解説中国 – 医薬品経営使用品質監督管理弁法

HOME > 法令解説 > 解説|中国 – 医薬品経営使用品質監督管理弁法
法令の情報時期:2023年09月 公布版 ページ作成時期:2023年08月

目的

目的

目的は、医薬品経営と医薬品使用品質監督管理を強化し、医薬品経営及び医薬品使用品質管理活動を標準化すること。

概要

概要

本弁法は、医薬品経営と医薬品使用品質監督管理を強化し、医薬品経営及び医薬品使用品質管理活動を標準化するため、「中華人民共和国医薬品管理法」(以下「医薬品管理法」という)、「中華人民共和国ワクチン管理法」、「中華人民共和国医薬品管理法実施条例」等の法律、行政法規に基づき制定されている。

中華人民共和国内での医薬品経営、使用品質管理及びその監督管理活動は本弁法に従うものとする。

規定は計7章・79条で構成され、医薬品経営と医薬品使用品質の監督管理を強化し、標準化するために医薬品管理法等に基づく詳細なルールを定め、医薬品の品質管理システムの確立、許可証の取得及び維持、トレーサビリティ制度の導入、そして各級の監督管理機関の役割と責任などを規定している。

本弁法に違反した場合、医薬品監督管理部門は違反の内容に応じて是正命令を出し、期限内に是正しなかった場合や重大な結果を引き起こした場合には、情状により罰金や処罰の減軽または免除が適用されることがあるが、基本的には罰金(五千元から二十万元)や「医薬品管理法」に基づく罰則が科される。

注目定義

■ 「医薬品卸売企業」(药品批发企业经营)

「医薬品卸売企業」とは、仕入れた医薬品を医薬品製造企業、医薬品経営企業、医療機関に販売する医薬品経営企業をいう。(第77条)

■ 「医薬品小売チェーン企業」(药品零售连锁企业)

「医薬品小売チェーン企業」とは、配送センター、複数の店舗で構成され、本社の管理のもとで規模化、グループ化された経営を行っている企業をいう。(第77条)

■ 「医薬品小売企業」(药品零售企业)

「医薬品小売企業」とは、仕入れた医薬品を消費者に直接販売する医薬品経営企業をいう。(第77条)

■ 「医薬品使用ユニット」(药品使用单位)

「医薬品使用ユニット」には、医療機関、疾病予防管理機構などが含まれる。(第77条)

適用除外(対象外・猶予・免除等)

文書登録、文書管理、文書作成

国家がワクチン、血液製剤、麻酔医薬品、向精神薬、医療用有毒薬品、放射性医薬品、医薬品前駆体化学物質等の経営、使用管理に関して別途規定を定めている場合、その規定が優先される。(第74条)

本弁法で指定された期限は営業日で計算する。医薬品経営許可における技術審査、現場立入検査、企業是正等に要する時間は期限に含まれない。(第75条)

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
人の安全

医薬品卸売業者が満たすべき条件として、適切な品質管理機構と人員、資格を持つ薬剤師や技術者の配置、経営規模に応じた自社運営の倉庫や施設の設備、最新の物流施設、そして医薬品品質を保証する管理制度や情報管理システムの整備が求められている。(第8条)

文書登録、文書管理、文書作成

医薬品小売業者が満たすべき条件として、医療用医薬品や第一類一般用医薬品を取り扱う場合は法定資格を持つ薬剤師を配置し、第二類一般用医薬品のみの場合は認定された販売員を配置することが求められる。

また、適切な営業所や設備、保管施設、衛生環境を備え、非医薬品と医薬品は別に陳列する必要がある。

さらに、品質管理機構や適切な人員を配置し、法定代表者や責任者が所定条件を満たすこと、医薬品の品質管理制度や情報管理システムを整備し、経営品質管理規範の要件に適合していることが求められる。(第10条)

資格、認定

医薬品経営企業の設立には、営業許可取得後に所在地の県級以上の医薬品監督管理部門へ医薬品経営許可証を申請し、申請書、品質管理機構と主要責任者の学歴・職歴資料、薬学技術者の資格証明書、経営方式・範囲の資料、品質管理規約制度、主要施設設備リスト、営業所や保管施設の状況を示す資料などを提出する。

監督管理部門は、申請が不要な場合や権限外の場合は即時告知し、申請資料に修正が必要な場合は申請者に通知し、資料が完全で要件を満たしている場合は申請を受理する。(第11条、第12条)

文書登録、文書管理、文書作成

医薬品経営許可証は正本と副本があり、5年間有効で、その様式は国家医薬品監督管理局が統一して定めるとされている。

電子証書も紙質証書と同等の法的効力を持つ。医薬品経営許可証には許可番号、企業名称、統一社会信用コード、事業所住所、法定代表者などの詳細情報が明記され、市場監督管理部門の営業許可内容と一致する必要がある。

許可証の記載事項は事業所住所や経営範囲などの許可事項と、企業名称や法定代表者などの登録事項に分けられる。(第17条、第18条、第19条)

