国際|UNDPとWWF、「公正なエネルギー転換のための同盟」を発足

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世界中で公正なエネルギー転換に向けた緊急行動を喚起

2022年11月15日、国連環境計画(UNDP)と世界自然保護基金(WWF)は、「公正なエネルギー転換のための同盟(AJET)」をCOP27のもとで発足させたことを明らかにしました。AJETは、コミュニティ、市民社会、政策立案者、民間企業などのステークホルダーを動員し、世界中で公正なエネルギー転換政策の実施を成功に導くことを意図した自発的なイニシアチブとして説明されています。

この取り組みには、化石燃料のサプライチェーンやサービスに携わっている人々が、再生可能エネルギーへの代替に移行する際のニーズを把握することが含まれ、メンバーが関連する知識や経験を交換し、価値あるパートナーシップを形成することを可能にし、この変革の達成と気温上昇を1.5℃に抑えるためのグローバルな努力を支援するとしています。

公正なエネルギー転換のための同盟(AJET)

新たに設けられたAJETのウェブサイトでは、8つの原則について明記しています。

1.科学に導かれ、パリ協定で定められた目標に沿った排出量削減の緊急性を理解すること。

2.公平であり、すべての人の権利、ニーズ、価値観を尊重すること。いかなるグループも他のグループより優遇されるべきではなく、初期コストが気候変動に対する責任や負担能力が最も低い人たちにかかるようなことがあってはならない。

3.持続可能で野心的であり、世界の気温上昇を1.5℃あるいは2℃以下に抑えるために必要なエネルギー転換に貢献する、より広範で全体的な戦略と整合的であること。

4.包括的で、透明性があり、包括的であること。そのためには、国レベルで策定された公正な移行戦略が、地域レベルで共同設計され実施されることが必要である。

5.利益への公平なアクセスを促進するために、社会的保護と男女平等政策に特に重点を置くことを含め、明確に定義された、強固で有意義なステークホルダーの関与と社会対話を確保すること。

6.気候変動の負担とそれを回避するためのコストが、国際的にも世代間でも公平に共有されるよう、気候正義を中心に据えること。移行は、開発途上国の雇用と地域社会を支え、人々の福利を向上させるものでなければならない。

7.エネルギーアクセスが、社会的福利、経済成長、持続可能な開発の実現、生活向上に不可欠であることを認識し、エネルギーシステムの変革により、すべての人の開発ニーズに対応したクリーンで安全かつ信頼できるエネルギーへの大規模なアクセスを可能にしなければならない。

8.司法、意思決定、情報へのアクセスを確保する。先住民および地域コミュニティの権利を支持する、投資に対する共通のアプローチ。すべてのステークホルダーがエネルギー転換の意思決定プロセスに有意義に参加する権利を認識し、実施すること。

AJET 仮訳

 

気候変動枠組条約 とは?

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とは、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目標に様々な取り組みをするための枠組みです。1992年に合意され、1994年03月に発効しました。190ヵ国以上の締約国を有しています。

条約では全ての国を一律に扱うのではなく、途上国と先進国、資金協力に関連した区分を設けています。

■ 附属書 I 国=温室効果ガス削減目標に言及のある国(先進国及び市場経済移行国)
■ 非附属書 I 国=温室効果ガス削減目標に言及のない途上国
■ 附属書 II 国=非附属書I国による条約上の義務履行のため資金協力を行う義務のある国(先進国)

1995年から開始されている締約国会議(COP)において、国際的に拘束力を有する合意(約束事)が採択されることがあります。それぞれ議定書や協定という形で示され、その中で取り組むべきことや目標、そのための仕組みなどが設けられています。

代表的なものには次のものがありますが、それぞれについて、条約とは別に批准するかどうか、参加するかどうかは国毎の判断に依拠します。即ち、それぞれについて締約国の整理がなされています。

■ 京都議定書|1997年のCOP3で採択(2005年発効)

-1990年比の温室効果ガス排出削減目標を設定|第一約束期間(2008~2012年)と第二約束期間(2013~2020年)で設定
-京都メカニズムの導入
 > 排出量取引制度|先進国間での排出枠の取引
 > 共同実施|先進国間の共同プロジェクトで生じた削減量を国家間でやり取り
 > クリーン開発メカニズム|先進国と途上国の間の共同プロジェクトで生じた削減量を当該先進国が獲得

■ パリ協定|2015年のCOP21で採択(2016年発効)、2018年のCOP24では実施指針が採択

-世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも2℃高い水準を十分に下回るものに抑える目標
-世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも1.5℃高い水準までのものに制限するための努力継続
-京都議定書に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組み
-主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新
-全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し,レビューを受ける
-適応の長期目標の設定,各国の適応計画プロセスや行動の実施,適応報告書の提出と定期的更新
-5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組みの創設(グローバル・ストックテイク)

「国が決定する貢献(NDC)」

パリ協定で合意された「全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新」するという約束事は、各国が「国が決定する貢献(NDC)」文書をUNFCCC事務局へ提出する、という形で実施されます。(パリ協定第4条)

日本の例では、地球温暖化対策推進本部においてNDCが策定されており、2020年03月30日に決定された内容では、「我が国は、2030年度に 2013年度比-26%(2005年度比-25.4%)の水準にする削減目標を確実に達成することを目指す。

また、我が国は、この水準にとどまることなく、中期・長期の両面で温室効果ガスの更なる削減努力を追求していく。」ことが明記されています。

その後、新たな政策目標として打ち出された2050年カーボンニュートラル、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減目標などを考慮して、2021年10月22日に新たなNDCが提出されています。

NDCは、その国がどのように地球温暖化対策に取り組むのかを示す長期目標であり、その内容には具体的な取り組み、目標が含まれています。そのため、中長期的にどのような法制化・法改正がなされるかを予想する一つの参考資料として有用です。

参考

■ 公正なエネルギー転換のための同盟(AJET)/UNDP

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