ミネソタ州の未開発の鉱物を対象にした法案に関する公聴会を開催
2023年05月11日、共和党のエネルギー鉱物資源小委員会は、ミネソタ州の未開発の鉱物の採掘に関する2つの法案について公聴会を開催しました。この公聴会で共和党はミネソタ州の国有林での採掘の禁止に反対する法案を紹介し「委員会において共和党は鉱物生産とそれへアクセスする方法を拡大する法案を検討します」と声明を出しました。ここでは「背景」「内容」について記事になっています。
背景:
スーペリア国有林(Superior National Forest)は、カナダと米国の国境とスペリオル湖の北岸の間のミネソタ州のアローヘッド地域に存在しています。アメリカ合衆国森林局の管理下で、スーペリア国有林は3,900,000エーカー(16,000平方キロメートル)以上の森と水域で構成されています。森林は松、モミ、トウヒの木などの針葉樹とマウンテンアッシュ、カエデ、アスペン、ペーパーバーチなどの落葉樹により混合林で構成されています。水域には睡蓮とワイルドライスもあります。スケトウダラ、ノーザンパイク、コクチバス、レイクトラウト、カワマス、ニジマス、ブラウントラウトなどの魚種が水域に、オジロジカ、ヘラジカ、オオヤマネコ、ツキノワグマ、オオカミなどの動物種が北部の森林地帯に生息しています。また、国有林の中で最も多い163種の鳥が営巣しています。この公園内には、かつてネイティブアメリカンの部族やカナダの先住民であるファーストネイションズが利用しその後ヨーロッパの探検家や貿易商が利用した歴史的なカヌーの航路、ハイキングトレイルやキャンプ場などの様々なレクリエーション施設があります。
ミネソタ州北部のこの地域には、銅、ニッケル、コバルト、白金族金属など、アメリカ最大の鉱物鉱床があります。2023年1月、バイデン政権は、バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリア・ウィルダネスの上流に位置する225,000エーカーのスーペリア国有林での採掘を、レイニー川流域の水域を汚染から守る目的で、20年間モラトリアム(使用の猶予)としました。このモラトリアムにより、計画されていたツインメタルズ鉱山の使用が停止されました。
内容:
エネルギー鉱物資源小委員会は、ウェスターマン議長が率いる米国議会下院の天然資源委員会(House Committee on Natural Resources)の小委員会の一つです。
2023年5月11日、共和党のエネルギー鉱物資源小委員会は、ミネソタ州の未開発の鉱物の使用に関する2つの法案を紹介する公聴会を開催しました。小委員会のピート・スタウバー委員長(共和党、ミネソタ州)は、この席で、以下の内容の声明を発表しました。
「バイデン政権が、海外で採掘された鉱物に頼り続けることは容認できません。ミネソタ州北部において、鉱物は重要な資源であり、労働力もあります。今回の公聴会でバイデン政権が禁止しているスーペリア国有林での採掘を覆すため選択肢が示され、国内の鉱物サプライチェーンを確保していきたい。」
今回示された法案は、「H. Con. Res. 34」と「優性国有林回復法(Superior National Forest Restoration Act)」です。H. Con. Res. 34では、内務長官による、ミネソタ州クック郡、レイク郡、セントルイス郡にある約225,504エーカーの国有林の、米国の鉱物および地熱リース法に基づく処分からの撤退に不承認を表明する。」としています。一方、優性国有林回復法では、バイデン政権が最近行ったこの地域での鉱物撤退を覆し、保留中の鉱山計画の再検討を要求し、政権の開始以来停止された地域での鉱物リースまたは許可の再発行を指示する内容となっています。
参考:
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