有害物質、危険物

医薬品卸売企業の経営範囲には漢方薬、漢方製剤、化学医薬品、生物由来製品、体外診断用試薬、麻酔薬、向精神薬、医薬品前駆体化学物質、医療用有毒薬品、アナボリック製剤、ペプチドホルモンなどが含まれる。

特に、麻酔薬や向精神薬などの取り扱いには関連国家規定の遵守が必要である。

また、冷蔵冷凍など特殊管理が必要な医薬品を扱う場合、その内容を経営範囲に明記する必要がある。(第20条)

人の安全

医薬品小売業者は、経営種別(医療用医薬品、第一類一般用医薬品、第二類一般用医薬品)を明示し、経営範囲には漢方薬、漢方製剤、化学医薬品、第二種向精神薬、血液製剤、細胞治療類生物学的製剤などを含める必要がある。

特に、第二類向精神薬、血液製剤、細胞治療類生物学的製剤の経営範囲は、関連国家規定に従って承認を受けなければならない。冷蔵冷凍医薬品を扱う場合も、その内容を経営範囲に明記する必要がある。

また医薬品小売チェーンの各店舗はチェーン本社の経営範囲を超えてはならず、放射性医薬品の経営には専用の許可証申請が必要である。(第22条)

 
機械安全、設備安全

医薬品経営活動に従事する者は、医薬品経営品質管理規範を遵守し、許可証に記載された経営方式と経営範囲に従って、承認された住所で医薬品を販売・保管し、全プロセスが法定要件に準拠する必要がある。

企業は、医薬品経営の全プロセスを対象とする品質管理システムを確立し、仕入れ、販売記録、保管条件、輸送過程などを完全かつ正確に記録し、捏造や改ざんをしてはならない。

また評価や検証を行い、リスクに対して迅速かつ効果的な管理措置を講じて医薬品品質を確保しなければならない。

法定代表者と主要責任者は医薬品経営活動に対して全責任を負い、主要責任者は日常管理を担当し、専任の品質管理者を任命して品質管理を全面的に担わせる必要がある。(第31条、第32条、第33条)

資格、認定

医薬品上市許可所持者および医薬品卸売企業は、医薬品を販売する際に以下の資料を医薬品購買ユニットに提供する必要がある。

提供すべき資料には、医薬品生産許可証および医薬品経営許可証のコピー、販売される医薬品の審査承認証明書と検査報告書のコピー、企業派遣営業担当者の委任状の原本と身分証明書のコピー、供給者名や医薬品の詳細情報を含む証明書、輸入医薬品の場合は国家関連規定に沿った証明資料、及びその他の法律や規則で要求される資料が含まれる。

これらの資料には社印を捺印し、法律規定に準拠した信頼性のある電子署名や電子印鑑も手書きの署名と同様の法的効力を持つ。(第38条)

文書登録、文書管理、文書作成

医薬品小売チェーン本社は、品質管理システムを確立し、企業標識、規約制度、コンピュータシステム、人員研修、調達配送、書類管理、薬学サービス標準規範などを統一的に管理し、所属小売店舗の経営活動に対して管理責任を負う。

小売店舗は本部の統一品質管理システムの要求に従って医薬品小売活動を行わなければならない。

本社は店舗の管理を強化し、医薬品経営品質管理規範や品質管理システム要件の遵守を確保し、品質や安全上のリスクが判明した場合には迅速にリスク管理措置を講じ、法律に基づき医薬品監督管理部門に報告しなければならない。(第43条、第44条)

人の安全

医薬品保管の委託を受けたユニットは、医薬品経営品質管理規範を遵守し、資格のある担当者や医薬品品質管理システム文書を備えている必要がある。

また、委託側とデータを連携し、医薬品の入庫、出荷、保管、輸送及び品質情報を記録追跡し、回収業務を支援するコンピュータシステムを有していること、省級以上の医薬品監督管理部門の最新物流要件を満たす施設を持つことが求められる。

保管や輸送の委託を受けたユニットは、品質管理規範に従って活動を行い、契約義務を履行し、法的責任を負う。

再委託は禁止されているが、輸送に関しては委託者の同意を得た上で品質保証契約を締結することで可能である。

ただし、特別管理医薬品(ワクチン、麻酔薬、向精神薬、医療用有毒薬品、放射性医薬品、医薬品前駆体化学物質等)は再委託できない。(第46条、第47条)

資格、認定

医療機関は医薬品の購入、検収、保管、維持、使用段階で品質管理システムを確立し、各部門の職員の職務責任を明確にする必要がある。

専門部署を設置し、ない場合は専任担当者を配置して医薬品品質管理業務を担当させる。

医療機関が医薬品を購入する際には、供給ユニットの医薬品生産許可証や経営許可証、委任状、医薬品承認証明資料、合格証明書などを確認し、初回購入時にはそれらのコピーを五年以上保管する。

