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EU|EU理事会と欧州議会、各種法令案に関する相次ぐ暫定合意(2024年02月)

2024年02月、EU理事会と欧州議会がそれぞれの修正案を携えて、第一読会審議における事前の暫定的な合意を目指す非公式会合において、いくつかの法令案に対する暫定合意がなされました。これらの暫定合意は、欧州議会本会議での承認・採択、そしてEU理事会での承認・採択がなされれば、署名・官報での公布がなされる流れとなります。

■ 消費者製品の修理促進指令案
■ 環境・社会・ガバナンス(ESG)格付け活動に関する規則案
■ シェンゲン国境コードの新しい規定案
■ ギガビットインフラ法案
■ ネットゼロ産業法
■ 2021年から2027年までの多年次財政枠組み(MFF)の改定及び欧州のための戦略的技術プラットフォーム(STEP)の立ち上げについて
■ 加盟国に寄港する船舶のポートステート・コントロール(港湾管理)の要件およびEU加盟国に登録された商船の旗国の要件の更新
■ 水銀規則改正案
■ 欧州障害者カード及び欧州障害者パーキングカードの設置指令案
■ プラットフォーム業務指令案
■ 船舶由来の汚染に関する改正指令案
■ 船舶由来の汚染に関する指令改正及び汚染犯罪に対する罰則の導入について
■ 炭素除去の認証に関する初のEU全体の自主的枠組みについて
■ 大気質指令改正指令案
■ 医療機器の供給不足を防止し、透明性と情報アクセスの向上への移行を容易にするための、医療機器に関する改正規則案
■ 公道を走行する非道路走行機械(NRMM)の承認及び市場監視に関する規則案
■ 国境管理及び法執行のための航空旅客データの回収及び利用を規定する2つの規則案

 本記事では、このうち、「消費者製品の修理促進指令案」、「ギガビットインフラ法案」について取り上げ、紹介します。

消費者製品の修理促進指令案

2024年02月02日、EU理事会と欧州議会がそれぞれの修正案を携えて、第一読会審議における事前の暫定的な合意を目指す非公式会合において、消費者製品の修理促進指令(修理権指令)案についての暫定合意がなされたことが報じられました。

■ 2023年03月22日、欧州委員会が本指令の草案を発表した。案は、エコデザイン規則(ESPR)やグリーン転換のための消費者エンパワーメント指令(消費者が販売時点でより良い情報に基づいた購買決定を行えるようにする)など、持続可能な消費を促進するための最近の他の法的イニシアチブを補完するものとして位置付けられている。

■ 提案の目的には、高水準の消費者保護および環境保護を提供しつつ、域内市場の適切な機能に寄与することを目的として、商品の修理を促進する共通規定を定めることが挙げられている。

■ 欧州委員会案では、次の要件が含まれていた:
― 加盟国は、消費者の要求に応じて、生産者が附属書IIに特定されるようなEU法によって修理可能性の要件が規定されている商品を、無償でまたは価格もしくは他の種類の対価を支払って修理することを保証すること
ー 生産者は、独立修理業者が、附属書IIに記載されたEU法に従って、スペアパーツ、修理関連の情報およびツールを利用できるようにしなければならない など

【暫定合意】

■ 必要な修理を合理的な時間内に行うこと、また、サービスが無料で提供される場合を除き、合理的な価格でも修理を行うことを義務付け
 ただし、保証に含まれる販売者の責任期間内であれば、消費者が欠陥製品の修理と交換のどちらかを選択する権利も維持される。
■ 消費者が製品の修理を選択した場合、販売者の責任期間は、製品が適合するようになった時点から12ヶ月延長される。この期間は、加盟国が希望すればさらに延長することができる。

■ 欧州修理情報フォーム ー 修理サービスの契約前に消費者に情報を提供する修理業者の情報提供に関する様式
→ 暫定合意では、フォームに記載された主要情報は30暦日有効であるが、消費者と修理業者はこの期間を延長することに合意することができるとしている。

■ 欧州オンライン修理プラットフォーム
→ 合意では、27カ国のプラットフォームではなく、欧州レベルで設計・運営される欧州オンライン修理プラットフォームの創設が提案されている。

ギガビットインフラ法案

2024年02月06日、EU理事会と欧州議会は、「ギガビットインフラ法」の草案について、暫定合意に達したことを報じました。
ギガビットインフラ法(GIA)は、従来のブロードバンドコスト削減指令(2014年)を置き換える位置づけとなっています。

【暫定合意】

暫定合意は概ね欧州委員会案を支持しているものの、いくつかの点について修正・合意を行ったとしています。

■ 建物に対する自主的な「光ファイバー対応」ラベルに関する具体的な規定

■ 公平かつ合理的なアクセス条件を算定する際の要素を明確化

■ 許可付与手続きを円滑化するための中間段階として、公共部門機関と電気通信事業者間の強制的な調停メカニズムを導入

■ 土地所有者とインフラ事業者の間に介在する仲介者の存在に対処するための具体的な規定が導入

参考情報

■ それぞれの暫定合意に関する関連情報は、当社「Cカレンダー」にて「暫定合意」などのキーワードで検索してご確認ください。

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