米国|クリーン自動車の売買時における税額控除に関する規則制定案の通知

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米国|クリーン自動車の売買時における税額控除に関する規則制定案の通知

内国歳入法セクション25E、セクション30Dなどに基づく、クリーン自動車の税額控除の権利譲渡に関する規則を提案

2023年10月10日、財務省の内国歳入庁(IRS)は、2022年インフレ抑制法によって制定されたクリーン自動車(Clean Vehicle)の税額控除(tax credit)に関するガイダンスを改正し、それらを含む規則制定案を通知しました。本規制案では、クリーン自動車を購入・使用していた元所有者と元所有者より中古車として購入した新所有者、さらにはクリーン自動車の中古車などの販売に関わるディーラー、それぞれの納税方法に関する指針を含んでいます。そのため、その内容は関連する個人や事業者に影響します。この規則制定案に関する意見募集や公聴会要請の期限は、2023年12月11日までになっています。

背景・概要

2022年08月16日に制定された、通称2022年インフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022、IRA)は、クリーン自動車(Clean Vehicle)の税制の内容について、内国歳入法(Internal Revenue Code、IRC)のセクション25Eを追加し、さらにセクション30Dを改正しました。クリーン自動車とは、米国ではバッテリー式電気自動車(Electric Vehicle)、プラグイン・ハイブリッド式電気自動車(PHEV)、燃料電池式電気自動車(Battery Electric Vehicle)などを含むゼロエミッション車のことで、IRAにより環境汚染対策の一環として税額控除の対象となっています。

内国歳入法セクション25Eでは、中古クリーン自動車を自身で購入し使用している者に課される税額控除(セクション25E控除)が規定されています。具体的には、ある課税年度中に中古クリーン自動車を購入・使用する場合、購入者の調整後総所得が高くなければ、その課税年度に所得税額控除として(1)4,000ドル、または(2)販売価格の30%に相当する金額が控除されると規定しています。その他、この税額控除に関する課税年度の決定方法や控除の閾値、対象となるクリーン自動車の年式、車両の大きさ(総重量)や定員、ディーラーへの売却価格、取得年度、さらに納税申告書の様式などが規定されています。

内国歳入法セクション30Dでは、新しくクリーン自動車を購入し使用する者に課される税額控除(セクション30D控除)が規定されています。このセクションでは2022年12月31日以降に使用開始される自動車に適用されており、2023年4月18日から適用されるセクション30Dの(b)では、クリーン自動車1台につき最大7,500ドルの控除(重要鉱物の要件を満たして3,750ドル、バッテリー部品の要件を満たして3,750ドルの合計)が規定されています。その他、税額における減価償却費の扱い、車両の使われ方(一般事業用か個人使用かなど)、高所得納税など税額控除を受ける資格の譲渡の有無(単一の取引でディーラーと購入者の両方が控除をうけられないため)、販売時の開示方法、税額控除を受けるディーラーの資格などが規定されています。

セクション25E、セクション30Dのどちらの控除も、クリーン自動車の使用を開始した課税年度にその内容が決定されることになっています。加えて、セクション25Eのいくつかの規定は、セクション30Dの定義や規則の一部を相互参照として組み込んでいます。

さらに、IRAにより内国歳入法セクション45Wが導入され、商業用クリーン車に関する基礎控除が定められました。控除額、比較対象のガソリン車との価格差、車両の重量、及び再取得の規則の適用などの規則が定められています。

内国歳入法セクション6213では、納税者の納税不備に関する通知、通知後の請願書、さらには租税裁判所への申し立てについて規定されています。このセクションでは、納税者が数学的または事務的な単純な間違いを起こしていた場合、納税者が申し立てれば、IRSは過少申告加算税を課さないことが規定されています。

注目すべき内容

今回の提案では以下の項目が提案されています。

  • 内国歳入法のセクション25Eまたは30Dに基づいて、所得税規則内で、中古クリーン自動車の購入時に発生する税額控除を受ける資格を、旧所有者または新所有者のどちらもがディーラーに譲渡したい場合のガイダンス案が提案されました。クリーン自動車が事業用として使用された後に減価償却され個人用として転売された場合など、異なる状況における税額控除の申請方法等が提案されています。
  • 内国歳入法のセクション25Eまたは30Dに基づいて、所得税規則内で、ディーラーが中古もしくは新車クリーン自動車の優遇税制を前払いで受ける場合のガイダンス案が提案されました。
  • 内国歳入法セクション25Eまたは30Dに基づいて、所得税規則内で、税額控除の再取得に関する規則案が提案されています。

その他、内国歳入法セクション6213に基づく手続管理規則における、過少申告加算税が課されない「数学的または事務的な誤り」の例リストに3つの新しい定義とその意味を追加する案が提案されています。

参考情報

譲渡に関わるクリーン自動車税額控除の規則制定案の通知

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