EU|欧州委員会、汚染者負担原則案-環境への適用の適合性チェックを公表し、意見募集を開始

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EU|欧州委員会、汚染者負担原則案-環境への適用の適合性チェックを公表し、意見募集を開始

環境政策に起因する社会的不平等の最小化

2022年11月11日、欧州委員会は汚染者負担原則案を公表し、意見募集を開始しました。汚染者負担原則とは、汚染を防止、制御、改善するための措置と、汚染によって社会にもたらされるコストを汚染者が負担することを意味します。本原則における適合性チェックとは、環境に影響を与える可能性のある政策を含め、EUがこの原則をどの程度適用しているかを加盟国レベルで確認するものです。2024年以降、適合性チェックは本原則をより適切に実行する方法を勧告するための基礎となります。

意見募集の期間は、2022年11月11日~12月9日となっています。

背景

汚染者負担原則(The Polluter Pays Principle:以下PPP)は、EU機能条約の統合版第191条2項に規定されているように、EUの環境法及び政策の根幹をなす重要な原則です。同条約の第11条では、環境に言及し、高いレベルの環境保護がEUの政策に組み込まれ、持続可能な開発の原則に従って確保されなければならないと述べています。

汚染は社会にとって大きなコストであり、気候変動、大気汚染、廃棄物などの環境問題は、EU市民にとって重要な関心事となっています。PPPは、汚染者に自分たちが引き起こした汚染の代償を求めるもので、本原則を適用することで、発生源で環境を破壊することを避け、汚染者に責任を負わせるインセンティブが働きます。

したがって、環境への影響と環境政策に起因する社会的不平等を最小化し、環境保護対策が社会的に公正かつ包括的な方法で実施されるような公正な移行になります。

適合性チェックでは、EUと加盟国の政策により、汚染を防止、制御、是正するための措置の費用を汚染者に負担させるかどうかを検討します。

EU及びEU加盟国による市場ベースの手法の利用、環境に有害な補助金による間接的な汚染者への支払い、EU資金によるPPPの適用失敗、環境債務の処理方法、政策における価格設定の利用といった側面を対象としています。

欧州裁判所は、PPPは EU の環境政策にさまざまな程度で反映、適用されており、その範囲と適用が不完全であると結論付けています。同裁判所の勧告を受けて、欧州委員会はゼロ公害行動計画の中で、「汚染者負担原則をよりよく実施する方法に関する勧告」を作成することを発表しました。

適合性チェック

適合性チェックは、PPP がどの程度適用されているかを検討します。これは、主要な目的(気候変動、水政策、大気政策、廃棄物政策、環境責任要件、等)の観点から環境に関連する幅広い活動や政策、そして環境配慮を主流とし、統合する他の分野の分野別政策、例えば、産業界の活動や循環型経済に関する政策などを監視することになります。

また、産業や循環型経済、農業、漁業、エネルギー、運輸など、環境配慮を主流とし、統合する他の分野の分野別政策も含まれます。適合性チェックでは、誰が PPP の適用に責任を持つか(その責任が EUとEU 諸国にどのように分配されるかを含む)も検討されることで、PPPを適切よりよく適用するための勧告に繋がる可能性があります。

評価は、標準的な評価基準(原則が効果的かつ効率的に適用されているか、矛盾が無いか、まだ適切か、最大のEU価値が提供されているか)に基づいた質問に答えるものです。

以下に評価項目を示します。

(1) 有効性

・ 環境保護と環境の質の向上に影響を与えるすべての政策において、PPP がどの程度適用されているか。
・ PPPが効率的な環境改善を実現するためにどの程度効果的であるか。
・ PPPの効果的な適用を妨げている要因

(2) 効率性

・ PPP がどの程度公正で、公正な移行に合致しているか。弱者を含むさまざまな利害関係者にどのような影響を与えるかも含む。
・ EU の政策間、EU 諸国間で PPP の効率的な適用に大きな差があるかどうか(ある場合はその理由)。
・ PPPを取り入れることにより、EUの政策立案はより効率的になり得るかどうか。

(3) 関連性

・ PPP が欧州グリーンディールに示される EUのニーズにどの程度合致しているか。
・ 欧州委員会が定めたEUのニーズにPPPがどの程度合致しているか。
・ PPPが新しい環境問題や技術の変化に対応できるかどうか。

(4) 一貫性

・ PPP の適用が、EU において、環境保護や環境の質の向上に影響を与える政策間で、どの程度一貫性があるか。
・ EU域外でのPPPの適用がどの程度一貫しているか。

(5) EUの付加価値

・ 現在、EUとEU諸国の間で行われているPPP適用の責任の分散の仕方は正しいか?
・ 現在の国内及びEUの権限と条約の法的根拠は、環境政策におけるPPPの適用を支えているか

コンサルテーション戦略

欧州委員会は、情報、データ、エビデンス、意見を収集するために、利害関係者と議論する予定です。2023年の第2四半期に、12週間の公開議論が開始される予定です。また、欧州委員会は、EU諸国のPPPに関する新しい専門家グループと議論し、エビデンスの収集と予備的な調査結果の討議を行う予定です。

欧州委員会は、汚染者負担の原則がEUの政策全体にどのように適用されているかを評価することを目的としており、今回の公開協議では、利害関係者や一般市民の意見、及び、彼らが提供しうるエビデンスを収集する予定です。

データ収集と方法論

欧州監査院の調査結果が評価の出発点であり、それらがどのように機能するのが最善かについての分析、それらに対する賛否を提供するベースとなります。適合性チェックは、現在の PPP の適用をマッピングすることを目的とした、エビデンス収集のための調査に基づきます。

これには、介入ロジック、評価のためのサブクエスチョン(限定した対象者への質問)、サブクエスチョンに答えるためのデータソースの分析を定めた評価マトリックスを作成することが含まれます。対象となる側面や政策が膨大になる可能性があるため、代表的なサンプリングが行われる可能性もあります。

予備的な調査結果を検討するためのワークショップは、2023年後半に開催される予定となっています。

参考情報

  • Polluter Pays Principle – fitness check of its application to the environment

上記文書はEU公式Webサイトからアクセス可能です。

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