法令の情報時期:2024年05月 公布版 | ページ作成時期:2024年09月 |
目的

本規程の目的は、労働者および上級幹部に対する競業避止条項の適用や執行を制限し、不公正な競争方法を防止することで、労働者の職業選択の自由を保護しつつ、公正な労働市場の維持を図ることである。
概要

本規程は、労働者および上級幹部に対する競業避止条項の適用や執行を制限し、不公正な競争方法を防止することで、労働者の職業選択の自由を保護しつつ、公正な労働市場の維持を図るために定められた。
本規程は計6条で構成され、競業避止条項の定義、労働者および上級幹部に対する競業避止条項の適用や執行の禁止、不公正な競争方法としての取り扱い、既存の競業避止条項に対する通知義務、例外規定、州法との関係および優先権などについて定めている。
注目定義
■ 「事業体」(Business entity)
「事業体」とは、パートナーシップ、株式会社、社団、有限責任会社若しくはその他の法人、又はそれらの部門若しくは子会社をいう。(第910.1条) |
■ 「上級幹部」(Senior executive)
「上級幹部」とは、以下に該当する労働者をいう。 (1) 方針を決定する地位にあった、かつ (2) 本部対象者から、雇用について以下のいずれかに該当する額を受け取った。 (i) 前年度に、151,164米ドル以上の年間報酬総額、 (ii) 同労働者が前年度の一部の期間のみ雇用されていた場合には、年換算で151,164米ドルの報酬総額、 (iii) 同労働者が前年度より前に離職し、競業避止条項の対象となっている場合に、離職の前年度の年換算で151,164米ドル以上の報酬総額。 年間報酬総額は、労働者の前年度の収入に基づく。年間報酬総額には、給与、歩合給、無裁量賞与及びその他の当該52週間の期間に獲得した無裁量報酬を含むことができる。年間報酬総額には、食事、宿泊及び 連邦規則集第29編第541.606条に定義するその他の施設は含まれず、また、医療保険の支払、生命保険の支払、退職年金の掛金及びその他の同様の福利厚生の費用は含まれない。 (第910.1条) |
■ 「労働者」(Worker)
「労働者」とは、有給か無給かを問わず、労働者の役職又は労働者の他の州法若しくは連邦法における地位にかかわらず、就労している又は過去に就労していた自然人をいい、これには、労働者が従業員、独立した請負業者、エクスターン、インターン、ボランティア、見習いであるか、又はある者に役務を提供する個人事業主であるかの場合を含むが、これらに限定されない。 労働者という用語には、フランチャイズ加盟者又はフランチャイズ本部のために働く自然人が含まれるが、フランチャイズ加盟者とフランチャイズ本部との関係におけるフランチャイズ加盟者は含まれない。(第910.1条) |
■ 「競業避止条項」(Non-compete clause)
「競業避止条項」とは、 (1) 労働者に以下を禁止する、労働者に以下につき罰則を課す又は労働者に以下を行わせないように作用するような、以下のいずれかに該当する雇用の契約条項又は条件をいう。 (i) 当該契約条項又は条件を含む雇用の終了後にかかる労働が開始される場合に、米国内において異なる者との労働を求め又は承諾すること、 (ii) 当該契約条項若しくは条件を含む雇用の終了後に、米国内で事業を運営すること。 (2) 本部において、雇用の契約条項又は条件には、書面であるか口頭であるかを問わず、契約上の規定又は職場方針が含まれるが、これらに限定されない。(第910.1条) |
■ 「方針決定権限」(Policy-making authority)
「方針決定権限」とは、事業体又は共同事業の重要な側面を管理する方針を決定する最終的な権限をいい、これには、かかる方針の決定に対して助言するか影響力を行使することに限定された権限、又は共同事業の子会社若しくは関連会社のみのために方針を決定する最終的な権限を有することは含まれない。(第910.1条) |
■ 「方針を決定する地位」(Policy-making position)
「方針を決定する地位」とは、事業体の社長、最高経営責任者若しくはそれと同等の者、方針決定権限を有する事業体のその他の役員、又はその他の自然人であって方針決定権限を有する役員と同様に事業体の方針決定権限を有する者をいう。共同事業の一部となっている事業体の子会社又は関連会社の役員であって、共同事業の方針決定権限を有する者は、本項の適用においてはこれを方針を決定する地位を有するとみなすことができる。共同事業に対する方針決定権限を有しない自然人は、同人が共同事業の一部となっている事業体の子会社又は関連会社に対する方針決定権限を有している場合であっても、方針決定権限を有しているとみなすことはできない。(第910.1条) |
■ 「前年度」(Preceding year)
「前年度」とは、直近の52週から成る1年、直近の暦年、直近の会計年度又は入社日を基準とした直近の年度のうちから本部対象者が選択する期間をいう。(第910.1条) |
適用除外(対象外・猶予・免除等)

不公正な競争方法についての例外は、以下である。
(a) 純粋な事業譲渡。 本部の要件は、任意の事業体、任意の事業体に対する本部対象者の所有持分、又は任意の事業体の営業資産の全て若しくは実質的に全ての純粋な譲渡に基づいて本部対象者が締結する競業避止条項には適用されないものとする。
(b) 既存の訴因。 競業避止条項に関連する訴因が施行日前に発生した場合、本部の要件は適用されない。
(c) 誠実性。 本部対象者が、本部が適用されないと考える誠実な根拠を有する場合、競業避止条項を執行し若しくは執行しようとし、又は競業避止条項について表明を行うことは、不正な競争方法ではない。
事業者が注意すべき内容
本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |

上級幹部以外の労働者に対して、競業避止条項の締結や執行を試みたり、その対象であることを表明する行為は不公正な競争方法とされる。
上級幹部に対しても、施行日以降に締結された競業避止条項について同様の規制が適用される。
既存の競業避止条項に関しては、施行日までに労働者へ執行が不可能であることを通知する義務があり、その通知は書面で、郵便やメール、テキストメッセージで行う必要がある。
ただし、連絡先が不明な場合には通知義務が免除される。通知には定められた雛形があり、追加で他言語での通知も任意で認められている。(第910.2条)

本部の規定は、州の独占禁止法や消費者保護法、判例法などの競業避止条項に関する州の法律や規則を無効化したり、本部対象者がそれを遵守する義務を免除するものではない。
ただし、州の法律が本部の不公正な競争方法や通知要件に抵触する行為を許可する場合に限り、本部がその法律に優先する。
また、本部の規定は州検事総長やその他の規制機関の権限、あるいは州法に基づく本部対象者の請求権や規制措置の権利を変更したり制限するものではない。(第910.4条)

本部のいずれかの条項が無効または執行不能とされた場合、その条項は法律で許される範囲内で最大限の効果を持つように解釈されるべきであり、その無効性は他の条項や適用には影響を与えない。
また、無効や執行不能とされた条項は本部から分離可能であり、残りの規定には影響しないとされる。(第910.5条)
目次
連邦規則集第16編第910部主題一覧
第J節 – 不公正な競争方法に関する規程
第910部 – 競業避止条項
第910.1条 定義
第910.2条 不公正な競争方法
第910.3条 例外
第910.4条 州法との関係並びに州の権限及び私的訴権の保全
第910.5条 可分性
第910.6条 施行日
第912部 – [留保]
基礎情報
法令(現地語) | |
法令(日本語) | 競合避止条項に関する規程 |
公布日 | 2024年05月07日 |
所管当局 |
作成者

株式会社先読
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