解説ドイツ-廃棄物一覧条例 (AVV)

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法令の情報時期:2020年06月 統合版 ページ作成時期:2025年10月

目的

目的

本条例の目的は、EU共通の基準に基づいて、廃棄物の種類と危険性を一貫して分類し、法的に明確化することである。

概要

概要

本条例は、事業者や処理業者の義務を直接定めるものではなく、廃棄物を分類・特定するための基準を定める技術的な条例である。

廃棄物を区分・群・コードを組み合わせた6桁の廃棄物コードで示し、EU域内で共通に使用できる名称および分類体系を整備することにより、廃棄物管理の一貫性と透明性を確保している。

危険廃棄物を科学的かつ法的に特定することで、環境および人の健康を保護するための適正な処理・運搬・保管の基盤を提供する。

廃棄物枠組指令(2008/98/EC)との整合を図り、EU全体での危険特性評価や環境基準の統一、ならびに越境廃棄物の管理や統計処理における共通の基準を確立している。

附属書では、廃棄物に含まれる危険物質や危険特性の評価・分類方法が体系的に示されている。

注目定義

<対象製品>

■ 「廃棄物」(Abfall)

「廃棄物」とは、循環経済法第3条第1項の定義に該当し、所有者が不要としたために廃棄、回収または処分の対象となる物質または物品をいう。

■ 「廃棄物コード」(Abfallschlüssel)

「廃棄物コード」とは、附属書に定める区分・群・コードの体系に基づいて付与される6桁の番号であり、廃棄物の種類を特定するための識別番号をいう。

■ 「危険廃棄物」(gefährlicher Abfall)

「危険廃棄物」とは、附属書の廃棄物一覧においてコード番号にアスタリスク(*)が付され、EU廃棄物枠組指令2008/98/EC附属書IIIに掲げられた一つ以上の危険特性(HP1~HP15)を有すると認められる廃棄物をいう。

■ 「重金属」(Schwermetall)

「重金属」とは、アンチモン、ヒ素、カドミウム、六価クロム、銅、鉛、水銀、ニッケル、セレン、テルル、タリウムまたはスズの化合物、およびこれらの元素の金属形態であって、危険物質として分類されるものをいう。

■ 「危険物質」(gefährlicher Stoff)

「危険物質」とは、EU規則(EC)No 1272/2008(CLP規則)附属書I第2~5部の基準を満たすことにより、危険と分類される物質をいう。

■ 「廃棄物一覧」(Abfallverzeichnis)

「廃棄物一覧」とは、本条例の附属書において、20の区分ごとに分類された廃棄物の体系的一覧であり、廃棄物の識別と分類の基礎を構成するものをいう。

■ 「危険性基準」(Gefährlichkeitskriterien)

「危険性基準」とは、廃棄物中に含まれる危険物質の種類と濃度、およびそれによって発現する有害特性を評価し、EU指令2008/98/EC附属書IIIに定められた「危険特性(HP1〜HP15)」のいずれかに該当するかを判定するための化学的・毒性学的・物理的な判断基準をいう。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

機械安全、設備安全

本条例には、明示的に適用除外を定める条項はない。しかし、以下の分野は別の特別規則に基づいて分類・処理されるため、本条例の直接適用範囲外とみなされる。

  1. 原子力法または放射線防護法の規制対象である放射性廃棄物 

  2. 動物副産物規則(EG Nr. 1069/2009)により管理される動物由来廃棄物 

  3. 水管理法に基づく規制で管理される廃水 

  4. 特定産業法に基づく副産物や再利用物質(例えば、肥料法などの対象となる場合)

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
流通・供給の禁止

本条例は、1.廃棄物の名称付け、および2.廃棄物の危険性の分類に適用される。
(第1条)