さらに納税印紙や詳細リストを含む法定領収書を取得し、三年以上、または医薬品の有効期間満了後一年以上保存しなければならない。

リストには供給ユニットの名称、医薬品の通用名称、上市許可所持者、承認番号、製品ロット番号、剤型、規格、販売数量、販売価格などが記載される。(第51条、第52条)

文書登録、文書管理、文書作成

医療機関は、医薬品購入検収制度を確立し、ロットごとに検収して正確かつ完全な記録を作成する必要がある。

検収記録には、医薬品通用名称、上市許可所持者(漢方製剤は製造企業と原産地を含む)、承認番号、製品ロット番号、剤型、規格、有効期間、供給ユニット、購入数量、購入価格などを記載し、これらの記録は三年以上、または有効期限が切れた後一年以上保管しなければならない。

寄贈された医薬品の受け入れや他の医療機関からの緊急移譲の場合も同様の規定を遵守する必要がある。(第53条)

人の安全

医療機関は、医薬品保管維持制度を制定し、専用の保管場所や設備を設置して、保管条件が説明書に記載された条件を満たすように管理する。

医薬品は属性や品目に応じて分けて保管し、色分け管理を行い、医薬品と非医薬品、漢方薬、漢方製剤、化学医薬品、生物由来製品を分別する。

期限切れや不適格な医薬品は専用のエリアに保管し、危険医薬品は関連法規に従って安全に保管する。維持管理制度に従って温度管理、防湿、防火などの措置を講じ、定期的に保管薬品の検査と記録を行う。

品質問題や安全リスクが発見された場合、使用を中止し、速やかに供給ユニットと監督管理部門に報告する。(第54条、第55条、第56条)

目次

第一章 総則
第一条
第二条
第三条
第四条
第五条
第六条
第七条

第二章 経営許可
第八条
第九条
第十条
第十一条
第十二条
第十三条
第十四条
第十五条
第十六条
第十七条
第十八条
第十九条
第二十条
第二十一条
第二十二条
第二十三条
第二十四条
第二十五条
第二十六条
第二十七条
第二十八条
第二十九条
第三十条

第三章 経営管理
第三十一条
第三十二条
第三十三条
第三十四条
第三十五条
第三十六条
第三十七条
第三十八条
第三十九条
第四十条
第四十一条
第四十二条
第四十三条
第四十四条
第四十五条
第四十六条
第四十七条
第四十八条
第四十九条
第五十条

第四章 医薬品使用品質管理
第五十一条
第五十二条
第五十三条
第五十四条
第五十五条
第五十六条
第五十七条
第五十八条

第五章 監督検査
第五十九条
第六十条
第六十一条
第六十二条
第六十三条
第六十四条
第六十五条

第六章 法律責任
第六十六条
第六十七条
第六十八条
第六十九条
第七十条
第七十一条
第七十二条
第七十三条

第七章 附則
第七十四条
第七十五条
第七十六条
第七十七条
第七十八条
第七十九条

基礎情報

法令(現地語)

药品经营和使用质量监督管理办法

法令(日本語)

医薬品経営使用品質監督管理弁法

公布日

2023年09月27日

所管当局

国家医薬品監督管理局(NMPA)

作成者

株式会社先読

株式会社先読

調査相談はこちら

概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。

(調査例)
  • ●●の詳細調査/定期報告調査
  • ●●の他国(複数)における規制状況調査
  • 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
  • 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など
無料相談フォーム

    会社名・団体名

    必須

    ※個人の方は「個人」とご入力ください。

    所属・部署

    任意

    お名前

    必須

    メールアドレス

    必須

    電話番号

    任意

    お問い合わせ内容

    任意

    無料メールマガジンの申込み|
    希望の情報分野を選択可能

    登録はこちらからメールアドレスを入力してお申込みください。

    「登録」クリック後、購読したいメールマガジンの種類を選択いただけます。

    ★配信頻度|各メルマガについて月に1~2回
    (不定期)

    メルマガ|全般(全分野)

    当社で扱う情報分野全般の注目規制動向の情報にご関心がある方はこちら。

    メルマガ|化学物質

    化学物質分野の注目規制動向の情報にご関心がある方はこちら。一般・工業用化学品や軍事用途の化学品、食品添加物や農薬、医薬品などが対象です。

    メルマガ|環境

    環境分野の注目規制動向の情報にご関心がある方はこちら。大気・水・土壌汚染のほか、地球温暖化やオゾン層破壊、騒音・振動・悪臭などに対する規制が対象です。

    メルマガ|先端技術

    先端技術分野の注目規制動向の情報にご関心がある方はこちら。当社で言う先端技術分野とは、人工知能(AI)、仮想・拡張現実(VR・AR)、自動運転、エコカー、デジタルトランスフォーメーション(DX)などをいいます。

    メルマガ|新領域

    新領域分野の注目規制動向の情報にご関心がある方はこちら。当社でいう新領域分野とは、宇宙、海底・深海底、大深度地下などをいいます。

    Page Top
    「目次」 「目次」