EPA、二次NAAQS基準における年間二酸化硫黄(SO2)基準を変更
2024年12月27日、環境保護局(EPA)は、窒素酸化物(N酸化物)、硫黄酸化物(SOX)、粒子状物質(PM)の生態への影響に関する大気質基準(air quality criteria)である二次国家環境大気質基準(二次NAAQS)の見直しを行い、現行の二酸化硫黄(SO2)二次基準を改定しました。二酸化硫黄(SO2)の二次基準値において、連続する3年間の値を平均した年間平均値を10 ppb(parts per billion)となるように、現行内容を改定しました。また、EPAは、N酸化物および粒子状物質(PM)に関する現行の二次基準を改定せずに維持することを決定しました。
最後に、EPAは、SO2のNAAQSの二次基準に対するデータ取り扱い要件の改定を確定しました。米国で、SO2を排出する工場などの排出源を持つ事業体は注意が必要です。この最終規則は2025年01月27日に発効します。
国家環境大気質基準(NAQQS)とは
米国の大気浄化法(Clean Air Act、CAA)では、国家環境大気質基準(national ambient air quality standards、NAQQS)が設けられ、大気汚染物質である、二酸化硫黄、二酸化窒素、粒子状物質(particulate matter、PM)、地上オゾン、一酸化炭素、鉛の6物質が規制されています。NAAQSでは、これら6物質に対する一次基準(人々の健康を保護することを目的とする基準、一次NAAQS)と二次基準(環境や建物への悪影響を防ぎ、それにより人々の快適な生活を保護することを目的とする基準、二次NAAQS)が設けられています。
環境保護局(Environmental Protection Agency、EPA)は、各州に対して、NAAQS基準を達成するための州実施計画(State implementation plan、SIP)を策定し、排出制限値や遵守スケジュールなどを盛り込むことを義務付けています。さらにEPAは、各州に対して、NAAQSを達成している(達成地域)もしくは未達成地域の分類も義務付け、これら地域で新規施設の建設あるいは既存施設の拡張が行われる場合、大気質を維持できるような対策をSIPに盛り込むことも義務付けています。このため、施設、工場などの排出源を持つ事業者は、NAQQSに基づいたEPAまたは各州の規制により、工場や施設の建設前に新規排出源としての許可の取得やその後の排出に関する報告などの義務が生じます。
この最終規則の背景
硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(N酸化物)、および粒子状物質(PM)に関する二次NAAQSの見直しを行うにあたり、EPAは、SOX、N酸化物、PMの影響を評価し、定量的な大気質、沈着、リスクに関する分析を行いました。今回の最終規則の内容は、総合科学アセスメント(Integrated Science Assessment、ISA)における利用可能な科学的証拠の特徴、政策アセスメント(Policy Assessment、PA)に示された定量的で政策的分析および関連分析、大気浄化科学諮問委員会(Clean Air Scientific Advisory Committee、CASAC)からの助言、決定案に対する一般からの意見に基づいています。
この最終規則の内容
大気浄化法(CAA)§108および§109では、EPAに対し、大気質基準の根拠となる科学的根拠および基準そのものを定期的に見直すよう求めています。今回EPAは、SOX、N酸化物、およびPMの二次NAAQS基準の見直しを行い、最終規則としました。具体的には、以下の見直しがありました。
- SOXであるSO2の二次基準における、連続する3年間の値の平均値を10 ppb(parts per billion)とする
- N酸化物とPMの二次基準については、現行の値を維持する
- 現行のSO2の二次基準において示されている、大気中の3時間の値の平均値については、SO2の既知または予測される悪影響から公共の福祉を守るためには必要ないものとし、削除する
- 変更された基準の内容を含めるために、パート50の附表Tにおけるデータ取り扱い要件を改定する
この最終規則では、SO2の年間基準の調査とそれを行うネットワークの妥当性についても記述されています。さらに、新しい基準の実施プロセスについても記載されました。具体的には連邦規則集40巻(40 CFR)パート50「国家一次および二次環境大気質基準」の§50.21「硫黄酸化物(SO2)の国家環境大気質二次基準」と附表T「硫黄酸化物(SO2)の一次および二次国家環境大気質基準の解釈」の内容が変更となっています。この最終規則は2025年01月27日に発効します。
参考情報
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など