今まで公表された関連規定を全て統合したもの
2023年10月06日、高速道路局は国道沿道の休憩施設に関する規律を官報公布しました。この規律は官報公布日の翌日である2023年10月07日より発効となり、これにより関連事項を定めた既出の告示や規則、規律、命令などの全てが廃止され今回発出された規律に統一されます。
参考:タイ国内の交通インフラについて
近年輸送コストの削減や交通渋滞の緩和のため、旅客・貨物ともに鉄道輸送の開発に力が注がれる傾向があるものの、タイ国内の交通インフラにおいて、鉄道輸送網は依然として開発と整備の遅れにより整っていない状況にあります。そのため、道路輸送網が国内の主要都市を繋ぐ重要な交通インフラであり、地方の経済発展の促進も踏まえた様々な高速道路建設プロジェクトが現在も進められています。今回の規律はそのような状況下において発出されました。
今回公表された規律の内容
今回公表された規律の構成と主な内容は以下の通りです。
第Ⅰ章:総論
タイ国内における国道沿道の休憩所は、下記3種類に分類される旨が述べられています。
休憩・サービスセンター(Rest and Service Center)
-30台以上駐車できるスペースが確保されている大規模サイズの休憩所のこと。休憩・サービスセンター、もしくは休憩・サービスエリアから概ね60kmから100km間隔で設置されています。
休憩・サービスエリア (Rest and Service Area)
-20台以上駐車できるスペースが確保されている中規模サイズの休憩所のこと。休憩・サービスセンター、もしくは休憩・サービスエリアから概ね60kmから100km間隔で設置されています。
駐車・休憩エリア(Park and Rest Area)
-5台以上駐車できるスペースが確保されている小規模サイズの休憩所のことです。
第Ⅱ章:工学規定
■休憩施設の建設と設計における一般的工学規定について、13項目に渡って定めています。内容の抜粋は以下の通りです。
▪主要高速道路上の建造物の建設、駐車スペース、各サービス施設には緩衝地帯(Buffer Zone)を設けなければなりません。
▪建物は国際基準、もしくは高速道路局が承認した基準に準じた、耐荷重性、耐震性、耐風性を備えた設計のものでなくてはなりません。
▪建物のデザインは現地の風土に適し、エコフレンドリーかつ省エネ、そして光を反射してドライバーや近隣の住人に影響を与えないような安全基準を有しており、提供するサービスや設備の特徴を踏まえ、休憩施設の運営のためにのみ設計されたものでなければなりません。
■休憩施設内の全ての通路に関し、通路全体が品質の高い素材で舗装されていなければならないこと、安全面を考慮し、施設内の制限速度は時速20km以下と規定することなど、8項目に渡って定められています。
■他、施設内の照明やトイレ、出入口など、施設の設備に関する工学基準が設定されています。
第Ⅲ章:設備とサービスに関する規定
■各施設ごとに最低限整えるべき設備とサービスを明記しています。
休憩・サービスセンター(Rest and Service Center)
-少なくとも最初の4時間は無料の、全種類の車種が駐車可能なスペース
-24時間無料で使用可能なトイレ、その他関連設備
-屋内席と緑地
-飲食の提供場所
-交通及び走行ルートの情報サービス提供
-ガソリンスタンド
-車の重量を検査するスペース
-電気自動車の充電ステーション
休憩・サービスエリア (Rest and Service Area)
-少なくとも最初の4時間は無料の、全種類の車種が駐車可能なスペース
-24時間無料で使用可能なトイレ、その他関連設備
-屋内席と緑地
-飲食の提供場所
-交通及び走行ルートの情報サービス提供
-車の重量を検査するスペース
駐車・休憩エリア(Park and Rest Area)
-屋内席
-飲食の提供場所
-サービスと環境のための緑地
■上記以外の設備は、あくまでも高速道路を走るドライバーのためが休憩し疲れを取るためのものでなければなりません。
■休憩所周辺の安全確保のため、防犯カメラなど、防犯システムを設置することが義務付けられます。
参考情報
「高速道路局規定 国道沿道の休憩所の基準と特徴」2023年10月06日官報公布、10月07日発効(2023年09月07日発出)
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