再生可能エタノールの輸入に対する遡及監視措置の実施について
2023年09月15日、欧州委員会は欧州官報にて燃料用再生可能エタノールの輸入に関する遡及監視措置を導入する実施規則を公布しました。本規則は欧州官報の掲載日に発効し、3年間有効となります。
背景
■EU内のエタノール生産者が直面している輸入製品による危機
規則(EU) 2015/478第10条及び規則(EU)2015/755第7条では、ある製品の輸入動向がEU内の生産者に悪影響を与える可能性がある場合、監視措置を導入できると定められています。
EUにおけるエタノールの輸入量は2021年から2022年にかけて80%以上増加しており、大きな生産量を持つブラジルとアメリカからの輸入価格はEU産の価格よりも15%以上低い傾向にあります。
輸入の増加によって、市場におけるEU産エタノールの市場シェアが10%減少しています。
再生可能エタノール燃料(バイオエタノール)の輸入に関する遡及監視措置は、2020年11月に規則(EU)2020/1628によって2022年11月に導入されました。2021年には再生可能エタノール燃料の輸入が減少したため、当時は措置の延長は行われませんでした。
しかし、近年のエタノール燃料に関する輸入動向やアメリカとブラジルが有する大規模な生産能力を踏まえると、EU内の再生可能エタノールの生産業者に対する悪影響が今後大きくなる恐れがあります。
2021年第4四半期以降、ほとんどの経済指標の悪化しており、EU内の生産者が損害を被っていることを示しています。
そのため、公式な輸入統計の公表が行われる前に、EUの再生可能エタノール燃料の市場が直面している変化を明らかにするための統計情報を提供する必要があります。
よって、再生可能エタノール燃料の輸入は監視の対象とすべきです。
また、輸入の動向を適切に監視するため、3年間は実施する必要があります。
概要
■監視の対象
監視対象となるのは、農産物から生産された再生可能エタノール燃料です。
なお、水分含有率が0.3%(質量比)を超えない製品は除きます。
また、対象の範囲は燃料用途向けの再生可能エタノールに限られるため、合成エタノールや工業用や飲料用の再生可能エタノールは含まれません。
■発効日等
本規則は、欧州官報の掲載日に発効し、有効期間は3年間です。
本規則は全てのEU加盟国に対して拘束力を有しており、直接適用されます。
目次
■第1条
※監視の対象となる製品及び分類について規定しています。
■第2条
※発効日や適用期間等を規定しています。
■付録 遡及監視監視の対象となる製品の一覧
関連法令概要
■規則(EU)2015/478
EUの輸入に関する共通ルールを定めたものです。製品が自由に輸入されるべきであるというEUの運用原則に基づき、輸入における透明性の確保を図っています。また、EUの生産業者にデメリットをもたらす可能性のある製品に対する保護措置の適用に関する調査及び監視の手続きについても規定されています。
■規則(EU)2015/755
特定の非EU国からの輸入に関する共通ルールを定めたものです。ベラルーシ、北朝鮮、トルクメニスタンなどを対象としており、EU内の生産業者に深刻な害をもたらす可能性がある輸入に対する保護措置と監視について規定されています。
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