2023年4月7日、中国税関総署(GAC)は、「輸入危険化学品検験監督管理の更なる強化に関する公告(2023年第29号)」を公布し、2023年4月13日より、中国全土で輸入危険化学品に対して、「港での書類審査+港での実物検査または最終目的地での実物検査」方式を実施することを発表しました。税関は輸入される危険化学品の性質や包装形態に応じて、実物検査を実施する場所と割合を決定していきます。
背景
輸入危険化学品に対する実物検査は税関に大きな負担を掛けており、通関の効率アップを妨げる一つの原因にもなっています。また、危険化学品は通関待ちの状態で港区の倉庫内に大量滞留することは、港全体の安全リスクを高めています。この問題を解決するために、上海税関は去年11月にGACの指示の下、2022年12月から3ヶ月に及ぶ輸入危険化学品に対する検査方式の改革試行を開始することを宣言しました。その後、さらに1ヶ月間を延長ました。また、広州税関も今年1月16日から同じ試験運用を開始しました。これらの運用実績と経験を基にGACは今回の全国展開を決定しました。
具体的な要件
輸入危険化学品の荷受人またはその代理人は、税関で申告する際、中国国際貿易単一窓口(通称:シングル窓口)を通じて、以下のような特定の情報を正直に記入する必要があります:
- 貨物の属性;
- CIQコード(中国税関検査・検疫コード);
- 危険有害性分類;
- UN番号;
- 包装種類;
- 国連パッケージシンボル;
- 仕向地の検査・検疫部門など。
それ以外、GAC公告2020年第129号-「輸出入危険化学品及びその包装の検査監督管理の関連問題に関する公告」に基づき必要とされる資料も提出する必要があります。例えば:
- 輸入危険化学品企業適合声明;
- 抑制剤、安定剤が含まれている場合は、その名称、量等の情報;
- 中国語のラベルとSDS(バルク品を除く)。
輸入危険物質の荷受人またはその代理人は、税関での申告後、速やかに単一窓口で検査通知書を確認する必要があります。
検査方式の改革の詳細については、前回のChemLinked Japan記事「上海 輸入危険化学品に対する検査方式の改革、2月1日から上海全税関に拡大」もご参照することができます。
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