労働者の性別の格差、病気療養、労働組合の組織やその団体交渉権についての法案
2023年6月19日、上院の保健、教育、労働、年金(HELP)委員会は、6月21日に一連の労働法改革の最終折衝を行うことを発表しました。給与の公正的な分配に関する法令など3つの労働に関する法令について、折衝を行います。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景
上院の保健、教育、労働、年金(U.S. Senate Committee on Health, Education, Labor, Pension、HELP)委員会は現在、民主党のバーニー・サンダース委員長が率いています。委員会のランキングメンバー(共和党側のリーダー)は、ビル・キャシディ医学博士です。委員会は21人の上院議員で構成されており、11人が民主党員で、10人が共和党員です。
この委員会は、米国の医療、教育、雇用、退職政策を幅広く管轄する3つの小委員会で構成されています。
- 委員会では
- 「教育、労働、保健、公共の福祉に関する施策」
- 「老化」
- 「農業大学」
- 「芸術と人文科学」
などに加え
- 「生物医学の研究開発」
- 「児童労働」
- 「雇用機会均等」
- 「障害を持つ人」
- 「労働基準と労働統計」
- 「労働争議の調停および仲裁」
- 「私的年金制度」
- 「公衆衛生」
- 「外国人労働者の規制」
- 「学生ローン」
など様々な問題に関する法令について議論しています。
今回、この委員会では、米国において「賃金と労働時間の格差により所得と富が不平等に分配されている」と考え、労働者階級の立場に立った法令を可決する意思を示しました。
内容
今回、委員会が改正を提案し、提出の有無を可決する法案は次の3つです。
1.給与公正法(Paycheck Fairness Act):性別に基づく賃金差別に対処する法案です。
具体的には、
- (a)賃金差別の主張において、性差以外の要因に基づくものであるという雇用主の抗弁を職務関連の要因のみに限定する
- (b)報復禁止を強化する
- (c)被雇用者の賃金に関する情報を開示することを禁止する契約書や権利放棄書に被雇用者が署名することを要求することを違法とする
- (d)同一賃金規定違反に対する民事罰の強化
などです。
さらに、雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission、EEOC)および連邦契約コンプライアンス・プログラム局は、EEOC職員およびその他の影響を受ける関係者に対し、賃金差別に関する研修を行わなければならない、としています。
この法案は労働省に対しても女性プログラムの設立や男女間の賃金格差の調査などを指示しています。また、EEOCに対し、賃金差別を禁止する法律を執行するために、雇用主から従業員の性別、人種、国籍に応じた報酬やその他の雇用データを収集するための規則を発行することを義務付けています。
2.健康家族法(Healthy Families Act):労働者の病欠での有給について対処する法案です。現在までは被雇用者が病欠した場合有給ではありません。しかし、この法案では被雇用者が雇用主から最大7日間の有給病欠を受け取ることを保証しています。
3.PRO法(Richard L. Trumka Protecting the Right to Organize Act of 2022):労働者の組合に加入、団体交渉権に関して対処する法案です。
具体的には
- (a)従業員、監督者、使用者の定義を改正し、公正労働基準の対象となる個人の範囲を拡大する
- (b)労働団体が、別の労働団体に代表される従業員によって開始されたストライキ(すなわち二次ストライキ)への組合員の参加を奨励することを認め、雇用主がそのような二次ストライキを実施する組合に対して何らかの要求をすることを禁止する
- (c) 不当労働行為を拡大し、ストライキに参加する労働者の交代や差別の禁止、さらに全従業員が団体の代表のための費用を労働団体に拠出するよう要求することを認める
- (d)組合加入を阻止するための雇用者集会への出席を従業員に要求または強制することを不当労働行為とし、従業員が集団訴訟や集団訴訟への追及権や参加権を放棄するような合意を雇用者が従業員と結ぶことを禁止
- (e)組合代表選挙の手続きに対処し、深刻な経済的損害をもたらす不当労働行為に対する保護を修正し、事業体に対する罰則を定め、差し止めによる救済を許可する
ことが改正されています。
参考
上院HELP委員会、一連の労働法改革を最終折衝
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