米国|クリソタイルアスベストに対する規則案を公表
EPA、クリソタイルアスベストに関する特定使用条件の規制、データ提供の通知に関しての意見募集
2023年3月17日、環境保護庁(EPA) は、アスベストリスク評価その1の規則案に関連してEPA が受け取った追加データとして、TSCAに登録されているクリソタイルアスベスト使用を禁止する日付についてのコメントを公開しました。今後のこの規則案に対してさらに意見募集を行います。ここでは「クリソタイルアスベストとは」「背景」「内容」について記事になっています。
クリソタイルアスベストとは:
クリソタイルアスベスト(ホワイトアスベストとも言う)は、最も一般的に使用されているアスベストの形態で、米国のアスベストの約95%を占めています。クリソタイルとは、フィロケイ酸塩の蛇紋岩サブグループの柔らかい繊維状のケイ酸塩鉱物で、化学式はMg3(Si2O5)(OH)4です。この材料は、強度と耐熱性をもつことから建築材料として広く使用されてきました。また、ウレタン、化学品、セメント、重曹、苛性ソーダ、など塩の電気分解でつくられるクロールアルカリ製品の製造や漏れを防ぐために使用するシート状のシール材(シートガスケット)の原料など各種化学製品の基礎原料などでも幅広く使用され、私たちの生活とも密接に関連しています。しかし、ほぐれた繊維状の物質が空気中に分散され、人間が吸入すると胸膜異常、腹膜中皮腫、および肺がんを誘発し、深刻な健康上のリスクをもたらすことが知られています。そのため、EUでは、クリソタイルおよびクリソタイルを含む製品のマーケティングと使用はすでに禁止されています。
背景:
2022年4月12日、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、有害物質規制法(Toxic Substances Control Act、TSCA)の第6条(a)に基づき、アスベストのリスク評価その1において評価されたアスベストの使用条件において、クロールアルカリ産業で使用されるクリソタイルアスベスト製のダイヤフラム(調節弁)と化学製品製造に使用されるクリソタイルアスベスト含有のシートガスケットの製造、輸入、加工、商業での流通、商業利用を、最終規則の公表後60日である発効日の2年後から禁止することを提案しました。このアスベストのリスク評価その1では、調節弁もしくはシートガスケットとしての用途のクリソタイルアスベストの禁止遵守日の案において「実行可能な限り速やかに」とし、最終規則の発効日から5年後までに既存化学物質暴露限界値(Existing Chemicals Exposure Limit、ECEL)および関連モニタリングと記録管理の要件の順守が含まれていました。
その後、EPAは「アスベストダイアフラムを使用するクロールアルカリの製造プラントが非アスベスト技術に移行した場合、以降に必要な時間」「市場価格などの経済に及ぼす潜在的な影響」などに関して、意見募集を行いました。その結果、アスベスト疾患啓発機構(Asbestos Disease Awareness Organization、ADAO)からは「実行可能な限り速やかに」ということに対して賛成意見がでたものの、ドイツやカナダでは「1つの製造プラントを変換するのに10年以上の月日が必要であった」という例もあり、2年間という制限期間は移行時間としては短すぎるという意見が多数でした。また、この禁止により塩素などの価格変動が起こった場合の経済への影響は大きい、という意見もでました。。また、クリソタイルアスベスト含有シートガスケットの使用に関しても、クリソタイルアスベスト含有シートガスケットから非石綿シートガスケットへの移行をするために、特に二酸化チタン製造工場が他の製造者とは異なる技術的考慮事項を持っているので、同様に2年間は移行期間としては短いとの意見が出ました。加えて、利害関係者からのコメントとして、クリソタイルアスベストダイアフラムの商業的使用が禁止される前の暫定期間中にアスベストECELに準拠するための測定方法についての議論も含まれていました。
内容:
EPAは、今回の規則案に対しての意見募集を行っています。特に、EPAは、禁止開始日やその日程の変更、クリソタイルアスベスト製のダイヤフラム(調節弁)と化学製品製造に使用されるクリソタイルアスベスト含有のシートガスケットの加工、商業における流通および商業使用の禁止のより長い期限の設定に関してのコメントを求めています。EPAはまた、既存の測定方法について新しい情報も求めています。コメントは2023年4月17日までです。
参考:
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