他の法令により廃棄物を名称で示す必要がある場合には、本条例附属書(廃棄物一覧)に定められた6桁の廃棄物コードおよび名称を用いなければならない。

廃棄物は、附属書に示された区分(2桁)および群(4桁)の体系に従い、対応する6桁の廃棄物コードと名称をもつ廃棄物種別に分類して示すものとする。名称付けにあたっては、附属書の序文第1項に定める用語の定義を適用し、第3項の規定を遵守しなければならない。
(詳しくは第2条参照)

附属書(廃棄物一覧)において、廃棄物コードの末尾にアスタリスク(*)が付された廃棄物は、循環経済法第48条の意味における「危険廃棄物」とみなされる。(詳しくは第3条参照)
(例:01 03 04* 硫化鉱石の処理から生じる酸を生成する精製残渣
   02 01 08* 危険物質を含む農業用化学品の廃棄物
   03 01 04* 危険物質を含むおがくず、木くず、切れ端、木材、パーティクルボードおよび単板)
(詳しくは附属書参照)

ばく露

廃棄物の分類に際しては、附属書の序文第1項の定義および第2項の指針に従わなければならない。

所管当局は、個別の事例や新たな知見に基づき、附属書上の分類と異なる判断を行うことができる。
廃棄物保有者が、附属書で危険廃棄物とされているが実際には危険性を示す特性を有しないことを証明した場合には、当局はこれを非危険と分類できる。逆に、附属書で非危険とされている廃棄物でも、危険特性を有する場合には、危険廃棄物として再分類できる。
(詳しくは第3条参照)

目次

第1条 適用範囲

第2条 廃棄物の名称付け

第3条 廃棄物の危険性

附属書(第2条第1項関係)

廃棄物一覧

索引

廃棄物一覧の区分

01. 鉱物資源の探査、採取および採掘ならびに鉱物資源の物理的・化学的処理により生じる廃棄物

02. 農業、園芸、養魚業、林業、狩猟および漁業ならびに食料品の製造および加工から生じる廃棄物

03. 木材加工および板材、家具、パルプ、紙および板紙の製造から生じる廃棄物

04. 皮革、毛皮および繊維工業から生じる廃棄物

05. 石油精製、天然ガスの精製および石炭乾留から生じる廃棄物

06.   無機化学製造工程から生じる廃棄物

07. 有機化学製造工程から生じる廃棄物

08. 塗料(ペイント、ラッカー、エナメル)、接着剤、シーリング材および印刷インキの製造、調製、販売および使用から生じる廃棄物

09. 写真産業から生じる廃棄物

10. 高温処理工程から生じる廃棄物

11. 金属およびその他の材料の化学的表面処理および被覆、非鉄金属の湿式冶金から生じる廃棄物

12. 金属およびプラスチックの機械的成形ならびに物理的および機械的表面加工の工程から生じる廃棄物

13. 油廃棄物および液体燃料からの廃棄物(ただし、食用油および第05区分、第12区分または第19区分に該当する油廃棄物を除く)

14. 有機溶剤、冷媒および推進ガス(ただし、第07区分または第08区分に該当する廃棄物を除く)から生じる廃棄物

15. 包装廃棄物、吸着材、ワイプ類、ろ過材および防護衣類(他に分類されないもの)

16. 一覧の他の箇所に記載されていない廃棄物

17. 建設および解体廃棄物(汚染された敷地の掘削土を含む)

18. 人医療または獣医療の供給および研究から生じる廃棄物(ただし、直接の看護に由来しない厨房および飲食施設からの廃棄物を除く)

19. 廃棄物処理施設、公的廃水処理施設ならびに飲料水および工業用水の処理から生じる廃棄物

20. 都市廃棄物(家庭廃棄物およびこれに類似する商業・産業廃棄物ならびに施設からの廃棄物)で、分別収集された区分を含む

基礎情報

法令(現地語)

Verordnung über das Europäische Abfallverzeichnis (Abfallverzeichnis-Verordnung – AVV)

法令(日本語)

欧州廃棄物一覧に関する条例(廃棄物一覧条例-AVV)

公布日

2001年12月10日

所管当局

連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUV)

作成者

株式会社先読

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