FTC、不公正または欺瞞的なレビューを使用するなどの行為または慣行を禁止する規則案を通知
2023年07月31日、連邦取引委員会(FTC)は、消費者のレビューまたは証言を不適格に使用するなど広告における不公正または欺瞞的な行為または慣行を禁止する「消費者レビューおよび証言の使用に関する規則」と題する取引規制規則を公布するための規則制定プロセスを開始することを発表しました。FTCは、この不公正または欺瞞的な行為または慣行を禁止するために、提案された取引規制規則の有用性と範囲に関して通知し、意見、情報、およびその検討を募集しています。意見や情報の提出は2023年09月29日が締め切りです。
背景・概要
2022年11月、連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)は、この取引規制規則(Trade Regulation Rule)の規則制定案の事前通知(advance notice of proposed rulemaking、ANPR) を発表していました。そして、具体的には、商品やサービスについての、以下のようなレビュー評価について意見を募集していました。
- 存在しない人々、実際に製品またはサービスを使用・確認していない人々、またはそれに関する経験を誤って伝えている人々によるレビューまたは承認
- 販売者が別の製品のレビューを盗むもしくは転用したレビュー
- 報酬またはその他のインセンティブの提供と引き換えに得た肯定的または否定的なレビュー
- 会社の所有者、役員、または管理者、もしくは指示された従業員やその家族などにより自社の製品またはサービスについてのレビュー
- 製品またはサービスとは独立していると称しているが、実際には製品またはサービスを提供する会社によって作成および管理されているWebサイト、組織、または法人によるレビュー
- 否定的な意見などの場合に提出や公開を制御しているにもかかわらず、ほとんどまたはすべてのレビューを表していると誤って伝えているWebサイトなどのレビュー
- 物理的脅威または不当な法的脅威によって圧力をかけられている消費者のレビュー
- フォロワー、サブスクライバー(利用申込者)、閲覧者などをもつソーシャルメディアにおいて、本来商品やサービスと関係のない指標を販売、配布、または購入し、統合・意訳するなどしたレビュー
その結果、FTCは、発表したANPRに対し42件の回答意見を受け取りました。29件の意見はFTCが規則制定を進めることを支持し、一方で4件の意見は規則制定が不必要もしくは時期尚早、もしくは自身が意見を言う立場ではないという見解を表明しました。ある人々は規則制定の有用性について懐疑的な見方を表明し、別の人々は規則制定の有用性について明確な見解を表明しませんでした。これら意見は、個人消費者(15件)、業界団体(7件)、レビュー掲載プラットフォーム業者(5件)もしくはその従業員(1件)、中小企業(3件) もしくはその従業員(1件)、消費者擁護団体(3件)、偽のレビューとの戦いに専念する団体(3件)、公益研究センター(1件)、シンクタンク(1件)、学術研究者(1件)、保険マーケティング組織(1件)によるものでした。
注目すべき内容
今回、2022年11月のANPRにおいてFTCに提案され、さらにそこで提出・議論された意見に基づき、FTCは議論内容(a)から(h)までの行為または慣行が広がっていると判断し、これらの行為もしくは慣行によって得られた全てのレビューの不公正または欺瞞的な使用を禁止する規則を策定することを通知しています。
今後FTCは、今回の規則制定案の通知 (notice of proposed rulemaking、NPRM)とそれに対する意見が肯定的であった場合、提案された規則を最終決定することを行います。ただし、今後の意見に応じて規則案の内容に変化を加える可能性も残しています。意見や情報の提出は2023年9月29日が締め切りです。
参考情報
連邦取引委員(FTC)とは?
連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)は、米国における公正な取引を監督・監視する連邦政府の機関です。同国の競争法にあたる法律などに基づき、商業活動に関わる不公正な競争手段、不公正または欺瞞的な行為または慣行を、人・団体・または法人が行わないようにするために設立されています。1914年に商務省(Commerce Department)の企業局(Bureau of Corporations)から独立する形で設置されました。元々は当時の反競争的状況を防ぐ取り組みの一環として、不公正な方法による取引を防ぐことが主な任務とされていました。その後、FTCに反競争的行為を監督する広い権限を与える法律が制定され、1938年には「不公正または欺瞞的な行為または慣行」を防ぐ任務が追加されました。それ以降、FTCは商品取引における消費者保護全般を所掌するようになり、1975年には産業全体の取引規制に関するルール策定の権限が付与されています。その他、消費者プライバシー、児童プライバシーといった個別分野も扱っています。
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