増え続けるサイバー犯罪を深刻な国家経済システムの危機と判断したもの
2023年03月16日、「仏暦2566年(西暦2023年)緊急勅令 サイバー犯罪防止・抑制策」が官報公布されました。この緊急勅令はその翌日、2023年3月17日より施行されています。
緊急勅令とは
緊急勅令とは、憲法付随法や法律と同様、憲法の次に重要な位置づけである上位法令のひとつで、国の安全保障・公共の安全・国家経済の安定・公共における災害の防止のために緊急時、迅速に法令を制定する必要がある時に発出され、国王の名のもとに内閣が制定する権限を持つものです。
今回の緊急勅令発出の背景
今日、タイでは様々な技術を悪用し、他人の預金口座や電子マネー、デジタル口座などから迅速に資産をだまし取る等のサイバー犯罪による国民への甚大な被害がでており、その被害は増加の一途を辿っています。国はこの事態を国家経済システムの深刻な危機である判断し、その防止策として緊急勅令が発出されました。
今回の告示内容
■サイバー犯罪の防止および抑制のため、サイバー犯罪が疑わしい事象が起きた場合、もしくは起こりうると判断した場合、金融機関及び事業者はその関連の顧客の取引や口座に関する情報をデジタル経済社会省のシステムまたはプロセスを通じて公開、もしくは交換することが義務づけられます。また、この作業がスムースに行うことができるよう、電話その他通信業者においても関連情報の交換や公開が同様に義務付けられます。
そののち、これら業者により王立警察、特別捜査局、マネー・ロンダリング対策事務所(AMLO,Anti-Money Laundering Office )、に通報、王立警察、特別捜査局、マネー・ロンダリング対策事務所がこれら情報をサイバー犯罪防止のために使用する権限を持つものとなります。また、サイバー犯罪が疑わしく、登録者情報やパソコンのトラフィック情報が必要であると判断し、情報の提示を求めた場合、前述の電話その他通信業者は定められた期間内に情報を提示しなければなりません。
■金融機関及び事業者がサイバー犯罪が疑わしいと判断した事象に遭遇した場合、もしくはそのような情報を得た場合、その口座取引を停止し、振込先となる金融機関及び事業者に関連情報と共にその旨を通知しする権限を持ちます。口座取引の停止は疑わしいと判断した日から7日間を限度として、一時的に、即刻行うことができます。
■サイバー犯罪の被害者から届け出があった場合、金融機関及び事業者はその口座取引を即刻、一時停止し、前述の方法にて各機関とその情報を共有、被害者に 72 時間以内に捜査員に被害を申し立てるように伝えることが義務付けられます。また、担当捜査員は7 日以内に当該口座に対して措置を講じることを検討します。7日以内に担当捜査員より金融機関及び事業者宛にその口座取引停止の継続に関する通知が無い場合、その取引停止は解除されます。
■自分自身の使用ではなく、他人が使用することを許可するために預金口座や電子マネー、デジタル口座やSIMカード開設を許可してはいけません。詐欺や違法行為に利用される可能性があることを知っていた、または知っていたはずであると見なされ、これに違反した者は、3 年以下の懲役または30万バーツ以下の罰金、もしくはその両方に処せられます。
■サイバー犯罪に利用される預金口座や電子マネー、デジタル口座の情報を斡旋、宣伝、もしくは流布した者は、2-5 年の懲役または 20万‐50万バーツの罰金、もしくはその両方に処せられます。
参考
「仏暦2566年(西暦2023年)緊急勅令 サイバー犯罪防止・抑制策」2023年3月16日官報公布、3月17日施行
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