2023.11.15
EU|欧州委員会、民生用ドローンによる潜在的脅威への対策を打ち出す
欧州委員会による民生用ドローンによる潜在的脅威への対策について
2023年10月18日、欧州委員会は民生用ドローンの不正および危険な使用に対する脅威に対処するための措置をまとめた通達を採択しました。急速なドローンの増加および技術発展が市民生活に対する脅威を呼び起こさないための、包括的な政策を提示しています。また、施策の大枠を提供し、進化し続ける脅威に対処するための共通理解の構築も目指しています。
背景
ドローンは欧州において、輸送、防衛、商業、サービスなど多岐に渡る分野で経済的・社会的に重要な役割を担っています。また、ドローンの合法的な利用はデジタル化および環境政策の促進どちらにおいても不可欠なファクターです。
2016年に最初のドローンに関するワークショップが行われて以来、欧州委員会は加盟国や利害関係者と共にドローンが含む潜在的な脅威に向き合っており、コミュニティ形成、情報共有、プロジェクトへの資金提供など幅広い取り組みを実施しています。
EUの安全保障連合戦略とEUテロ対策アジェンダの双方において、ルールや社会規範を守らないドローンの脅威が欧州における大きな懸念であると述べられています。また、2022年にも、欧州委員会の通達「EUにおけるスマートかつ持続可能な無人航空機エコシステムのためのドローン戦略2.0」において重要施策として取り扱われています。
EUにおけるドローンの悪用を妨げる仕組みは整備されています。しかし、あまりに急速なドローンの技術的進化は安全保障におけるリスク要因となっており、密輸や麻薬の密売や市民の安全とプライバシー侵害をもたらしています。
よって、民生用ドローンの不正および危険な使用による脅威に対抗する措置を取る必要があります。
概要
本通達は、欧州委員会の共同研究センター(JRC)が手掛けた2つのハンドブックとともに提供され、EUのドローン政策における技術的側面にガイダンスを含んでいます。
加盟国におけるコミュニティ形成、情報共有、資金の取り扱いなどに関連する様々な措置について概説しており、その具体的な対策として6つの活動を明示しています。
■既存イニシアチブにおいて示されている作業内容を効率化し、ドローン対策専門家グループの設立を通じて優良事例と情報を共有する
■規制措置を適切に実施するため、EU全体で法や手続きを統一させるために規制ニーズを特定する
■ドローン対策専門家グループや共同研究センター(JRC)が助言を提供することにより、加盟国が商用のサイバーおよび非サイバー対策の技術を市場から選択する際のサポートをする
■既存の対ドローン訓練制度を私設セキュリティセクターや法執行機関などにまで押し広げ、加盟国における実践的指導と運用支援を提供する
■既存の利用可能な予算プログラムを利用して、研究とイノベーションを強化する
■2026~2027年における国内安全保障基金のテーマ別施設作業プログラムに基づき、対ドローンソリューションに関する提案募集を開始し、資金面での支援策を強化する
本通達は2030年までの活動に対応しています。2027年までの中間点検の実施や2030年までの対ドローンプログラムの全体的な見直しが計画されています。
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