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EU|欧州委員会、ヒトが消費する水に接触する材料および製品に関する新たな最低衛生基準に関連する法令案の採択を公表

ヒトが消費する水に接触する材料等に関する最低衛生基準について

2024年01月23日、欧州委員会は飲料水と接点を持つ材料等に対する最低衛生基準を新たな採択しました。微生物の増殖を防ぎ、有害物質が飲料水に浸透する可能性を低減ことを目的としています。なお、本基準は新規設置物や改装・修理された古い設置物に用いられる材料等に対して、2026年12月31日以降適用されるものです。

背景

■ 2020年に飲料水指令が修正に伴い、新しい規定が2021年01月からEU全体において施行されています。

■ 新たな指令では全EU住民に対する安全な水へのアクセスを保証しており、欧州グリーンディールで発表されている水や大気の汚染物質を規制強化するための政策パッケージ「汚染ゼロ」の目標に合致する世界最高水準の飲料水を確保するものです。

■ 新しい指令はEU市民のイニシアティブである「Right2Water」にも応えており、160万の署名が集まっています。

■ 本指令は品質に対する厳格な基準設定を通して、EU市民の健康を保護することを目標としています。

■ また、加盟国は、本指令の内容を国内法に2023年01月12日までに移行する必要がありました。しかし、現時点において、6つの加盟国が未だ移行をしていません。

■ そのため、欧州委員会はその加盟国と密接に連携しながら、本指令が国内法に反映されるよう努める必要があります。

概要

■ 基準の詳細

 新しい基準の対象となるのは、水の採取、処理、貯蔵、配布、修理作業に使用される材料や製品です。
 具体的には供給管、バルブ、ポンプ、メーター、蛇口などが対象となります。

 これらの材料・製品に適用される新たな基準を設けることでEUにおける飲料水が安全性が高まるため、企業や国の当局の行政負担の軽減にもつながると欧州委員会は考えています。

 これまで、これらの材料や製品についてEU全体における統一性が生まれることはほとんどなく、製造業者は製品を販売する加盟国それぞれで承認を求めなくてはなりませんでした。
 しかし、今回の採択により、承認作業が簡素化される見込みです。

 また、新しい基準に準拠する材料や製品は、EU内における適合宣言とEU固有のマークを付与されます。そのため、公衆衛生や環境への懸念に関連した制限を受けることなく、EU全域で製品を販売することができるようになります。

■ 今後の流れ

 欧州委員会による3つの委任法の採択後、欧州議会と欧州理事会は2か月以内に異議を述べられます。

 その後、欧州議会と欧州理事会からの異議がなかった場合に委任法が施行され、その2か月後に欧州官報にて掲載される予定です。

 飲料水指令の施行に向けた作業は進行中です。なお、同指令には飲料水中のマイクロプラスチックやヒトの健康等に影響を及ぼす可能性が指摘されているペルフルオロアルキル物質(PFAS)の測定方法についても含まれます。

参考法令概要:飲料水指令

人間が摂取する水の品質に関する規則の導入を通して、飲用、料理、食品の調理、その他の家庭用途に使用される水の健康と清潔を保証することを目的としたものです。併せて、飲料水と接触する材料などの衛生要件を導入しています。

参考情報

水と接触する材料や製品に関するEU全体の新しい衛生基準により、飲料水はより安全になる

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