EU|無線機器指令改正-充電装置が無線機器に含まれるかどうかを示すピクトグラムのラベル表示要件追加、共通充電器仕様など
鍵はEN IEC 62680-1-3:2021とピクトグラム
2022年12月07日、無線機器指令を改正する指令が欧州官報にて公布されました。加盟国の国内法化期限は、2023年12月28日、一部の無線機器カテゴリー・クラスについては2024年12月28日、2026年04月28日と段階的に設定されています。携帯電話やその他類似の無線機器の充電インターフェースや充電通信プロトコルに関する市場の断片化が問題視され、相互運用性の欠如や電子廃棄物の増加が懸念されました。
そこで、無線機器の特定のカテゴリまたはクラスの充電通信プロトコル、充電インターフェース、すなわち充電レセプタクル、および無線機器の充電に必要な最小および最大電力に関する情報など、それらのカテゴリまたはクラスの充電特性に関して消費者およびその他のエンドユーザーに提供すべき情報に関して、無線機器指令に適切な要件を導入する必要があるとされました。
2024年以降、すべての新しい携帯電話、タブレット、デジタルカメラ、携帯ゲーム機、ヘッドホン、ヘッドセット、携帯スピーカー、電子書籍端末、キーボード、マウス、携帯ナビゲーションシステム、イヤホンには、調和型充電ソリューション(すなわちUSB-C充電ポート付き)が搭載されなければならなくなります。
改正主旨
■ 携帯電話やその他類似の無線機器の充電インターフェースや充電通信プロトコルに関する市場の断片化が、相互運用性の欠如や電子廃棄物の増加を招いている。
■ 有線充電により充電される無線機器の特定のカテゴリーまたはクラスについて、充電イン ターフェースと充電通信プロトコルを調和させることが必要
■ 特に、充電インターフェースと充電通信プロトコルの調和の導入は、将来的には、電波による充電(ワイヤレス充電)を含む有線充電以外の方法で充電できる無線機器に関しても検討されるべき
■ 無線機器と一緒に充電機器を提供することに関する要求事項をケーブルに拡大し、強制アンバンドの導入を検討するべき
■ このような要求の実効性を確保するため、消費者やその他のエンドユーザーは、携帯電話や同種の無線機器を購入する際に、充電特性に関する必要な情報を受け取るべき
■ 専用のピクトグラムがあれば、消費者及びその他のエンドユーザーは、購入前に充電装置が無線機器に付属しているかどうかを判断することができる。ピクトグラムは、通信販売を含むすべての供給形態で表示されるべきである。
■ USB Type-Cを当該無線機器の共通充電レセプタクルとすることは技術的に可能。世界的に使用されているUSB Type-C技術は、国際標準化レベルで採用され、欧州電気標準化委員会(Cenelec)により欧州規格EN IEC 62680-1-3:2021「データ及び電源用ユニバーサルシリアルバスインターフェース-Part 1-3: Common components – USB Type-C® Cable and Connector Specification」で欧州システムに移行されている。
■ 新しい規定によって特にカバーされる無線機器のカテゴリーまたはクラスは、その指令の新しい附属書でさらに詳述されるべき
■ 無線機器のこれらのカテゴリーまたはクラスのうち、取り外し可能なまたは内蔵された二次電池を持つ無線機器のみが関係する
■ 充電装置を持たない特定のカテゴリーまたはクラスの無線機器の供給に関する要件を導入するため、無線機器指令2014/53/EUも改正されるべき
■ 関係する無線機器のカテゴリーまたはクラス、および充電ソリューションに関連する仕様は、同指令の新しい付属書で指定されるべき
■ 無線機器に付属する説明書に含まれるべき情報について、指令の関連条文に追加情報要件を挿入する必要があり、附属書で指定すべき
■ 遠隔販売によるものを含め、すべての供給形態において、一定の情報を視覚的な形で提供すべき
■ 充電能力と互換性のある充電装置に関する仕様を示す専用のラベルがあれば、消費者やその他のエンドユーザーは、無線機器の充電に必要な最も適切な充電装置を判断できるようになる
■ 無線機器のライフサイクルを通じて有用な参照元を提供するため、充電機能及び互換性のある充電装置に関する仕様の情報は、無線機器に付属する説明書及び安全情報にも含まれるべきである
