米国|FDA、オピオイド鎮痛薬のリスク強調表示を大幅に変更するよう要請することを発表

HOME > 国・地域, セクター, 化学物質, 米国, 医療・医薬品, 医薬品, > 米国|FDA、オピオイド鎮痛薬のリスク強調表示を大幅に変更するよう要請することを発表

米国|FDA、オピオイド鎮痛薬のリスク強調表示を大幅に変更するよう要請することを発表

オピオイド鎮痛薬のラベリング表示に長期使用のリスクなどを示す情報を加えることを、製造者に要請

2025年07月31日、米国食品医薬品局(FDA)は、プレスリリースにおいて、オピオイド鎮痛薬の長期使用に伴うリスクを強調して表示するため、すべてのオピオイド鎮痛薬の安全性表示を変更するよう要請しました。FDAは、オピオイド鎮痛薬である7-ヒドロキシミトラギニン(7-OHとしても知られる)製品を規制物質法(Controlled Substances Act、CSA)の下で管理するスケジュールも勧告(2025年07月29日)しています。オピオイド鎮痛薬を米国で製造、輸入を伴う販売などを行っている事業体は、その内容や申請書の提出期限などに注意が必要です。

この要請の背景

現在、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)が承認しているオピオイド鎮痛薬には、7-OH医薬品は含まれておらず、中毒性のある7-OHを栄養補助食品に添加することは違法です。しかし、オンラインやガソリンスタンド、ドラッグストアなどで、7-OHが濃縮された製品が販売され、簡単に購入できる状況となっています。このため、2025年05月、公的諮問委員会の会合において、オピオイド鎮痛薬を長期にわたって使用する患者は、誤用や過剰摂取によって中毒となり深刻で致死的なリスクを持つことを示す結果が発表され、中毒性のある7-OHが濃縮された製品についても検討されました。

そして、この会合内容をもとに、FDAは、オピオイド長期使用の利点とリスクを直接検証することを決定しています。今回の要請と同時に、FDAは製造者に追加の前向き無作為化対照臨床試験なども要求し、オピオイドを含む鎮痛薬や製品を引き続き注意深く監視する予定としています。

この要請の内容

オピオイド鎮痛薬の安全性表示ラベルの変更には以下が含まれます。 

  • より明確なリスク情報:長期使用における中毒、誤用、過剰摂取の推定リスクを示す研究結果の要約
  • 投与に関する警告:高用量にはより大きなリスクが伴うこと、そしてそのリスクは長期にわたって残ることをより強く警告
  • 使用制限の明確化:無制限に長期間使用することを支持すると誤解されかねない文言を削除
  • 治療ガイダンス:「長時間作用型オピオイドや徐放性オピオイドは、短時間作用型オピオイドを含む他の治療が不十分な場合にのみ考慮されるべきである」ことを表示
  • 安全な中止:依存の可能性がある患者にオピオイド鎮痛薬を突然中止しないよう注意喚起
  • オピオイド鎮痛薬の過剰摂取から回復させるための薬の追加情報
  • 薬物相互作用:オピオイド鎮痛薬と神経系を鈍らせる他の薬剤(ガバペンチノイドなど)との併用についての警告を追加
  • 過剰摂取によるリスク:毒性白質脳症など、過剰摂取後に起こりうる重篤な脳症状に関する最新情報
  • 消化器の健康:オピオイド摂取に関連する食道障害についての最新情報

該当するオピオイド鎮痛薬の製造者には、必要とする変更の概要を記した書簡が送付されています。受け取った製造者は、30日以内にFDAに対し、表示内容の更新を申請する申請書を提出し、審査を受ける必要があります。

参考情報

FDA、オピオイド鎮痛薬のリスク強調表示を大幅に変更するよう要請することを発表(FDAホームページ)

7-ヒドロキシミトラギニン(7-OHとしても知られる)製品を規制物質法(CSA)の下でスケジュール管理することを勧告(FDAホームページ)

注目情報一覧

新着商品情報一覧

調査相談はこちら

概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。

(調査例)
  • ●●の詳細調査/定期報告調査
  • ●●の他国(複数)における規制状況調査
  • 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
  • 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など
無料相談フォーム

    会社名・団体名

    必須

    ※個人の方は「個人」とご入力ください。

    所属・部署

    任意

    お名前

    必須

    メールアドレス

    必須

    電話番号

    任意

    お問い合わせ内容

    任意

    Page Top