バイデン・ハリス政権、石炭火力発電所による水質汚染に対して制限を提案
2023年3月8日、バイデン・ハリス政権と米国環境保護庁(EPA)は、石炭火力発電所に適用される廃水排出基準を強化する規則案を発表しました。この規則案により、EPAは石炭火力発電所の廃水から排出される汚染物質を年間580億ポンド以上削減できると考えています。ここでは、「この提案の背景」「この提案の内容」について記事になっています。
この提案の背景:
石炭火力発電所は、池、湖、河川などの水路に大量の排水を排出しています。この排水中には、セレン、水銀、ヒ素、ニッケル、臭化物、塩化物、ヨウ化物などの汚染物質、栄養素汚染、および総溶解固形物を含みます。
これらの汚染物質への曝露は、飲料水、レクリエーション用水、および水生生物への汚染を介して、地域住民や生態系に害を及ぼす可能性があります。米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、石炭火力発電所などからから湖、小川、その他の水域への排出されるこれら有毒金属やその他の汚染物質の排出を削減するために、排水制限ガイドライン(Effluent Limitations Guidelines、ELG)を発電所に課しています。
このガイドラインは、実証済みの廃水処理技術を用いた場合に産出される、業界・業種固有、今回の場合発電所固有の国内廃水規制です。これに従い、発電所業界全体の経済的に達成可能な最大の汚染物質削減値が計算されています。
石炭火力発電所は、蒸気発電所として、化石燃料である石炭を使用してボイラー内の水を加熱し、蒸気を生成し、蒸気によって駆動されたタービンによって発電する施設です。このような蒸気発電所では、水処理、電力サイクル、灰処理、大気汚染防止システム、石炭杭、ヤードや床などから雑多な廃棄物を含んだ化学汚染物質と熱を含んだ廃水を排出します。
2015年9月、EPAは蒸気発電カテゴリー(石炭火力発電所以外に、石油火力発電所や核燃料発電所なども含む)のELGを改訂する規則を最終決定し、発電所から排出される廃水中の有毒金属に初めて制限を設定しました。
2020年8月、EPAは、発電所より排出される排煙脱硫(Flue gas desulfurization、FGD)廃水およびボトムアッシュ(Bottom ash、BA)輸送水という2種類の廃水に関する2015年の要件を改訂する「再検討」規則を最終決定しました。
この決定に伴って、バイデン・ハリス政権はEPAに対して、2015年~2020年の間に実施もしくは前政権が実施したすべての規制と政策を見直し、環境を保護が達成できないと判断された規則を撤回または改訂するように指示しました。2021年7月、EPAは、指示に従い、改定案を策定する意向を発表していました。
この規則案の内容:
今回のEPAの規則案は、石炭火力発電所で発生する3種類の廃水、「排煙脱硫廃水」、「ボトムアッシュ輸送水」、「燃焼残留浸出水」に対して、より厳しい排出基準を提案しています。
また、提案された規則は、地表貯水池(灰池など)に貯蔵されている石炭火力発電所によって生成され貯水されている廃水にも対処しています。今回の規則案では、これらの廃水を定義し、これらの廃水に対してより厳しい排出基準を設定するかどうかについてのコメントも求めています。
一方、EPAでは、2028年までに石炭の燃焼を停止することを計画しています。EPAは、石炭火力発電所がこの道筋に従いながらも、臨時に操業を行えるようにするために、今回の規則案とは平行した提案も発行しました。この平行した規則案により、2032年までに石炭の燃焼を停止する予定の石炭火力発電所は、提案された規則に準拠しながら予定通り燃焼を続ける道筋が明らかになっています。
以上の規則案により、EPAは、石炭火力発電所の廃水から排出される汚染物質を年間580億ポンド以上削減できると考えています。石炭火力発電所が適用される「蒸気発電カテゴリー」の排水制限ガイドライン、基準案の詳細に関するオンライン公聴会は2023年4月20日と25日に開催されます。またこの規則案に対するコメントは2023年5月30日まで受け付けられます。
参考:
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