■ 輸入者及び流通業者は、消費者及びその他の最終使用者に無線機器を直接供給することができることを考慮し、供給又は表示すべき情報に関して製造者に適用される義務と同一の義務を負うべき
■ 適合性評価手続きについては、製造者は、新たな必須要件への適合を実証するために、内部生産管理手順を使用する選択肢を持つべき
改正概要
対象
無線機器指令第3条「必須要件」3段落の改正
■ 第3条3段落では、「特定のカテゴリー又はクラス内の無線設備は、次の基本要件に適合するように構築されなければならない」として、様々な要件を列挙していますが、その中の一つが改正されています。
(旧)(a) 無線機器は付属品、特に共通の充電器と相互接続する。
(新)(a) 無線機器は、付属書Iaの第I部に規定される無線機器のカテゴリ又はクラスのための充電装置以外の付属品と相互接続するものであって、本条第4段落において特に言及されるもの
そして、第4段落が追加されています。
4.附属書 Ia の第 I 部に規定されるカテゴリー又はクラスに属する無線機器は、当該区分又はクラスの無線機器について同附属書に定める充電能力に関する仕様に適合するように構築されるものであること。
改正規則 第1条より一部引用仮訳
(以下略)
ここで「附属書 Ia の第 I 部に規定されるカテゴリー又はクラスに属する無線機器」とは、次の通りです。
附属書 Ia 無線機器の特定カテゴリー又はクラスに適用される充電に関連する仕様及び情報
第1部 充電能力に関する仕様
1.ポイント2及び3に定める要件は次の無線機器のカテゴリ又はクラスに適用される。
1.1 ハンドヘルド型携帯電話
1.2 タブレット端末
1.3 デジタルカメラ
1.4 ヘッドホン
1.5 ヘッドセット
1.6 携帯型ゲーム機
1.7 ポータブルスピーカー
1.8 電子書籍端末
1.9 キーボード
1.10 マウス
1.11 ポータブルナビゲーションシステム
1.12 イヤホン
1.13 ノートパソコン2.有線充電による充電が可能な限りにおいて、ポイント1で言及された無線機器のカテゴリー又はクラスは、次の要件を満たさなければならない。
2.1. EN IEC 62680-1-3:2021「Universal serial bus interfaces for data and power – Part 1-3: Common components – USB Type-C® Cable and Connector Specification」に記載されているUSB Type-Cレセプタクルを装備し、そのレセプタクルは常にアクセス可能で動作可能でなければならないこと。
2.2. EN IEC 62680-1-3:2021「Universal serial bus interfaces for data and power – Part 1-3: Common components – USB Type-C® Cable and Connector Specification」に準拠したケーブルで充電可能であること。
3.5Vを超える電圧、3Aを超える電流又は15Wを超える電力で有線充電が可能である限り、本編1項で言及した無線機器のカテゴリー又はクラスは、次の要件を満たさなければならない。
3.1 EN IEC 62680-1-2:2021「EN IEC 62680-1-2:2021 “Universal serial bus interfaces for data and power – Part 1-2: Common components – USB Power Delivery specification”」に記載されているUSB電力伝送を組み込んでいること。
3.2 使用される充電装置に関係なく、追加の充電プロトコルがポイント 3.1 で言及されるUSB電力伝送の完全な機能性を可能にすることを確保すること。
附属書Ia 第1部の引用・仮訳
附属書Iaの第2部は「充電機能及び互換性のある充電装置に関する仕様の情報」、第3部は「無線設備に充電装置が含まれるか否かを示すピクトグラム」について定めています。
