」(fabric)とは、1191条(h)項に定義される「製品」に使用されることが意図されているか、または使用されることが予想される、天然繊維または合成繊維、フィルム、またはそれらの代替品、さらにはそれらとの組み合わせで織られ、編まれ、フェルト化され、またはその他の方法で製造された素材をいう。ただし、小売販売以外のための繊維、フィラメント、または糸を除く。(1191条(f))

■ 「関連素材」(related material)

「関連素材」(related material)とは、紙、プラスチック、ゴム、合成フィルム、または合成発泡体であって、1191条(h)項に定義される「製品」に使用されることが意図されているか、または使用されることが予想されるものをいう。 (1191条(g))

■ 「製品」(product)

「製品」(product)とは、衣料品または室内装飾品をいう。 (1191条(h))

適用除外(対象外・猶予・免除等)

文書登録、文書管理、文書作成

織物、関連素材または製品が、消費者が意図された目的に使用する際に危険なほど引火性が高いと委員会が認めた場合は、委員会が定める条件の下で、そのような織物、関連素材または製品に対する適用を除外または制限する。(1193条(b))

織物、関連素材または製品、およびそれが封入されている容器に、それらが輸出向けであることを示すスタンプまたはラベルが貼付され、かつ実際に米国から輸出される場合、本章は適用されない。ただし、米国外にある米国の施設に出荷される予定の織物、関連素材または製品については、本章が適用される。(1202条(a))

染色、仕上げ、その他の加工または保税での保管のために米国に輸入され、米国から輸出される織物、関連素材または製品には適用されない。ただし、これらの輸出が、米国内に居住する者に不当な損害を与える危険性があると委員会が判断した場合はこの限りではない。(1202条(b))

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
禁止

本章1193条の規定に基づいて発行または改正された燃焼性に関わる基準(standard)、または規則(regulation)に適合していない織物、関連素材または製品は、商業における以下の行為が禁止されている(1192条(a)(b))。

・ 商業における販売目的の製造
・ 販売または販売の申し出
・ 米国への輸入
・ 米国での商取引やそのための引渡し、輸送

人の安全

委員会の通知に応じて提出された規格が、特定された傷害のリスクを排除または適切に低減すると委員会が判断した場合、委員会は、当該規格の全体、一部、または組み合わせを、本1193条に基づく規則案として公表する。

その後、発効された場合、この規格は自主基準(voluntary standard)として規則に依拠される。(1193条(h))

文書登録、文書管理、文書作成

委員会は、本章の管理および執行に必要かつ適切で本章第1193条に基づいた規則および規定を定める権限を有する。

規則および規定に違反する行為は違法である(1194条(c))。州の司法長官が、基準または規則の違反を申し立てた場合、当該基準または規則の要件を執行するために、差止命令を求める民事訴訟を起こす場合がある(1194条(a))。

禁止

本章第1193条に基づく規制または基準を故意に違反した者は、当該違反1件につき100,000ドルを超えない民事罰の対象となる。

ただし、関連する一連の違反については、民事罰の上限は15,000,000ドルを超えないものとする。(1194条(e))

資格、認定

本章に基づき有効な基準または規制に適合しない織物、関連素材または製品を外国に輸出する30日前までに、輸出者は、委員会に当該輸出を通知する声明書を提出しなければならない。

一方、委員会は、この声明書を受領次第、当該輸出およびそれに対する基準または規制の根拠を輸入国の政府に通知する。(1202条(c))

禁止

委員会が本章に基づく基準または規則に適合していないと判断した織物または関連素材を販売目的で米国から輸出することは、委員会の命令により禁止される。(1202条(d))

人の安全

連邦政府および州政府または州の政治的下部組織が、本章よりも厳しい、織物、関連素材、または製品に適用される基準またはその他の規則を制定し、その有効性を継続する場合がある。(1203条(b))

目次

15 U.S.C. 第25章 可燃性織物

1191. 定義
1192. 禁止されている取引
1193. 燃焼性基準または規制
1194. 管理および施行
1195. 禁止命令および非難手続き
1196. 罰則
1197. 保証
1198. 外国からの出荷、再配達の要求、清算損害賠償の請求
1199. 追加法規としての章
1200. 本章の適用から除外される者
1201. 研究および調査、研究や開発および訓練
1202. 適用除外
1203. 連邦基準の先取り
1204. 燃焼性規制に対する議会の拒否権

基礎情報

法令(現地語)

Flammable Fabrics Act (FFA)

法令(日本語)

可燃性織物法

公布日

1953年6月30日 (本稿執筆時点の最終改正:2020年12月27日)

所管当局

米国消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)

作成者

株式会社先読

株式会社先読

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