解説中国 – 国家産業遺産管理弁法

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法令の情報時期:2023年03月 公布版 ページ作成時期:2024年07月

目的

目的

本弁法の目的は、歴史文化遺産の保護と継承に関する習近平総書記の重要指示精神を貫き、国家産業遺産管理を強化し、産業精神を発揚し、産業文化を発展させ、中国産業ソフトパワー及び中国文化の影響力を上げること。

概要

概要

本弁法は、国家産業遺産管理を強化し、産業精神を発揚し、産業文化を発展させ、中国産業ソフトパワー及び中国文化の影響力を上げるため、中国共産党中央委員会弁公庁、国務院弁公庁発行の「中華優秀伝統文化の継承発展プロジェクト実施に関する意見」「都市農村建設における歴史文化保護及び継承の強化に関する意見」「“第十四次五カ年期間”文化発展計画」、及び工業情報化部、財政部等が共同で発行した「産業文化発展促進に関する指導意見」「産業文化発展促進実施計画(2021-2025年)」等により制定されている。

本弁法は国家産業遺産の認定、保護管理、活用開発、監督管理業務に適用する。

規定は計32条で構成され、国家産業遺産の認定、保護管理、活用開発、監督管理に関する手続きを定め、産業精神の発揚や産業文化の発展、持続可能な遺産保護を目指し、遺産所有者の責任と義務、政府と社会の役割、技術的および管理的な要件を包括的に規定している。

注目定義

■ 「国家産業遺産」(国家工业遗产)

「国家産業遺産」とは、中国工業長期的発展の過程で形成され、高い歴史的価値、科学技術的価値、社会的価値及び芸術的価値を有し、工業情報化部によって認定された産業遺産をいう。(第3条)

■ 「国家産業遺産の核心物」(国家工业遗产的核心物)

「国家産業遺産の核心物」とは、国家産業遺産の主要な特徴を表す有形及び無形の遺産をいう。(第3条)

■ 「有形遺産」(物质遗存)

「有形遺産」には、工場建物、作業場、鉱山などの生産、保管、輸送施設、工業関連の管理及び科学研究現場、その他の生活サービス施設及び建築物、機械設備、生産道具、事務用具、製品、記録などが含まれている。(第3条)

■ 「無形遺産」(非物质遗存)

「無形遺産」には、生産技術、規約制度、企業文化、産業精神などが含まれている。(第3条)

適用除外(対象外・猶予・免除等)

本法令には、法令全体からの適用除外や免除を規定する内容はない。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
文書登録、文書管理、文書作成

国家産業遺産を申請するには、独自の産業特性と遺産価値を持ち、保存状態が良好で管理レベルが高く、国家産業遺産評価指標の要件を満たすことが必要である。

また、所有権が明確であること、省級産業遺産または中央企業産業文化遺産であること、さらに産業遺産の保護活用計画や管理体制、業務対策が策定されていることが条件となる。(第8条)

資格、認定

国家産業遺産の申請書は遺産所有者が提出し、所在地の県級または市級人民政府の同意を得た後、省級工業情報化主管部門の初回審査を経て工業情報化部に提出する。

中央企業の場合は本社に申請書を提出し、初回審査を経て工業情報化部に提出する。

複数の所有者が関与する遺産の場合は合意後に共同で申請を提出しなければならない。

国家産業遺産申請は自主性の原則に基づき、所有者は必要事項を記入した申請書を提出し、その真正性と完全性に責任を負う。(第9条、第10条)

文書登録、文書管理、文書作成

国家産業遺産認定は、原則として年一回に行われる。工業情報化部は専門委員会を設け、申請に対する審査と現場検証を実施する。

審査に合格して結果を公示した後、該当遺産は国家産業遺産目録に登録され、証明書が発行される。(第11条)

人の安全

国家産業遺産所有者は、遺産区域内の目立つ場所に標識を設置しなければならず、標識には遺産名称、標識、認定機構名称、認定時間、関連説明を含める必要がある。

標識は工業情報化部によって発表される。

また、所有者は遺産の重要な価値や保護理念、人文歴史、科学技術、景観風貌、ブランドの意味合いなどを紹介するための展示施設を設置しなければならない。(第12条、第13条)

文書登録、文書管理、文書作成

国家産業遺産所有者は、専門部門または担当者を設置して遺産の保存状況を監視し、保護範囲を定めて効果的な保護措置を講じ、遺産のレイアウト、構造、様式、風貌特徴を維持し、核心物の損傷を防ぐ必要がある。

大きな変化や損傷があった場合は適時に修復し、30営業日以内に省級工業情報化主管部門または中央企業本社を通じて工業情報化部に報告する。(第15条)

資格、認定

国家産業遺産所有者は完全な遺産記録を作成し、保護、収集、修理、開発、資金援助などの状況を記録して関連資料を収集・ファイリングしなければならない。

所有者はこれに協力し、保護活用年次報告書を提出し、作業概要や計画、所有権変更や計画調整について報告する義務がある。(第16条、第17条)

情報伝達、連絡

国家産業遺産の活用は、保護活用計画の要求に従い、シンポジウムや現地視察、アンケート調査などで国民や専門家の意見を聞き、科学的判断を下しながら行われるべきである。

また、都市スタイルの変換開発と組み合わせ、生態保護、全体保護、周辺保護を重視し、自然との調和を図りながら共生を目指さなければならない。(第18条、第19条)

文書登録、文書管理、文書作成

国家産業遺産の宣伝報道や普及促進を強化し、インターネットやビッグデータなどの新技術を活用して産業文学や芸術作品の創作、展示会、科学普及、愛国教育を推進し、職人精神や模範労働者精神を広め、産業文化の発展を促進することが求められる。

さらに、生産プロセスの体験や人文歴史の科学普及教育、特色ある製品のプロモーションなどの機能を備えた産業観光プロジェクトを開発し、地域と産業の特色を活かした産業観光コースを整備することが奨励される。(第20条、第21条、第22条)

人の安全

国家産業遺産所有者は自主検査を強化し、核心物に安全性や損傷のリスクを発見した場合には有効な是正措置を講じ、速やかに省級工業情報化主管部門または中央企業本社に自己検査と是正状況、及び所有権の変更などの重大な変更を報告しなければならない。

その後、省級工業情報化主管部門または中央企業本社は審査と検証を行い、重大問題については工業情報化部に報告する。(第27条)

目次

国家産業遺産管理弁法

第一章 総則
第一条
第二条
第三条
第四条
第五条
第六条
第七条

第二章 認定手順
第八条
第九条
第十条
第十一条

第三章 保護管理
第十二条
第十三条
第十四条
第十五条
第十六条
第十七条

第四章 活用開発
第十八条
第十九条
第二十条
第二十一条
第二十二条
第二十三条
第二十四条
第二十五条

第五章 監督管理
第二十六条
第二十七条
第二十八条
第二十九条
第三十条

第六章 附則
第三十一条
第三十二条

添付1
添付2
添付3
添付4

基礎情報

法令(現地語)

国家工业遗产管理办法

法令(日本語)

国家産業遺産管理弁法

公布日

2024年03月02日

所管当局

中華人民共和国工業情報化部(MIIT)

作成者

株式会社先読

株式会社先読

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