フィリピンのRCEP協定発効と原産地証明書の発給に関するもの
2023年6月2日、RCEP協定に係る告示が2件官報公布されました。いずれも同日より施行となっています。
【RCEP協定とは】
地域的な包括的経済連携(RCEP, Regional Comprehensive Economic Partnership)協定とは2012年11月に交渉を開始し、8年の月日をかけ2020年11月に署名された自由貿易協定のことで、ASEAN加盟10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と、そのFTAパートナー5カ国(オーストラリア、中国、日本、ニュージーランド、韓国)合計15カ国が署名し参加しているものです。
世界のGDPの約3割をカバーする大きな経済圏となることからその経済効果が期待され、注目が集まりました。
RCEP協定では農林水産品や工業製品などを中心に関税の減免(特恵関税)を規定、その関税撤廃率は全体で91%にのぼると言われています。またその他、輸出入手続きの簡素化、電子商取引などのルール整備などさまざまな分野についても定められています。
この協定は2022年1月1日に運用開始されましたが、2022年6月30日に開催されたRECEP合同委員会にて2022年版の統一システム(HS2022)により置き換えた品目別規則(PSR, Product- Specific Rules)と運用上のガイドラインの改定が採択されたことにより、2023年1月1日から各締約国は新たにHS2022により置き換えた「HS2022版 品目別規則(PSR)」に基づく運用を開始しています。
【今回の告示内容】
≪「関税局告示第84/2566号 地域的な包括的経済連携(RCEP協定)に基づく関税の減免基準と手続き (第7号)」≫
この告示は2023年6月2日にフィリピンのRCEP協定が発効されることとなった旨を通達、RCEP協定発効国のリストをアップデートしたものとなっています。これにより、フィリピンを含むRCEP協定締約の輸出国から輸入される原産品は同協定に基づく特恵税率を適用し、関税の減免を求めることが可能となりました。RCEP協定発効の流れは以下の通りです。
2022年1月1日:日本、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム、オーストラリア、中国、ニュージーランド(10か国)
2022年2月1日:韓国
2022年3月18日:マレーシア
2023年1月2日:インドネシア
2023年6月2日:フィリピン
≪「外国貿易局(DFT)告示 地域な包括的経済連携(RCEP協定)に基づく原産地証明書の発行」≫
フィリピンのRCEP協定が発効されることを受け、外国貿易局(DFT, Department of Foreign Trade)が改めてRCEP発効国向けの輸出品にかかるRCEP協定原産地証明書(フォームRCEP)の発給に関する内容をまとめたものです。この告示により、これに関連する既出の告示6件は廃止となりました。主な内容は以下の通りです。
■フォームRCEPに関し、2023年6月2日から12月31日まではこの告示の巻末添付イに従うこと、2024年1月1日以降は巻末添付ウに従う旨を義務付けています。なお、フォームRCEPは発給日より1年間有効となります。また、この告示ではフォームRCEPの記入の仕方について詳細が説明されています。
■品目別規則(PSR, Product- Specific Rules)について
RCEP協定に則り輸出する場合、品目別規則(PSR)を確認することが求められますが、この告示に巻末添付エとして「HS2022版 品目別規則(PSR)」が添付されています。また、この「HS2022版 品目別規則(PSR)」に補足資料として今回RCEP協定が発効されたフィリピンも含んだ国別の関税差が添付されていますので、この確認も重要となります。
※税率差が発生する品目の場合、輸入する原産品の種類や輸出国により適用される関税率が異なる場合があり、迂回輸入(低い税率が適用される締約国を意図的に経由して輸入すること)発生を防ぐルールがRCEP協定第2.6条第3項“関税差”により定められています。
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