2023.08.04
米国|国家石油および有害物質汚染緊急時計画:製品スケジュールリストと使用許可要件
油の排出に対応する際の分散剤や流出緩和物質などの有効性と毒性試験の要件に関する最終規則
2023年6月12日、環境保護庁(EPA)は、米国の管轄水域への油の排出に対応する際の分散剤、その他の化学物質、およびその他の流出緩和物質の使用を管理する、国家石油および有害物質汚染緊急時対応計画(NCP)のサブパートJの要件を修正し、最終規則としました。
ここでは、この最終規則の「背景」「内容」について記事になっています。
背景
2010年4月、ディープウォーター・ホライズン海底油井の爆発事故は、メキシコ湾に大量の原油を流出させました。この時、分散剤の有効性や毒性、環境への影響、および典型的ではない分散剤使用を余儀なくされた対応作業において、分散剤をどのように使用するかを意思決定する場合の課題が多く露見しました。
ディープウォーター・ホライズン原油流出事故により、BPディープウォーター・ホライズン原油流出事故と海洋掘削に関する国家委員会報告書(National Commission on the BP Deepwater Horizon Oil Spill and Offshore Drilling Report)と題する環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)の監察総監の報告書が発表され、国家非常事態計画(National Oil and Hazardous Substances Pollution Contingency Plan、NCP)の改訂が必要であるとされました。
今回の措置は、このような原油の流出事故から地域住民の健康および環境に対するリスクを低減するために、幅広い視点と科学的情報を提供する81,000件を超えるコメントを受領したことを考慮して、行われています。
これにより、分散剤およびその他の化学的および生物学的薬剤の有効性および毒性、ならびにそれらの使用に関する公的、州、地方、および連邦当局の懸念に対処しています。
具体的には、本改正により、現場調整官(On-Scene Coordinators、 OSC)、地域対応チーム(Regional Response Teams、RRT)、地域委員会(Area Committees、 AC)が、分散剤などの使用許可の決定のための十分な情報を確実に入手できるようにすることが意図されています。
また今回の措置で、より安全で効果的な流出緩和製品や流出への対応技術の開発が奨励されることも期待されています。
内容
NCPの製品スケジュールのサブパートJの規制要件を大まかに2か所について修正しています。
第一に、NCP製品の新たなリスト基準を追加し、有効性および毒性試験プロトコルを改訂し、認定スケジュールから製品を削除する際の評価基準を明確化しています。
具体的には、NCP製品スケジュールに「データと情報の要件」、「掲載資格を決定するための毒性データの使用」、「新しいNCP製品スケジュールへの製品の移行」「掲載解除のプロセス」「専有事業情報(Proprietary Business Information PBI)」などを新たに掲載しました。
これにより、分散剤と生物学的薬剤の実験室における試験の改善が行われ、科学的根拠に基づいてデータが収集されることが期待されます。つまり、実験室試験で効果的に機能する製品のみが、今後油流出の影響を緩和するために使用されるNCP製品リストに掲載されることになります。
第二に、水質浄化法(Clean Water Act、CWA)311条が管轄する水域および隣接する海岸線への油流出に対応するため、化学物質または生物製剤を使用する際の要件が改正されています。
具体的には、特定の規制定義を追加、修正、または削除し、薬剤使用の承認に関連する要件である事前承認計画の策定、承認、および審査、禁止薬剤、保管、薬剤の使用、回収、および使用の報告などの要項を更新しています。
この最終規則の影響を受ける事業者には、油流出対策として使用される生物学的薬剤、分散剤、表面洗浄剤、固化剤、ハーディング剤、吸着剤の製造業者(約90社)が含まれています。この最終規則は2023年12月11日に発効します。
参考
国家石油・有害物質汚染緊急時計画:製品スケジュールリストと使用許可要件
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など