改正指令では、無線機器指令に第3a条「消費者及びその他の最終使用者が充電装置なしで特定のカテゴリー又はクラスの無線機器を入手する可能性」の条項を追加する内容を定めています。
■ 「経済事業者は、消費者及びその他のエンドユーザーに対し、充電装置なしに当該無線設備を取得する可能性も提供しなければならない」として、「第3条第4段落に規定する無線設備に充電装置が付属しているか否かに関する情報を、当該無線設備が消費者その他の最終使用者に提供される際に、附属書Iaの第Ⅲ部に規定する使いやすく容易にアクセスできるピクトグラムを用いて、図式的に表示することを保証しなければならない」と定めています。
充電装置が無線機器に含まれる場合

充電装置が無線機器に含まれない場合

■ ピクトグラムは、包装材に印刷するか、ステッカーとして包装材に貼付しなければならず、無線機器が消費者及びその他の最終使用者に提供される場合、ピクトグラムは可視かつ判読可能な方法で表示、遠隔販売の場合は価格表示の近くに表示されなければならない。
また、無線機器指令第10条8段落を改正し、製造者が説明書等で提供する情報について定めています
8.製造者は、無線機器に取扱説明書及び安全情報を添付することを保証しなければならない。説明書は、無線機器をその意図された用途に従って使用するために必要な情報を含むものでなけれ ばならない。
このような情報には、該当する場合、無線機器が意図されたとおりに動作することを可能にする付属品及び構成部品(ソフトウェアを含む)の説明を含まなければならない。このような指示及び安全情報並びにラベルは、明確で、理解しやすく、分かりやすいものでなければならない。
また、意図的に電波を発射する無線設備の場合、以下の情報を説明書に記載しなければならない。(a) 無線設備の使用周波数帯域
(b) 無線機器が動作する周波数帯において送信される最大無線周波数電力
第3条第4段落に規定する無線機器の場合、説明書には、附属書Iaの第Ⅱ部に規定する無線機器の充電機能及び互換性のある充電装置に関する仕様の情報を含まなければならない。説明書に記載するほか、製造者が当該無線機器を消費者その他の最終使用者に提供する場合には、附属書Iaの第4部に定めるラベルに情報を表示しなければならない。ラベルは、説明書及び包装材に印刷するか、ステッカーとして包装材に貼付しなければならない。包装がない場合は、ラベルを貼ったシールを無線機器に貼付しなければならない。
無線機器が消費者及びその他の最終使用者に提供される場合、ラベルは見やすく、読みやすい方法で表示し、遠隔販売の場合は価格表示の近くに表示しなければならない。無線機器の大きさ又は性質が他の方法を許さない場合、ラベルは無線機器に付随する別文書として印刷することができる。
本項第1号、第2号及び第3号に言及する指示及び安全情報は、当該加盟国が定めるところにより、消費者及びその他の最終使用者が容易に理解できる言語によるものでなければならない。(以下略)
改正指令第1条(2)より一部引用・仮訳
ほか、輸入者や流通業者(販売業者)の要件などについて定めています。
無線機器指令
無線機器指令2014/53/EUは、無線機器をEU域内市場に上市するための規則を定めたもので、無線機器の数や種類の増加に対応し、それらが互いに干渉せず、健康や安全に関する基本的な要求事項を満たすことを目的としています。
必須要件(健康や安全など)に適合しない製品を追跡・監視するための市場監視の追加手段も定めています。
■ 本指令は、放射線測定(電波を使用して物体の位置、速度、その他の特性を測定すること)または通信を目的として電波を放射または受信するすべての機器に適用されます。携帯電話、自動車用ドア開閉器、モデムなどが含まれます。
■ 製造者は無線機器を販売するために上市する前に、その機器がいくつかの必須要件を満たすように設計・製造されていることを確認する必要があります。
■ 具体的には、第III章に従い、無線機器の適合性認証手続き、適合宣言、CEマーキング貼付などについての規定を確認して、指令の要件を遵守し、適合認証手続きを行い、CEマーキングを貼り付けないとEU市場に上市できません。
■ 製造者のほか、輸入者や流通業者の要件もあります。
参考
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