バイデン・ハリス政権の下、EPAは鉛管から飲料水へ鉛が入らないようにするための、鉛・銅規則の強化を提案
2023年11月30日、米国環境保護庁(EPA)は、全国の水道施設に対し10年以内に鉛製給水管を取り替えることを義務付ける鉛・銅規則の強化案を発表しました。この提案は、鉛管の100%撤去というバイデン大統領の目標達成に沿った形で提案されています。鉛製の水道管などに関わる事業に影響が及ぶ可能性があります。規則案が連邦官報に掲載された時点より、60日間、一般からの意見が受け付けられます。
背景
鉛は、採掘および製錬が比較的容易なことから安価な金属として使用されていました。しかし、鉛は急性毒ではないものの、少量ずつの摂取でも体内に蓄積されると慢性中毒を起こします。小児の場合は心身の発達、特に脳にダメージを与える可能性があります。成人の場合は血圧上昇、心臓病、腎臓機能低下、癌を引き起こす可能性があります。このため、バイデン・ハリス政権は、鉛管とその塗料行動計画を実施しており、今回の鉛・銅規則の改定はその中心的な取り組みとなっています。バイデン・ハリス政権では、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)に基づいて、国家の飲料水および廃水インフラの改良のために500億ドルの投資を決定しており、鉛製給水管の所在地リストづくりやその交換と技術支援にはこのうちの150億ドルが投資される予定です。
注目すべき内容
米国環境保護庁(EPA)は、飲料水に含まれる鉛の悪影響から子どもや社会的弱者、特に恵まれない地域に住む国民を守ることを目的に、米国全土の水道施設に対し、10年以内に鉛製給水管を取り替えることを義務付ける鉛・銅規則の強化案「鉛・銅規則の改善(Lead and Copper Rule Improvements、LCRI)」を発表しました。 また、鉛規制値の引き下げや、水道局が行う水質調査方法の改善なども提案しています。提案の主な条項は以下の通りになっています。
- 10年以内に、鉛管交換100%を達成
提案されているLCRIは、10年以内に古く腐食している可能性のある鉛管のリストを作成して鉛製給水管を取り替えることを義務付けています。水道局は、2024年10月16日までに鉛製給水管の最初のリスト作りを作成し申請する必要があります。また、提案されているLCRIの下では、すべての水道システムは、定期的に水道管の在庫を更新し、交換計画を作成し、その材質を特定する必要があります。
- 水道水の検査方法の改善
提案されているLCRIでは、水道局が蛇口より回収した水道水の検査方法を変更しています。具体的には、水道局は、鉛の配水管がある場所で1リットル目と5リットル目のサンプルを採取し、規則への準拠を判断する際に、2つの値のうち高い方を使用することが義務付けられています。
- 鉛に対する基準レベルの引き下げ。
EPAは、鉛の基準値を15 µg/Lから10 µg/Lに引き下げることを提案しています。サンプル採取においてこの基準値を超えた場合、その内容は公表されて鉛への暴露を減らすための措置が講じられると同時に、鉛管の交換計画が求められます。具体的には、飲料水に溶出する鉛を減らすために、腐食防止処理の設置も行われます。
- 鉛からの暴露を減少させる保護政策を強化
基準値を超えた鉛レベルを持つ水道施設は、すべての水道利用者に、鉛を削減するフィルターを提供することが義務付けられます。
EPAは、提案の施行に際して、資金のみならず、技術支援や実用的な実施ツールの支援も行う予定です。例えば、EPAの水道技術支援(WaterTA)により、全国200か所の地域社会と提携して、鉛管の特定、交換計画の策定、鉛除去資金の申請などを支援します。また、EPAは、研修、ツール、ウェビナー、事例研究を通じて、飲料水システムの鉛曝露削減を支援する予定です。
規則案が連邦官報に掲載された時点より、EPAは60日間、一般からの意見を受け付けます。さらに、2024年01月16日に公聴会を開催し、その際にも参加者より口頭での意見を求めます。
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