NMeFOSEの物質特性や生物毒性に関する試験を、2社に対して命令
2024年03月25日、米国環境保護庁(EPA)は、PFASの国家試験戦略に基づき、パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の試験を義務付けた有害物質規制法(TSCA)の第4次試験命令を発表しました。PFAS戦略ロードマップに基づく最新の措置として、3M Company社とWacker Chemical Corporation社に対して、2-(N-メチルパーフルオロ-1-オクタンスルホンアミド)エタノール(NMeFOSE、Chemical Abstract Service Reference Number: 24448-09-7)の吸入による健康への影響に関する試験を実施し、提出するよう命じました。
本命令は2024年03月25日に発効され、第一段階試験の結果を本命令の発効日から1年以内にEPAに提出することが、2社に義務付けられています。
PFASの国家試験戦略における試験命令とは
現在、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(per- and polyfluoroalkyl substances、PFAS、ピーファス)の国家試験戦略を立てて、構造、物理化学的特性、および既存の毒性データの類似性の観点から、PFAS種を細かく分類しようと試みています。この目標のため、EPAは、毒性データが不足しているPFASについて試験命令を発行しています。すでに消火フォームに使用される6:2フルオロテロマースルホンアミドベタインやプラスチックの製造に使用されるHFPOについて試験命令が出されています。
2-(N-メチルパーフルオロ-1-オクタンスルホンアミド)エタノール(NMeFOSE)とは
NMeFOSEは、ペンキやニスなどの家具用コーティング剤だけでなく、衣類やカーペット処理などの製品にも広く使用されているPFASです。NMeFOSEは、それ以外に大気中や、水処理プロセスの副産物であるバイオソリッド(農地で肥料としてよく使用される)からも検出されます。また、NMeFOSEは屋外の環境媒体だけでなく、屋内のほこりや空気中にも蓄積することも研究で証明されています。
TSCAの第4次試験命令の内容
EPAは、有害物質規制法(Toxic Substances Control Act、TSCA)に基づき、既存の危険有害性データと暴露データを徹底的に調査した結果、NMeFOSEは健康や環境に不当な危害を及ぼす可能性があるとの結論を下しました。そして、その有害性を検討するために、以下の試験命令を3M Company社とWacker Chemical Corporation社の2社に、出しました。
- 物質特性についての試験
Tier 1.1「必須試験」
融点/融解範囲、沸点、液体に適用される蒸気圧、水溶性、pHの関数としての加水分解、pH、酸性度、アルカリ度の測定といった物質特性。加えて、該当する場合は、水中での解離定数と水溶液の表面張力
Tier 1.2「表面張力試験の結果に依存する要求試験」
ミセルの集合体または臨界ミセル濃度
Tier 1.3「表面張力試験及び臨界ミセル濃度試験の結果に依存するミセル濃度試験」
n-オクタノールの水分配係数
- 健康影響と経皮経路についての試験
Tier 1.2「pHの関数としての加水分解試験の結果に依存する要求試験」
皮膚吸収
Tier 2.1「必須試験」
経口暴露での毒物動態
Tier 2.2「毒物動態試験結果に依存する単一のげっ歯類動物種における必須試験」
吸入暴露での毒物動態、反復投与毒性試験と生殖/発達毒性スクリーニング試験の組み合わせ、毒性スクリーニング試験、毒物動態試験での半減期依存性
- 環境への影響についての試験
Tier 1.3「表面張力試験および臨界ミセル濃度試験の結果に依存するミセル濃度試験」
土壌および下水汚泥に対する吸着係数の推定
Tier 2.1「必須試験」
水性および食餌暴露による魚類における生物濃縮
試験命令の対象となった2社は、以上の試験を実施するか、あるいはEPAが認知していないが本命令の要件を満たすと思われる既存情報を、EPAに提供する必要があります。EPAは、不必要な試験の重複を回避するために、企業が共同で試験を実施することを奨励しています。本命令は2024年03月25日に発効され、対象となった2社は第一段階試験の結果を発効日から1年以内にEPAに提出することが義務付けられています。本命令に対応して提出されるすべてのデータは、機密保持の配慮を行った上で、EPAのウェブサイトなどで公開される予定です。
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