2023.06.28
米国|科学、宇宙、技術に関する下院委員会が国内ドローン開発・配備促進法案を可決
国内ドローンの開発・配備を進める法案を可決し、省庁の役割を明確化
2023年5月24日、科学、宇宙、技術に関する下院委員会で、超党派の支持を得て、全国ドローンおよび先進航空機研究開発法であるHR3560を可決しました。この法案は、無人航空機システム(UAS)の研究開発活動を支援し、国内のドローン産業を発展・強化することが目的です。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景:
米国では企業や政府からのドローンの需要はますます大きくなっており、無人航空機システム(unmanned aerial systems、UAS)市場は2018年の50億ドル(約7千億円)から5年後の2023年では630億ドル(約9兆円)以上の規模に成長すると予想されています。しかし現在、中国共産党とつながりのある中国のドローンメーカーが市場を支配しています。そのため、米国の経済発展と国家安全保障の両方にとって、今後国内のドローン産業を発展させ、強化することが重要とされています。そのため、科学、宇宙、技術に関する下院委員会(House Committee on Science, Space, and Technology)は、特に中国を意識した外国の脅威に対抗する目的で、国内のUASや高度な空中モビリティ技術(advanced air mobility technologies、AAM)産業を後押しする法案の作成が必要とされていました。
内容:
今回、科学、宇宙、技術に関する下院委員会の委員長であるフランク・ルーカス氏が、ランキングメンバー(政権政党ではない政党の委員会でのリーダー)のゾーイ・ロフグレン氏と超党派を結成し、無人航空機システムの研究開発を支援する「米国ドローンおよび先進航空機研究開発法(National Drone and Advanced Air Mobility Research and Development Act)HR3560」を発表しました。この法案では、以下の点が柱となっています。
- 省庁間活動
本法案では、アメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration、NASA)、アメリカ運輸省(United States Department of Transportation、DOT)、アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation, NSF)、アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)、アメリカ国土安全保障省(United States Department of Homeland Security、DHS)、その他適切な機関からなる省庁間ワーキンググループを設立し、UASおよびAAMシステムを実現するための米国の研究開発を調整することを提案しています。また、同グループは、UASとAAMの戦略的研究計画および対UAS(Counter-UAS、C-UAS)研究計画の策定と実施の責任を負うことが提案されています。このグループの中で、NIST は、資金調達が可能であれば、国家ドローン技術センターを設立する責任を負うとされています。
- 国立ドローン研究所および先進航空モビリティ研究所(National Drone and Advanced Air Mobility Research Institutes)
本法案では、政府研究および実務機関を横断して支援するドローンおよび先進航空モビリティ研究所のネットワークを支援することが提案されています。さらに、NASAに対し、国立ドローン研究所および先進的な航空モビリティ研究所の計画・設立・支援のための資金援助プログラムを設立するよう指示しています。また、ドローン・リーダーシップ・インスティチュート(Drone Leadership Institutes)」として知られる研究所の横断的研究開発を調整することも提案されています。
- アメリカ国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)の活動
本法案では、NISTによりUASとAAMの活動が支援され、NISTがデータ共有の取り決めを作るよう指示しています。さらに、NISTに賞金コンテストの創設を指示し、また、製造業拡張パートナーシップ(Manufacturing Extension Partnership、MEP)プログラムを更新し、重要な新興技術を含めることも指示しています。さらに、UASを国内で製造するためのMEPの能力に関する調査を指示しています。
- 全米科学財団(National Science Foundation、NSF)の活動
本法案では、NSFにおけるUASとAAMの研究活動、UASとAAM産業を支える労働力の育成を支援し、NSFにUASとAAMの国内開発のための官民パートナーシップを支援するよう指示しています。
- 米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration、NASA)の活動
本法案では、NASAに対し、UASとAAMの国家空域システムへの安全な統合を促進するための研究開発およびその他の活動を指示する権限を与えています。法案はまた、NASAに対し、高校生や学部生レベルの学生を対象としたUAS技術コンテストを実施するための全国的なパイロットプログラムを設立するよう提案しています。
- エネルギー省(United States Department of Energy、DOE)の活動
本法案では、DOEに対し、UAS の技術、能力、労働力のニーズを向上させるための研究開発プログラムを実施するよう指示しています。
- 国土安全保障省(Department of Homeland Security、DHS)の活動
本法案では、DHS科学技術局(S Science and Technology Directorate、S&T)に対してUAS、AAM、C-UASの活動を支援することが提案されています。また、C-UAS活動を改善する研究開発を行うC-UASセンター・オブ・エクセレンス(center of excellence)を設立することも提案されています。
- 米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)の活動
本法案では、NOAAに対し、技術や能力を向上させ、UASの配備と収集データを強化するための研究開発を実施するよう指示しています。
- 航空局(Federal Aviation Administration、FAA)の活動
本法案では、FAAはUASとAAMの研究活動を支援するものとし、研究のためのパートナーシップを認可しています。
- その他の制限事項
参考:
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