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米国|EPA、機関車からのNOx及びPMをさらに削減するためのオプションを策定

より厳しい国家排出基準の採用要請について

2022年11月09日、米国環境保護庁(EPA)は、カリフォルニア州大気資源局(CARB)、サンホアキンバレー大気汚染防止地区、カリフォルニア大気汚染防止官協会からの、機関車からの有害な窒素酸化物(NOx)および粒子状物質(PM)排出に関する請願に対応しています。

概要

EPAは、1998年に新型機関車とそのエンジンからの排出を規制するための最初の規則を採択しました。その1998年規則で、EPAは3段階の排出基準を採用しました。Tier 0、Tier 1、Tier 2の3段階です。Tier 2基準は、2005年に製造された新しい機関車とエンジンに対して段階的に適用され始めました。この規則制定措置には、再製造時の要件と使用中試験要件が含まれていました。

2008年、EPAは機関車からの大気汚染物質排出に対処するための規制を公布しました。この3部構成のプログラムは、以下を目的としたものでした。

■ 既存の機関車を再製造する場合、EPA の規則ではその機関車を新品に戻すことになるため、排出基準を強化すること。

■ 新規に製造された機関車とエンジンに対して、Tier 3基準と呼ばれる短期的なエンジン停止時排出基準を設定すること。

■ 高効率後処理技術の適用を反映した、新造機関車およびエンジンに対する Tier 4基準と呼ばれる長期的 基準を設定すること。

EPA は、Tier4 機関車やエンジンを使用することで、Tier 2基準を満たす機関車エンジンと比較して、PM 排出量を90%、NOx 排出量を80%削減することができると推定しています。

しかし、この規則により新型機関車と新型機関車用エンジンの排出基準が引き下げられたものの、カリフォルニア州やその他の地域では、機関車は依然としてNOxとPMの重要な排出源であり、しばしば車両基地や港湾の周辺地域の健康に不釣り合いにな影響を与えています。さらに、この分野では車両の入れ替わりが非常に遅いため、古い機関車や機関車が何十年も使用されたままになっています。

申立人らは、EPAに対し、大気浄化法(CAA)に基づき、機関車からのNOxおよびPMの排出を規制する、より厳しい国家排出基準を採用するための規則制定を行うよう要請しました。

これらの請願に対するEPAの対応の一環として、EPAは、新規の機関車および全国の地域社会で既に運行 されている機関車からの汚染に対処するためのオプションおよび提案を策定するために、早急に対策を講じ る予定であると説明しています。

さらにEPAは、大気質問題に対処するための大気浄化法に基づくカリフォルニア州および他州の権限を不 適切に制限しないように、既存の機関車先取り規制の改定を提案する予定としています。

さらにEPAは、機関車部門からの大気汚染物質排出に対処する最善の方法を評価するために、鉄道研究チー ムを創設しました。今後数ヶ月間、当該チームは以下の情報を収集し評価する予定としています。

■ 機関車の排出量をさらに削減するために利用可能な様々な技術

■ よりクリーンで新しい技術への転換を促進するための政策オプション

■ 再製造された機関車が可能な限りクリーンであることを保証するための政策オプション

■ 州、非政府組織、環境正義団体、業界関係者などのパートナーと協力して、必要な評価を行うために必要な情報を収集する

さらに、インフレ抑制法(IRA)の可決は、機関車分野での大きなチャンスとなります。この資金は、運輸の非常に多くの下位部門に資金提供の機会を提供することにより、ゼロエミッションの未来 への移行を加速させるものです。EPA は、これらの歴史的資源を活用する機会を今後検討する予定としています。

参考

■ EPA Responds to Petitions to Address Harmful Emissions from Locomotives/EPA

出典-GreenCarCongress

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