EPA、石炭石油火力発電設備からの有害な大気汚染物質の削減を目指す
2023年04月05日、米国環境保護庁(EPA)は、バイデン・ハリス政権の下で、発電所の水銀および大気毒性の基準を強化することを提案しました。提案された技術基準により、石炭火力発電所からの有害な大気汚染物質を削減することを目指しています。ここでは、「提案の背景」「提案の内容」について記事になっています。
提案の背景:
2012年に初めて発行された「水銀および大気有害物質の基準(Mercury and Air Toxics Standards、MATS)」は、石炭および石油火力発電設備からの水銀、酸性ガス、およびその他の有害な汚染物質を削減するための基準を示しています。水銀およびニッケル、ヒ素、鉛などの非水銀による金属汚染は、致命的な心臓発作、癌、子供の発達遅延など、健康に被害が大きいことが知られています。2023年初頭、米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency、EPA)は、定期的な再確認作業において、この基準の科学的、経済的、法的裏付けが、国民の健康保護を行うための法的根拠としては弱いことを認識し、前政権による規則を撤回しました。今回、EPAは、石油火力発電設備という発生源からの有害な汚染をさらに削減するため、MATSにより厳しい排出規制と、コスト的に妥当な監視・制御方法の追加を提案しました。EPAでは、この規則により、水銀およびニッケル、ヒ素、鉛などの非水銀による金属汚染に加え、微粒子状物質、二酸化硫黄、窒素酸化物、および二酸化炭素の排出削減をもたらすことができると期待しています。
提案の内容:
この提案により、EPAは、利用可能な制御技術と有害な大気汚染物質の排出を削減するための最新技術を評価し、これを基準とすることで既存の石炭火力発電所のろ過可能な粒子状物質(filterable particulate matter、fPM)の排出制限をさらに67%削減することを目指しています。今回の基準の提案では、石炭火力発電所からのニッケル、ヒ素、およびその他の非水銀金属の排出削減を求めていると同時に、fPM排出量を削減するためのコストと実現可能性の情報も含まれています。
さらに、EPAは、既存の褐炭火力源からの水銀の排出制限を70%削減することも提案しています。この削減基準は、褐炭火力源となっている設備施設が他の石炭火力発電所と同じレベルの排出性能を達成するための制限です。
加えて、EPAは、改訂されたfPM排出制限に準拠するために継続的な排出監視システムを基準に加えるという、石炭火力発電所の排出監視要件の改善と更新も提案しています。これらの連続監視システムは、規制当局、一般市民、施設の所有者などに、正確でリアルタイムに測定された排出量データを提供します。EPAは、このデータを用いることで、発電所の制御装置と運用を改善できると考え、提案を行っています。EPAはその他に、石炭火力発電所のスタートアップ期間中の排出パフォーマンスを向上させるために、スタートアップ条項に関連する要件を改訂することも提案しています。
これらの改訂案により、EPAは、電力部門の技術的進歩が加速され、石炭火力発電所からの水銀排出量を2021年以前のレベルよりも90%削減できると考えています。また、EPAは2028 年から 2037 年までの 10 年間における正味の政府の利益が、24 億~30 億ドルであると予測しています。この利益の中には、国民の健康を促進することによって政府が削減できる費用と規則の遵守によって得られた費用が含まれています。
今回、EPAは、コストの評価や仮定された制御装置の有効性など、この規則案のすべての側面について意見を募集しています。そして、EPAはこのより厳しい基準を最終決定するかどうかについての意見も募集しています。意見の募集は、60日間受け付けられています。また、EPAは、公聴会を2023年5月9に開催します。詳細は、「水銀および大気有害物質の基準(Mercury and Air Toxics Standards、MATS)」にも記載があります。
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