バイデン政権の「持続可能な水の未来を確保するための部族との国家間関係の強化」の一環
2023年05月03日、米国環境保護庁(EPA)は、インディアン居留地に住む50万人以上の人々とその水生生物の生態系の保護のため、水質浄化法の基準を持っていなかったインディアン居留地の水域に対する水質基準案を発表しました。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景:
環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、繁栄する地域社会、健全な水性生物の生態系、持続可能な経済成長に不可欠な米国の水域の保護と改善を目指しています。水質基準(Water Quality Standards、WQS)は、水域の水質目標を定義、排出源の国家汚染排出除去システム(National Pollution Discharge Elimination System、NPDES)の許可、水質を基準とした排水システムの開発などを含む、水質浄化法(Clean Water Act、CWA)の下での規制の基盤となっています。
政府はこの基準を根拠に、州や指定された部族政府に、排出源への許可権限、CWAセクション401における排出源の認証権限や、水質条件と指定された用途の達成に関する報告などを提供しています。つまり、州や部族政府は、水域に汚染を排出する可能性のある排出源に対して、この水質基準を下に、認証や許可を、付与、拒否、または放棄する権限を持ちます。
50年前、米国議会は、米国内の水域は釣りと水泳を行えるような水質にするために支援するべきとして、水質浄化法を制定しました。現在、すべての州と47の部族が、その目標と一致する基準を確立し、施行しています。しかし、インディアン居留地を持つ米国の部族の大多数は、そのような水質基準を持っていませんでした。
今回、EPAは、各部族との数十年にわたる調整と協調関係の結果、水質基準をすでに確立している米国の他の州や47の部族と同じ水質保護の枠組みを、250を超える部族に拡大することを提案しています。
この提案が最終決定されれば、部族政府は、水域に独自の水質基準を採用できるようになるまでの間、州やその他の部族で採用している基準を使って、インディアン居留地の水質を保護できます。EPAは、提案されたこの水質基準により、インディアン居留地内の76,000マイルの河川と1万エーカーの湖、貯水池、その他の開かれた水域の保護が強化され、居留地の境界内に存在する水生生物とそこに住む9万人以上の住民の健康が保護されると推定されています。
内容:
水質基準では、水域を(1)釣りや水泳といった用途を指定し、(2)それらの用途で守るべき、汚染物質の最大レベル(または水質の基準)を確立し、(3)水質を汚染から保護する指針を概説することで、水域の状態に関する目標を定義しています。今回提案された水質基準は、部族政府に対して、水域の用途、基準、および汚染防止の指針を共通の権利セットとして提供し、しかし部族政府が地域の状況を最もよく保護するために必要な基準に調整できるように柔軟性も備えています。
この提案は、EPAの2021年の行動計画「持続可能な水の未来を確保するための部族との国家間関係の強化」で概説されている「部族政府の水資源を保護する」というバイデン・ハリス政権の公約の一つです。連邦政府が認めた574の部族に対する米国政府の責任の一環ともなっています。
すでに、コーカスの部族国家、アラスカ先住民、ナバホネーション環境保護庁、クリークインディアンのポーチバンド、全国部族幹部会、ローワーエルファ部族コミュニティなどの代表が、この提案を「先住民が水域や水生生態系を使って行う独自の伝統的および文化的行為をサポートする内容である」として、支持を表明しています。
ただし、ほとんどの部族が水質基準の下でプログラムを施行するための資金を持っていないことから、今後、EPAと部族間で協議が必要であるという意見もあります。
EPAは、この提案に対するコメントを2023年8月3日(90日間)まで受け付けています。EPAはまた、この提案について2回のオンライン公聴会(2023年6月27日、7月12日)を開催します。EPAは2023年8月1日までに終わる部族政府との多くの調整のすぐ後にこの提案が受け入れられることを期待しています。
参考:
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