米国|EAR全体の重要品目(SI)ライセンス要件の範囲を揃えるための修正とライセンス例外の戦略的貿易認可(STA)の修正
2021年ワッセナー協定の決定の実施
2023年2月24日、商工安全保障局(BIS)は、輸出管理規則(EAR)の一部として、商務省が管理している商務管理リスト(CCL)の改定、EAR全体で重要品目(SI)ライセンス要件の範囲を調整するための修正、およびライセンス例外の戦略的貿易承認(STA)の改訂を行い、最終規則としました。この改定の一部は2023年2月24日より発効され、残りは3月14日より発効されます。ここでは、「ワッセナー協定とは」「今回の最終規則の背景と内容」について記事になっています。
ワッセナー協定とは:
2021年12月、通常兵器および軍民両用品および技術の輸出管理に関するワッセナー協定(Wassenaar Arrangement、WA)の本会議が行われました。
ワッセナー協定で、参加国は
(1)通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の移転に関する透明性の増大及びより責任ある管理を実現し、それらの一極集中を防ぐことで地域及び国際社会の安全と安定に寄与する
(2)グローバルなテロとの闘いの一環として、テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する
という2つの目的を確認しました。
ただし、ワッセナー協定は、法的拘束力を有する国際約束に基づく枠組みではなく、通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の供給能力を有し、かつ不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申合せとして存在しています。
参加国は、以下の米国を中心とした西側諸国42か国です。
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド(2017年12月)、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国、米国
ワッセナー協定では、
(1)機微な関連汎用品および
(2)通常兵器やその技術について
技術移転の際に参加国内で情報交換と通報、年2回の報告を行うことを約束しています。
(1)(2)の品目は以下になっています。
(1)汎用品・技術リスト:先端材料(超伝導材料、セラミック等)、材料加工(工作機械、ロボット等)、エレクトロニクス(集積回路、半導体等)、コンピュータ、通信関連(ケーブル、暗号装置等)、センサー・レーザー(ソナー、暗視センサー、レーダー等)、航法装置(ジャイロスコープ、GPS等)、海洋関連(潜水艇、水中用ロボット等)、推進装置(ロケット推進装置、無人航空機等)。
(2)兵器リスト:22項目にわたって通常兵器等を全般的に網羅したリスト。
今回の最終規則の背景と内容:
2018年の輸出管理改革法により、商工安全保障局(Bureau of Industry and Security、BIS)は商務管理リスト(Commerce Control List、CCL)を作成し、そのリストをもとに規則を施行することになっています。2022年8月15日、商工安全保障局は、2021年12月に行われたワッセナー協定でリストに上がった新興技術などの4つの技術を商務管理リストに追加し、輸出入を管理する最終規則を公表しました。
しかし、この最終規則ではワッセナー協定で約束されたことの一部を取りこぼしていました。そこで、今回、ワッセナー協定の本会議で合意された残りの内容が最終規則となりました。具体的には、ワッセナー協定の本会議で参加国が決定した前項の管理リストに従い、商工安全保障局は商務管理リストの1部を改正しました。
例えば、EDNA(エチレンジニトラミン)が爆発物としてCCLに追加されました。また、高温で動作するガスタービンエンジン、タービン、排気部分の中で、重要項目(Significant Item、SI)として含まれる項目を修正しました。
さらに、ライセンス例外(Adjusted Peak Performance、APP)を修正して、外国人向けの「テクノロジー」および「ソフトウェア」のみなし輸出のAPP適格レベルを引き上げました。
この改定の一部は2023年2月24日より発効され、残りは3月14日より発効されます。
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