USPTOの特許性に対する評価にAIの普及がどのような影響を与えるかについて、一般からの意見を募集
2024年04月30日、米国特許商標庁(USPTO)は、AIの使用が特定の発明の知的財産権(IP)取得について判断する際にどのような影響を与えるかについて、一般からの意見を求める意見募集を発表しました。これに関する回答や意見を、2024年07月29日まで募集しています。この内容はIPの取得を目指すすべての事業主に影響が及びます。
この意見募集の背景と概要
人工知能(artificial intelligence、AI)の能力拡大と普及は、作品・製品に発明性と創造性を与えて、莫大な社会的・経済的利益をもたらす可能性を秘めています。しかし、同時に各国の知的財産(intellectual property、IP)に関する政策に新たな課題ももたらしています。米国では、特許商標庁(United States Patent and Trademark Office、USPTO)のAI and Emerging Technologies Partnershipチームが、AI使用による発明の発明者資格、主題適格性、その他の特許性に関する考慮事項など、AIとIP政策が抱える問題について、発明者やAIの専門家と一緒に取り組んでいます。
近年、USPTOは、AI技術にサポートされている発明の発明者やUSPTOの審査官、司法委員会、および一般市民に対して、「USPTOへの出願やその他の提出書類の作成におけるAIの使用に関するガイダンス」や「発明資格に関するガイダンス」を発表しています。さらに今後、「著作権とAIに関する行政措置の勧告」、「AIと主題性の関係についてのガイダンス」を発表する予定です。
今回、USPTOは、AIの能力拡大と普及が発明・特許に対するUSPTOの評価に、どのように影響するかについて、一般からの意見を募集することを発表しました。
募集する内容
USPTOでは、以下の15の質問内容についての意見・回答を募集しています。
- 先行技術に対するAIの影響について
- 先行して開示されているヒト(person)による著作又は公表品は今後のヒトが影響していないAIによる品にどのような影響を与えているのか?影響があるとすれば、先行して開示している技術に対してどのような影響を及ぼすか?
- AIが生成した著作などにはどのような種類があるか?現在どのように公開されているか?公開する方法にはどのようなものがあるか?
- 発明行ったヒトである当事者(person having ordinary skill in the art、PHOSITA)がAIにより作成されたと知っている印刷刊行物又はその他の文章を米国の政府機関に提出した場合、PHOSITAはその事実をUSPTOに通知すべきか?AIにより作成されたか否かを判断する義務がPHOSITAにある場合、どのような義務があるか?
- AIが生成し開示された発明は、先行技術として、非AI(例えば、ヒト)が生成・開示した発明とは異なる扱いを受けるべきか?異なる扱いは、例えば、この発明のヒトへの依存度に影響を受けるべきか?など。
- AIが生成した先行技術の量が、発明の特許性に問題を生じさせるとすれば、それはどの時点か?
- AIが発明の当事者(PHOSITA)に与える影響について
- PHOSITAにおける「ヒト」という用語は、人間であることを前提もしくは要求するか?ツールとしてのAIを利用した場合、PHOSITAの技術レベルの評価にどのような影響を与えるか?
- USPTOは、どのAIツールが一般的に使用されているか、またPHOSITAがどのAIツールを使用しているか、についてどのような方法で推定・判断すべきか?
- PHOSITAがAIツール利用する過程や内容はUPSTOの判断に影響するか?
- PHOSITAがAIツールを利用できることを考慮に入れてUPSTOが判断するとしたら、影響がある場合とはどのような時か?
- AIモデルを訓練するために使用された情報やAIモデルによって取り込まれた情報の新規性が、PHOSITAの評価に影響するとすれば、どのように影響するか?
- PHOSITAがAIをツールとして利用できるかどうかは、UPSTOの実施可能性の判断にどのような影響を与えるか?例えば、発明の実施可能性を証明するための実験は合理的に必要か?
- 審査ガイダンスの更新や法改正を必要としうるAIの影響について
- UPSTOによる特許性判断にAI普及が与える影響について、USPTOからどのようなガイダンスがあれば有用か?
- 上述の検討事項に加え、AI普及が米国の政府機関による特許性判断に影響を及ぼすとすれば、他にどのような点があるか。
- 他国で、上記の質問のいずれかに効果的に対処している法律や慣行があるか?
- ここで記載されている検討事項を考慮するために、合衆国法典の35章(title 35 of the U.S. Code)の内容を改正すべきか?
USPTOでは、今回の募集で得られた回答や情報を、AIの使用に関する更なるガイダンスの評価や策定、さらに法廷での活動や議会への技術的助言などに使用する予定です。2024年07月29日までに回答を提出する必要があります。
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