2022.09.08
EU|欧州理事会、今冬の天然ガス需要を15%削減するための規則を採択
EU加盟国の天然ガス需要の15%削減を義務化
2022年8月5日、欧州理事会は、今冬の天然ガス需要を自主的に15%削減するための規則を採択したことを発表しました。同規則では、欧州理事会がエネルギー供給の安全保障に関する警告を発する可能性を考慮してガス需要の削減が義務付けられることになります。
概要
2022年8月5日、欧州理事会は、今冬の天然ガス需要を自主的に15%削減するための規則を採択したことを発表しました。同規則では、欧州理事会がエネルギー供給の安全保障に関する警告を発する可能性を考慮してガス需要の削減が義務付けられることになります。
EU加盟国は、2022年8月1日から2023年3月31日の間において、過去5年間の平均消費量と比較してガス需要を自主的な対策で15%削減することに合意しています。具体的には、電力部門で消費されるガスの削減、産業界における燃料転換を促す対策、国家的な意識向上キャンペーン、冷暖房の削減努力、企業間のオークションなどの市場ベースの対策等が該当します。
但し、需要削減策を選択する際に各加盟国は、家庭などの保護対象顧客や、重要機関、医療、防衛などの社会機能にとって不可欠なサービスに影響を与えないような対策を優先させることが考慮されています。規則の詳細については(EU)2022/1369を参照下さい。
背景、経緯
EUでは、ウクライナ紛争でロシアからのガス供給が大幅に減少し、完全停止に至るような供給保証に関する深刻な危機に直面しており、加盟国は協調と連帯を強化して迅速に準備をする必要があると考えています。
現在、すべての加盟国が供給保証の重大なリスクに直面しているわけではないですが、特定の加盟国における深刻な混乱はEUの経済全体に影響を及ぼす可能性が高いと予測しています。
これらの状況を踏まえ、EUは、市民が安全なガス供給の恩恵を受けられるようにし、顧客が大規模な供給途絶から保護されるようにするために、既存のEUの取り組みや法律、特にガス供給の安全保障に関する規則として(EU)2017/1938を補完することになります。
天然ガスの需要削減の免除及び緩和要件
本規則の運用として、下記に示すような需要削減に関する免除及び緩和要件を設定しています(一部を仮訳)。
1.すべての加盟国は削減目標を達成するために最善の努力を払うが、理事会は、加盟国特有の状況を考慮し、ガス削減がEUの供給安定性を高めるために有効であれば、強制削減目標の一部または一部の免除を適用する。
2.理事会は、他の加盟国のガス供給網と相互接続されていない加盟国は、他の加盟国のために大量のガスを開放することができないため、ガス削減の義務は免除される。
また、電力網が欧州の電力系統と同期しておらず、発電にガスへの依存度が高い加盟国も電力供給危機のリスクを回避するために、第三国の電力網から非同期化される場合も免除される。
3.加盟国は、他の加盟国との相互接続が限定的であり、輸出能力と国内のLNGインフラが他の加盟国へのガスの再配送に最大限利用されていることを示すことができれば、需要削減義務に適応するために削減目標を制限することができる。
4.加盟国は、ガス貯蔵量の充填目標を超過している場合、重要産業の原料としてガスに大きく依存している場合、過去1年間のガス消費量が過去5年間の平均と比較して8%以上増加している場合には、削減目標を制限することができ、別の計算方法を使用することもできる。
(略)
2022.8.5欧州理事会プレスリリースより一部引用・仮訳
規則の施行、適用期間
同規則は7月26日に開催された臨時エネルギー協議会における閣僚の政治的合意を受けたものになります。
同規制は例外的で特別な措置であり、1年間限定で適用され、欧州委員会は、EUの一般的なガス供給状況を考慮し、2023年5月までにその延長要否を検討するための見直しを行うとしています。
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